平昌五輪のピックアップテーマ2018年2月10日更新

平昌五輪でメダルが期待できる日本人選手 その5

「今シーズンのワールドカップ(W杯)で表彰台に立った」ことを基準にして「平昌五輪でメダル獲得が期待できる選手」を紹介してきた本シリーズは、第5弾の今回で最終回。前回の「スノーボード」編に続いては、「ノルディック複合」と「ショートトラックスピードスケート」について紹介します。

渡部暁斗(ノルディック複合)

4連勝含む今季5勝 表彰台は6戦連続で平昌へ

2017-18シーズンW杯の主な成績
ノルディック複合 第1戦 ルカ大会 3位
第2戦 ルカ大会 優勝
第9戦 ショヌーブ大会 2位
第10戦 ゼーフェルト大会 優勝
第11戦 ゼーフェルト大会 優勝
第12戦 ゼーフェルト大会 優勝
第13戦 白馬大会 優勝
第14戦 白馬大会 3位

前回の銀メダリストが絶好調 狙うは金

昨シーズンまでW杯個人総合2位3回、3位3回と6季連続でトップ3入りを果たし、五輪には過去3回出場して前回ソチでは銀メダルを獲得するなど抜群の実績を誇る渡部は、今シーズンが始まる前からメダル候補に挙げられていました。そしてW杯が始まると第2戦で早々に優勝し、圧巻は1月下旬からの4連勝。調子を最高潮に上げて平昌へ乗り込むことになり、金メダルの大本命に躍り出ています。

今季好調なスキー・ノルディック複合の渡部暁斗(わたべ・あきと)も金メダルの本命だ。
「彼もほぼ確実でしょう。他国の有力選手のジャンプの調子が悪いので、そこで差をつけたい。特にラージヒルはジャンプで差がつきやすいので、勝負の分かれ目になると思います」
銀メダルだったソチ五輪から4年。「たぶん僕は五輪で実力以上が出る選手ではない。奇跡を起こす特別な選手じゃない」と自覚している。しかし、今季は着実に成績を積み上げてきた。「今年はしっかり何勝もして、1位になってもおかしくない状態を自分でつくれた。金メダルにふさわしい選手と言える」とキッパリ。

「キング・オブ・スキー」荻原健司も実力に太鼓判

W杯個人総合3連覇の「キング・オブ・スキー」荻原健司も成し遂げられなかった個人での日本人初金メダルを獲得し、新たな「キング・オブ・スキー」になれるかに期待がふくらみますが、その荻原は現在、渡部の所属チーム・北野建設スキー部の部長です。
下の記事は少し古めの記事ですが、荻原が理想としたシナリオ通りになっている点が驚きです。

荻原健司部長の描くシナリオは、まず’17-’18シーズンにうまく入ること。「W杯序盤の1、2戦で表彰台に上り、じわじわと調子を上げていって、2月を迎えられたら理想的です。平昌直前には地元・白馬でW杯があるので、そこで勝って弾みをつけて本番に入り、長い間、勝てなかったフレンツェルを倒してくれればいい。僕らノルディック複合関係者にとって五輪の個人金メダルは絶対にクリアしなければならないハードル。暁斗ならやってくれると信じてます」と、かつてキング・オブ・スキー(W杯王者のみに与えられる称号)に君臨した男は後輩に夢を託す。

ラージヒルのほうが期待大?

スポーツ紙の直前予測によると、好調のジャンプで差が広げやすいラージヒルのほうがノーマルヒルより期待できるとの論調になっています。

最近の勢いを重視したのはノルディックスキー複合ラージヒル(LH)の渡部暁斗とスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢だ。渡部暁はW杯4連勝。ジャンプが好調で、前半のリードが大きくなるLHは特に期待大。

夫婦で臨む平昌五輪

妻はフリースタイルスキー・ハーフパイプ代表の渡部由梨恵。バイアスロンの立崎幹人・芙由子とともに夫婦で代表に選ばれています。

フリースタイルスキー・ハーフパイプで初五輪を決めた渡部由梨恵(29=白馬ク)は、14年にノルディック複合の暁斗と結婚した。大学時代からの交際を実らせてのゴールインだった。

出場予定種目

※出場しない場合もあります

ショートトラックスピードスケート男子5000mリレー

今季W杯初戦で6季ぶりの銅メダル

2017-18シーズンW杯の主な成績
5000mリレー 第1戦 ブダペスト大会 3位
第2戦 ドルトレヒト大会 4位

7大会ぶり2度目の表彰台を狙う“隠れメダル候補”

ショートトラックの今季W杯第1戦の決勝レースに坂爪亮介、渡辺啓太、横山大希、吉永一貴の布陣で挑んだ日本男子チームは3位に入り、2011年12月の名古屋大会以来6季ぶりに表彰台に上がりました。スポーツニッポンのメダル予想記事では「ベテランと若手がかみ合っていて面白い」として「隠れメダル候補」に挙げられていて、1992年アルベールビル五輪の銅メダル以来、7大会ぶり2度目の表彰台が期待されています。

体重はデコボコだが、実力は粒ぞろい。これが、ショートトラック男子5000メートルリレーの最大の強みだ。ギルメット・ヘッドコーチ(HC)は「すごい選手が1人いて、残りはそうでもないチームもいる。日本は違う。タッチさえうまくいけば大きなスピードダウンということはない」と、戦力分析した。

メダル獲得への秘策は“タッチ”

2016年リオ五輪の陸上男子400mリレーの日本チームが、強豪国との個々の実力差を埋めるべく、日本ならではの高いバトンタッチ技術で銀メダルを獲得したのは記憶に新しいところ。ショートトラックのリレーでも同様にリレーの“つなぎ”、タッチの技術によってスピードに乗る作戦でメダルを狙います。

男子7大会ぶり表彰台は、中継がカギを握る。交代は前走者が次走者の腰を押す。個のスピードで他国に劣り、タッチでの加速が生命線だ。渡辺―坂爪―吉永―横山が基本走順。欧米に比べ体格差があることを逆手に取った布陣だ。坂爪が9キロ軽い吉永を押すところが「一番飛ぶところ」と選手は口を揃える。
「飛ぶ」とはタッチ時の加速を指す。吉永が3キロ軽い横山を押すところも“飛ぶ中継”。飛んで飛んで、(トラックを)回って回ってとばかりにこの2中継でリードを広げ、離されていれば差を詰める。45周のうち中継は各7~8回ある。