平昌五輪のピックアップテーマ2018年2月17日更新

小平奈緒 “大本命”500mで悲願の金メダル獲得へ

500mは昨季からワールドカップ(W杯)で15連勝、2016年から国内外の大会で24連勝中で、1000mもW杯で今季3勝を挙げて昨年12月には世界記録を更新するなど、圧倒的な強さを見せるスピードスケートの小平奈緒。1000mの「個人初メダル」に続き、18日の“大本命”500mでは「金」を目指します。

14日の1000mは惜しくも銀メダル

念願の「個人初メダル」は達成…次は500mで「金」獲りへ

高木美帆との日本人ダブル表彰台

平昌冬季五輪は14日、スピードスケート女子1000メートルが行われ、同種目の世界記録を持つ小平奈緒(31=相沢病院)が1分13秒82で銀メダルを獲得。高木美帆(23=日体大助手)が1分13秒98で銅メダルを獲得し、日本人ダブル表彰台を達成した。

「100%出し切れた。この銀メダルに後悔はない」

一瞬悔しい顔をして、小平は拳を突き出した。0秒26差の2位。3度目の五輪で初めて個人種目の表彰台に立った日本女子初の世界記録保持者は「100%出し切れた。この銀メダルに後悔はない。諦めずにゴールの先まで滑れて良かった」と胸を張った。
次は24連勝中の500メートル。五輪2大会金メダルの李相花(28=韓国)との頂上決戦。完全アウェーの戦いでも、もう心が揺らぐことはない。最強を証明してみせる。

500mのライバルは地元・韓国の李相花(イ・サンファ)

五輪3連覇を目指す強敵

大本命の500mでライバルとなるのは、バンクーバー、ソチと五輪の同種目を連覇している韓国のイ・サンファ。地元・韓国のヒロインに対する大きな声援とも戦うことになりそうですが、このライバル対決には韓国の国民も大注目しているといい、そのおかげか韓国における小平の知名度はかなり高いといいます。
また、この“日韓頂上対決”については地元メディアの報道が過熱していて、小平と比較されるイ・サンファがいら立ちを見せているとも報じられています。

ライバルを挙げるとすれば、開催地・韓国の李相花(28)だろう。10年バンクーバー、14年ソチ五輪の500メートルで連続金メダル。平昌で3連覇を狙う国民的ヒロインは、最近の成績では小平に大きく劣るが、地元の大声援を受けることが不気味ではある。
18日の女子500メートルは五輪2大会連続覇者・李相花(イサンファ)(韓国)との対決が注目される。自身24連勝中で昨季以降、負けなし。地元・韓国メディアからもライバル対決について問われ、「李相花もとても素晴らしい選手。勝ちというよりも、熱い戦いができればいい」と表情を引き締めた。

小平より先に注目を浴びたスター選手

韓国の李相花選手は、スピードスケート女子500mで「36秒36」(2013年)という世界記録を保持している。
1989年生まれで、1986年生まれの小平選手よりも3歳若いが、先に注目を浴びたのは李選手だった。李選手は、中学校時代から頭角を現わし、2010年のバンクーバー冬季オリンピック、スピードスケート女子500mで金メダルを獲得。韓国だけでなく、世界的にも一躍スター選手となった。

いよいよ“大本命”500mの大舞台へ

「金メダルを取るための方程式に乗ったと思う」

残る金メダルのチャンスは500メートルのみ。2季にわたり国内外のレースで24戦無敗だが、五輪で勝たなければ意味がない。
「1000メートルで3位以内というのは、500メートルで金メダルを取るための方程式に乗っていると思う。まだチャレンジできる舞台があるので、そこに向けて挑戦したいな、と思います」
18日には24連勝中の500メートルに挑む。もう一段上を目指す気持ちを問われ「もちろんあります。アスリートなのでそういう気持ちは大切にしたい」と気合を入れ直した。

自身3度目の五輪で金メダルの大本命に

小平奈緒のプロフィール

生年月日1986年5月26日
年齢31歳
性別女性
身長/体重165cm/60kg
所属相沢病院
出場予定種目スピード 女子1000m / 1500m / 500m

500mは昨季からW杯15連勝 国内外の大会で24連勝中

2017-18シーズンW杯の主な成績
500m 第1戦 ヘーレンフェーン大会 優勝(1&2日目)
第2戦 スタヴァンゲル大会 優勝(1&2日目)
第3戦 カルガリー大会 優勝
第4戦 ソルトレークシティー大会 優勝(1&2日目)
1000m 第1戦 ヘーレンフェーン大会 優勝
第2戦 スタヴァンゲル大会 優勝
第4戦 ソルトレークシティー大会 優勝

500mでも1000mでも金メダル候補

日本選手団の主将として自身3度目の五輪に挑んでいる小平奈緒。これまでの五輪では、バンクーバーのチームパシュート(団体追い抜き)で銀メダルを獲得していたものの、個人としては5位入賞が最高成績で、メダルに手が届いていませんでした。
しかし近年は好成績を挙げていて、W杯の500mでは2014-15年、16-17年シーズンに種目別優勝を果たし、今からちょうど1年前に行われた17年世界距離別選手権では500mで優勝、1000mで2位、17年世界スプリント選手権でも総合優勝と、「無敵」と呼べるほどの成績を収めています。
今季のW杯でも圧倒的な成績を残していて、500mと1000mのどちらも金メダル候補に挙げられている「最も金メダルに近い」選手です。

目前に迫った平昌五輪(2月9日開幕)。日本人で最も金メダルに近い存在が、スピードスケートの小平奈緒(31)だ。

1万人対象の調査で「金メダル予想」1位は小平

産業能率大学スポーツマネジメント研究所が20代から60代の男女1万人を対象に実施した「平昌冬季オリンピックの選手と競技に関する調査」によると、「金メダル予想」の1位は小平という結果になっています。認知者の過半数が金メダル獲得を予想しているとか。

【金メダル予想】
1位:小平 奈緒(スピードスケート)
2位:羽生 結弦(フィギュアスケート)
3位:渡部 暁斗(ノルディック複合)

アウトレーンなら記録にも期待

夏季・冬季合わせて14大会連続で五輪を現地取材しているスポーツライターの折山淑美氏は「金メダル間違いなし!」としつつ、次のように述べています。

あえて不安要素を挙げるならば、スタート時のレーンくらいでしょうか。W杯ではランキング1位の選手がインレーンスタートになるので、今季の小平はアウトレーンでのスタートが少ない。だから、アウトレーンに入ったときにどうなるか。
でも、一般的にはアウトレーンのほうが記録は出やすいので、そこで完璧に滑れたらとんでもない記録が出ると思いますよ

昨年12月には1000mで世界新記録を樹立

500mを主戦場とする小平ですが1000mでも好成績を収めていて、今季W杯のソルトレークシティー大会では1分12秒09の世界新記録で優勝。日本勢の個人種目での世界記録樹立は12年ぶり、女子では初めての快挙でした。

米スポーツ専門誌「スポーツイラストレイテッド」は2冠を予想

アメリカの権威あるスポーツ専門誌「スポーツイラストレイテッド」が行った大会前のメダル予想では“2冠”とされていました。

エースの小平奈緒(31、相澤病院)がW杯を含む公式戦で24連勝中の500メートル、昨年12月のW杯で世界新記録を樹立している1000メートルで2冠。

31歳でも成長し続ける秘密は

ソチ後にスピードスケート大国オランダで武者修行

小平は現在31歳。“遅咲き”とも呼べる近年の活躍の秘密は、オランダ留学やフォーム変更など、年齢を重ねても挑戦し続ける姿勢にあるようです。

前回の2014年ソチ五輪では500メートル5位、1000メートル13位に終わったが、一念発起し2年間、スピードスケート王国のオランダに練習拠点を移し、オランダ語も習得して厳しい環境に身を置いたことが実を結ぼうとしている。
特に今年に入ってからは、スタートのフォーム変更が功を奏して、最初の100メートルのスタートダッシュが以前よりグッと速くなりました

「生き方に迷いがなくなった」オランダ単身留学で心がたくましく成長

牛舎を改装したようなアパートでの生活。冷蔵庫もなく、ケガをするとスーパーで氷を買って冷やした。2日後の予定を「明日にして」と言われ、面食らった。ペコペコしていると「それをやるな。勝者のように振る舞え」と注意された。生来の心配性は2年の海外生活で一変。帰国後、結城匡啓コーチは「心のたくましさが凄い」と感嘆し、自身も「生き方に迷いがなくなった」と振り返った。

劇的な進化を遂げたのは帰国後

オランダでの2年間、自己ベストの更新はできませんでしたが、オランダで師事したコーチからは「王者の心構え」を伝えられたといいます。
そして、帰国した小平は18歳から指導を受けている結城匡啓コーチと「究極のフォーム」を模索。男子選手並みのスピードを生み出すフォームにたどり着いたようです。

どうすればいいか。たどり着いたのが「ヒップロック理論」だった。骨盤を左右別々に考え、筋肉を片方づつ強化する。軸を安定させれば、カーブでも氷を強く押せる。それに特化した10種類ものトレーニングを地道にやった。カーブワークも磨いた。1本歯の下駄を特注して、レース前に筋肉を確かめるのは小平のアイデアだ。

日本選手団の主将として挑む五輪

女性選手の主将は06年トリノ五輪の岡崎朋美選手以来

女性の代表選手が主将を務めるのは2006年のトリノ五輪の岡崎朋美選手以来となる。理想のキャプテン像と問われると、「あまり構えることはないと思っています。自分のできることを最大限に示すことに徹することだと思っています」と答えた。
主将の打診がきた時のことを振り返り、「正直ふさわしくないのかな思いました。私で務まるのかなという思いでしたが、昨年から成績も伴ってくるようになり、今、私にしかできない役目かなと思いました。これからの学びにつなげることができると考えると、覚悟を決めることができました」と語った。

気分を高める時に聴くアーティストは「ゆず」「Superfly」

小平は人気デュオ・ゆずのファンだといい、気分を高めたい時やヤル気を起こす時は、ゆずの曲のほかSuperflyの『beautiful』も聴いているそうです。

小平選手に、モチベーションを上げるために聴く曲を尋ねた。「様々なアーティストの方が勇気の出る歌声を届けてくれるので絞れないのですが」と前置きをしてから、Superflyの『beautiful』を挙げた。

五輪のレースでもこれらの曲を聴いて気分を高めるのかはわかりませんが、小平が金メダルを狙う500mのレースは18日の20時56分に開始予定。
テレビでは、19時50からのNHK BS1、20時からのTBS系で生放送が予定されています。
14日に行われた1000mの中継では瞬間最高視聴率33.0%を記録したことから、18日の500mも日本中の注目を集めることになりそうです。

17日以降の出場予定種目

2月18日女子500m