特集2017年5月11日更新

なぜ学ばない?政治家の失言・暴言・不適切発言集

一般人よりもはるかに言動に気をつけなければいけない職業、それが政治家。…のはずなのに、多すぎるのが政治家の方々の失言や暴言。次から次へと報道されて、なぜ学習しないのか不思議になるほどです。果たしてこれらの発言は本音なのか、ただ言葉選びを間違えただけなのか…最近目立つ政治家の不適切な発言をまとめてみました。

災害に関する失言・暴言・不適切発言

今村雅弘 復興大臣(当時)

政治家の失言として一番記憶に新しいのはこの方でしょう。東日本大震災の被災者の方々の心情を傷つける、復興大臣としても人としてもあるまじき、心ない発言でした。

2017年4月25日

自民党二階派のパーティにて「(東日本大震災が)まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大な、甚大な額になった」と発言しました。

マグニチュード9・0、これは日本観測史上最大であります。津波高が9メートル、ワンオク(湾奥=わんおうのことか?)30メートルになったのも…わけでございまして、死者15893、行方不明2585、計18478人、この方が一瞬にしてですね、命を失われたわけであります。また社会資本の毀損もですね、いろんな勘定の仕方もございますが、25兆円という数字もあります。
 これはまだ東北ですね、あっちの方だからよかった、これがもっと首都圏に近かったりすると、莫大(「ばーくだいな」と発音)な、甚大(「じーんだいな」と発音)な弊(ほとんど聞き取れないかったが…)があった

以前から失言を繰り返していた

 上半期の日本失言・炎上大賞を選ぶとしたら間違いなくこの人、今村雅弘前復興相だ。すでに多数報道されているため詳細は省くが、東日本大震災で被災し、復興を目指す人たちの気持ちを復興庁のトップ自らが踏みにじる失言・暴言だった。
 今村氏はこれまでにも「(自主避難者は)自己責任」「裁判でもなんでもやればいいじゃないか」などの失言を繰り返してきた。東電株を8000株持っていることも注目を集めた。被災者をはじめとする人々から復興相の辞任を求める声が上がったが、スルーされた。なぜか今村復興相をかばう人たちもいた。しかし、今回は誰もかばわなかった。「つい、うっかり口が滑った」のではなく「本音が出た」のが誰の目にも明らかだったからだ。最近は多少炎上しても、人々はすぐに忘れてしまうが、「うるさい!」「出て行け!」と叫んでいたこの人の顔はしばらく忘れないだろう。

この発言により復興大臣を辞任

 今村氏への怒りは日本列島を駆け巡った。桜井勝延南相馬市長は「震災で犠牲となった約2万人に対する冒涜だ」と憤激した(河北新報 4月26日)。達増拓也岩手県知事は「聞いた瞬間、身が凍るような衝撃を受け、怒りがわいた」とコメント。また、陸前高田市から盛岡市に避難している男性は「大臣になりたいだけで、復興のことが頭にないのだろう」と切り捨てた(産経新聞 4月27日)。4日の問題発言の後、いち早く今村氏の釈明インタビューを掲載した地元佐賀新聞も突き放した。被災地の支援活動を行う佐賀の女性は「被災者に対して恥ずかしいし申し訳ない」と嘆いている(佐賀新聞 4月26日)。

二階俊博 自民党幹事長

2017年4月26日

今村雅弘前復興相の失言による辞任を受け、都内で講演した際に「それの方(マスコミ)の首、取った方がいいぐらい」と発言しました。

「政治家の話をマスコミが余すことなく記録を取って、一行悪いところがあったら『すぐ首を取れ』と。なんちゅうことか。それのほう(マスコミ)の首、取ったほうがいいぐらい。そんな人は初めから排除して、入れないようにしなきゃダメ」

片山虎之助 おおさか維新の会共同代表

震災に絡む失言と言えば、こちらは去年のことですが、熊本地震に対しても心ない発言をした政治家がいました。その後、釈明・謝罪をしています。

2016年4月19日

おおさか維新の会の片山虎之助共同代表は19日、熊本地震は「大変タイミングのいい地震」だと発言。不謹慎だと批判され、ツイッターで謝罪している。

石原慎太郎 東京都知事(当時)

石原慎太郎元東京都知事の発言も、東日本大震災の被災者の心情を傷つけるものとして、当時大変な批判を浴びました。

地震に関する政治家の失言といえば、2011年の東日本大地震後に石原慎太郎都知事(当時)が発した「天罰だと思う」との発言が思い出される。

その他、最近の失言・暴言・不適切発言

山本幸三 地方創生相

2017年4月16日

滋賀県のセミナーでの、学芸員を軽視した発言が批判を呼びました。

山本幸三 地方創生相
「一番のがんは文化学芸員と言われる人たちだ。観光マインドが全くない。一掃しなければ駄目だ」
「一番の"がん"は文化学芸員。この連中を一掃しないとダメだ」

"アベノミクスの仕掛け人"を自認する山本幸三地方創生担当相の発言が波紋を広げている。山本地方創生相は16日、滋賀県内の地方創生に関するセミナーで講演。その際、外国からの観光振興に関する質疑のなかで、"文化学芸員はがん"発言が飛び出したのだ。
また、山本大臣は「地方創生とは稼ぐこと」と定義したうえ、京都の二条城のケースをあげ、「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない」などと学芸員を批判したのだという。

翌日、発言を撤回し謝罪

学芸員という職業を軽視した内容が多方面から批判を受け、大臣は17日に発言は適切でなかったとして撤回し、謝罪しました。

務台俊介 元内閣府政務官

2017年3月8日

政治資金パーティーでの「長靴」発言に批判が広がりました。

「たぶん長靴業界は、だいぶもうかったんじゃないか」などと言及。

以前に謝罪した問題を受けての失言

16年9月には、務台俊介復興政務官が台風の被災地を視察した際、長靴を持参しなかったため、水たまりを職員におんぶされて渡った様子が報じられた。

2017年3月10日辞任

3月10日、官邸内で臨時の大臣政務官会議が開かれた。台風被災地での失態や「長靴発言」で務台俊介内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官が辞任

SNSでの失言・暴言・不適切発言

小西ひろゆき議員

こちらは失言は失言でも、SNSでの発言。民進党の小西ひろゆき議員は以前から度々インターネット上で炎上を繰り返しています。

批判のタネとなったのは「安倍総理はおろか閣僚一人も辞任に追い込めなかった」という一文。この発言に対し、小西氏のTwitterは瞬く間に炎上してしまったのだ。
トランプ大統領と安倍首相が仲良くツーショット写真で写っているツイートに「品格のない顔」とヤジを飛ばしていることが明らかになりました。

政治家というのは影響力の強い職業ですから、発言にはじゅうぶんに気を配ってほしいものですね。実際に口にする言葉だけでなく、SNSアカウントを持っている政治家も少なくない今、インターネット上での発言にも気をつけてもらいたいものです。