平昌五輪のピックアップテーマ2018年2月11日更新

4年越しの悲願達成へ スキージャンプ高梨沙羅

前回のソチ五輪では、メダル獲得を逃す4位で涙を飲んだ高梨沙羅。強力なライバルたちが出現し、前回より困難となったとされる「金メダル獲得」という悲願達成を誓います。

金メダルを狙う高梨沙羅

高梨沙羅のプロフィール

生年月日1996年10月8日
年齢21歳
性別女性
身長/体重152cm/44kg
所属クラレ
出場予定種目ジャンプ 女子

2017-18シーズンの戦い

スキージャンプW杯で男女合わせて歴代最多タイ記録の53勝を挙げている高梨沙羅。昨年までは敵無しと評されていた高梨ですが、歴代単独最多の通算54勝目を目指して挑んだ今年、ライバルたちが急速に力をつけてきたこともあり、2017-2018シーズンのW杯はいずれも3位以下に甘んじ、結局優勝のないまま平昌五輪を迎えることとなりました。

2017-18シーズンW杯の主な成績
個人 第3戦 リレハンメル大会 3位(HS138)
第4戦 ヒンターツァルテン大会 3位(HS108)
第5戦 札幌大会 3位(HS100)
第6戦 札幌大会 2位(HS100)
第8戦 蔵王大会 3位(HS102)
第9戦 リュブノ大会 3位(HS94)
団体 第1戦 ヒンターツァルテン大会 優勝(HS108)
第2戦 蔵王大会 優勝(HS102)

歴代単独最多の通算54勝目は「お預け」のまま

女子ジャンプの高梨沙羅(21)は、平昌五輪前最後のW杯第14戦も4位に終わった。昨年2月の平昌五輪プレ大会(昨季第18戦)に勝ってから11試合も優勝がない。

しかし直前の仕上がりは上々?

五輪直前のリュブノ大会でも優勝することなく終えた高梨ですが、本来のフォームを取り戻し復調の糸口を掴むなど、本番に向けて仕上がりは上々のようです。

五輪前ラストとなったリュブノ大会(27~28日・スロベニア)を終え、今季W杯10戦未勝利。だが、同国のプラニツァで行った最終合宿で、復調の糸口をつかんだ。2日間で10本以上を飛び、助走から踏み切り、空中姿勢へスムーズにつなげる本来の姿を取り戻したという。「リュブノからの課題を克服できた」。鷲沢徹コーチ(43)も「助走のポジションが安定し、全体的に流れが良い」と絶賛した。当地では、ソチ五輪銀メダリストで、W杯リュブノ大会第2戦を勝ったダニエラ・イラシュコ(オーストリア)らも練習していたが、「(沙羅が)飛距離は断トツ。ライバルよりも5メートルくらいは飛んでいた」(鷲沢コーチ)。上り調子を裏付けた。

2月10日の公式練習では全3本でK点以上をマーク

2月10日に、試合会場となるアルペンシア・ジャンプセンターで行われた公式練習では、1回目で103m、2回目で106.5mを飛び全体1位をマーク。

沙羅の強さが、日に日に増している。1回目、2回目ともに全体トップ。「1本目、2本目とも課題は克服できた。アール(助走路)からカンテ(踏み切り台)へスムーズに乗れてきている。まずまず合わせられた」。3回目は98メートルの3位だったが、タイミングを外した自覚があった。原因が明確だから、心配は少ない。金メダルただ1つを狙う勝負へ、最終調整は順調に進んでいる。

高梨沙羅のライバルは?

高梨沙羅の前にそびえ立つ2強の壁

2017-18シーズンW杯最多の優勝を誇るノルウェーのルンビと、ドイツのアルトハウスが高梨の金メダル獲得を阻む最大のライバルといえます。2017-2018シーズンのW杯のほとんどをこの2名が優勝争いを演じました。
さらには右膝手術から復帰し、ルンビのW杯7連覇を阻止するなど復権の兆し見せる元女王イラシュコ、高梨とともに2度目の五輪出場となる10年来のライバル・伊藤有希など、高梨にとっては難敵ひしめく大会となりそうです。

ルンビ(ノルウェー)

◆沙羅とルンビの飛距離 今季のW杯10戦は全てルンビの順位が上。純粋に飛距離だけで比較しても、沙羅は厳しい戦いだ。特に1月19~21日に山形・蔵王で行われた個人第7、8戦では大差がついた。第7戦ではルンビが101.5メートル、100メートルと大ジャンプを2本そろえたのに対し、沙羅は93.5メートル、93メートル。第8戦でもルンビが97メートル、101メートルで、沙羅は89メートル、91メートル。飛型点(ジャンプの美しさや着地)が加算されても飛距離の差が大きければ逆転も難しいだけに、距離で肉薄できたのは大きい。

アルトハウス(ドイツ)

W杯の第2戦、第3戦では優勝を遂げ、それ以外の大会でも2位につけることの多いルンビに次ぐ強敵です。高梨同様にスピードを活かしたジャンプを得意としており、ミスが少ない安定したジャンプで着実にメダルを掴むと予想されています。

イラシュコ(オーストリア)

昨年11月の右膝手術から復帰して2戦目(第14戦)に優勝したダニエラ・イラシュコ・シュトルツ(34=オーストリア)だ。

新女王M・ルンビ(23=ノルウェー)の7連勝を阻み、2年ぶりとなる優勝カップ(W杯通算13勝目)を手にしたベテランは、輝かしい実績の持ち主だ。

伊藤有希(日本)

小学生時代から10年以上、高梨とライバル関係を築いてきた伊藤有希。所属先の土屋ホームではレジェンド・葛西紀明からも指導を受けており、大舞台に強いと言われる強心臓でメダル獲得を狙います。

メダルをかけた戦いは2月12日

ソチ五輪ではコンディションへの懸念から辞退した開会式に今回は参加し、五輪の雰囲気と日本代表としての実感を肌で感じた高梨。モチベーションも高まっているはずです。

日の丸を背負う実感が胸に満ちた。「入場の時、(日本)チーム一丸となって歩いていく感じに鳥肌が立った。周りの支えに結果で恩返ししたい」。ソチは調整のため欠場したが、今大会は五輪の雰囲気を存分に味わって力にしている。

2月10日の公式練習前には安倍首相からの激励も

「『準備はできていますか? 頑張って下さい』とありがたいお言葉をいただけた。誇りに思って試合につなげたい」と心を奮い立たせた。

高梨沙羅の出場予定

高梨沙羅の出場する「女子ノーマルヒル」は2月12日(月)21時50分から。テレビ放送は21時30分から23時20分、NHK総合にて生放送されます。4年越しの想いを叶え、悲願の金メダル獲得なるか。その戦いぶりに注目です。