特集2017年6月24日更新

リバイバルブーム!進化して人気再燃の懐かし商品

家電、ファッション、漫画や音楽、アクセサリー…。かつて人気だった商品が最近また人気になる、いわゆる「リバイバル商品」が最近多いようです。しかもその多くが、当時の良さを活かしつつ、機能・性能をパワーアップして復活しているのです。しかも、使っているのは当時の愛用者だけではなく、女子高生を中心とする若い人たちも少なくないようなのです。いったいなぜ?そんなリバイバルで人気になった商品たちのいくつかを紹介します。

写ルンです

「使い切り」レンズ付きフィルム

我々お父さん世代にとって、若いころの思い出はカメラとともにあった。幼い頃はまだカメラが高級品で、一家に1台あるカメラをイベントの際に持ち出しては、フィルム(24枚あるいは36枚)の残り枚数をカウントしながら大切に撮影したものだ。カメラのフィルムは貴重品であり、一枚たりとも無駄にはできないという思いで撮影し、その出来栄えに一喜一憂したものである。

30年前に大ヒット

スマホやデジカメもなかった時代、旅行やデートに「写ルンです」は欠かせなかった。40代以降の世代なら、ドライブの途中にコンビニに立ち寄って購入したこともあるだろう。そんな「写ルンです」も今年で30周年。1986年に富士フィルムから発売され爆発的なヒットとなった。がしかし、その後はデジカメや携帯カメラにおされ、レンズ付きフィルムの出荷は1997年の8960万本をピークに、2012年には430万本まで落ち込んだ。

きっかけはInstagram?再ブームの兆し

「30周年を迎えるにあたりリサーチしていく中で、インスタグラムで『#写ルンです』と検索したら、昨年2万5000件ヒットし、今は7万件以上ヒットします。若い女性が『写ルンです』で撮影した写真をデータ化してSNSに投稿しているんです。スマホ全盛期の今、フィルムならではの淡い風合いの写真が、逆におしゃれで新鮮に感じるそうです」(築地さん)。

5万本が3カ月で即完売

今年30周年を迎えた『写ルンです』(富士フイルム)がブーム再燃。4月に発売した5万本限定アニバーサリーキットは、3か月で即完売した。リバイバルヒットの秘密とは?

ブームの要因は…

(1)現像して初めて写真が見えるというわくわく感
(2)デジタルでは味わえない、独自の風合い
(3)シャッターを押すだけという撮影の簡便さ
(4)軽くて持ち運びやすい、また、バッテリー切れの心配がないこと

「枚数限定」も人気の要因?

「やっぱり27枚しか撮れないっていうのが良いですね。一枚一枚を大事にできるから。現像を待っている時間の感覚とかも新鮮。それに、フィルターをかけなくてもいい感じになるのが好き。ノイズも入るし、暗いところではうまく撮れない。フラッシュを焚くと人が浮かび上がる。そういうノスタルジーな雰囲気がエモいです」

チェキ

「撮ったその場でプリントが楽しめる」インスタントカメラ

富士フイルムがチェキの初代機「instax mini10」を発売したのは1998年11月。フィルム代の安さが女子高生の間で受け、人気商品になった。だがデジカメやカメラ付き携帯電話の普及により人気が終息し、同社内では「いつ廃番にするか」が検討されていた。

インスタントカメラとは

 インスタントカメラは撮影直後に自動で現像を行うフィルムを使ったカメラのことで、「チェキ」もそのひとつです。
撮影すると「カシャッ」と撮影音がなり、続いて「ジー」とフィルムが本体からはきだされ、30秒程度で撮影した写真が浮かび上がってきます。スマホやデジカメのようにプレビュー画面ではなく、1枚の写真として実際に手にとってみることができるんです。

2000年代前半、女子高生の口コミで大ヒット商品に

女子高生たちを東京・西麻布の本社に招いて集合ヒアリングを実施するなど、徹底的な市場調査を行った。
それらの結果を参考に開発されたのがチェキだった。出力されるインスタント写真の大きさは、縦8.6cm、横5.4cmの名刺サイズ。高校生の生徒手帳とほぼ同じ大きさで、撮影した写真のプリントをそのまま生徒手帳に挟めるようになっていた。フィルム代も1枚80円。10枚使っても800円と、女子高生が小遣いで買える価格に設定した。
当時、プリクラ1回の撮影代がおおむね400円。これで「プリクラより安く、どこでも写真が撮れる」チェキは、女子高生の口コミ効果で発売直後から「首都圏の量販店では品切れが続出するほどの人気商品」(同社関係者)となり、02年度には約100万台を販売するヒット商品になった。

デジカメ世代の若者には新鮮で?人気再熱

さらに日本国内でも、10~20代女性の間でチェキ人気が復活しつつある。フィルムカメラを知らない女子高生、女子大生などの「デジカメ世代」にとって、ファインダーを初めて覗いた時の驚きと新鮮さ、フィルム写真ならではの独特の風合いに加え、撮影した写真がその場でプリントされるなど、デジカメでは味わえない魅力が彼女たちを虜にしているようだ。

海外でも500万台を超える大人気

米WSJによると、昨年度には富士フィルムのインスタントカメラ「チェキ シリーズ」は500万個の売り上げ記録が報告されています。
これは、同社のデジタルカメラ製品をはるかにしのぐ勢いとのこと。
しかも、2016年度は最低でも650万個の売り上げが見込まれているというから驚きです。

アナログレコードプレーヤー

高級レコードプレーヤーが予約受付から30分で完売

35万円以上もするテクニクスのレコードプレーヤー『SL-1200GAE』(日本300台限定)は、なんと予約受け付けからわずか30分で完売しました。

広い世代から支持されているアナログレコード

今や音楽CDすら手に取る人が少なくなった時代だが、意外にもアナログレコードは一部で人気が高まっている。かつてその文化に親しんだ50歳代以上の音楽愛好家だけでなく、10~30歳代の若年層でも関心を寄せている。

ダウンロードにはない魅力を持つ「アナログレコード」

アナログレコードが他のどの音楽媒体よりも優れている理由は数えきれないほどあるが、中でも特に大きいのは、音の再現度と情緒性、そしてレコード鑑賞体験が持つ儀式的な側面だという。「レコードを聴くということは、物理的な行為。棚に移動してジャケットからレコードを取り出し、片面が終わったらひっくり返して続きを聴く、という能動的な行為だ。アレクサにスポティファイのプレイリストを再生するよう命じるのとは違って、自分が直接動く必要がある」(スポルディング)
アナログレコードの魅力は、唯一無二のものだ。日本では今もCDが絶大な人気を誇っているが、カセットやCDにレコードと同じ風情があるとは思えない。年長世代に昔の思い出をよみがえらせ、若い世代には新鮮な体験を与えるタイムカプセルとなるレコードは、あらゆる世代をノスタルジアの旅にいざなうことができる。

世界中でアナログレコードブーム?市場規模は1,150億円にも

国際会計事務所のデロイトによると、世界でのアナログレコードの年間売上枚数は今年4,000万枚に達する見込みだ。市場規模は2000年以降で初となる10億ドル(約1,150億円)の大台に乗る可能性があるという。

ファミリーコンピュータ(ファミコン)

テレビゲーム史に残る名機

任天堂から発売されたファミリーコンピュータことファミコンは、お手軽にゲームを交換できるカートリッジや、十字キーを採用したことで高い操作性を実現したコントローラなど、後のテレビゲーム機に多大な影響を与えた歴史的ゲーム機である。

「ファミコンミニ」

「ファミコンミニ」。正しくは「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」という商品名で、11月10日発売されると、売り切れ続出で入手困難なほどの人気となっている。
「『ファミコン』こと『ファミリーコンピュータ』は1983年に発売されたゲーム機で、カセットを差し替えることでさまざまなゲームか遊べることで人気になりました。ファミコンミニはカセットを差し替えることはできませんが、あらかじめ30本ものゲームが収録されています」(ゲームライター)

初代にはなかった画期的な機能が話題に

「その機能はリセットボタンにあります。先代でリセットボタンといえば、ゲームをリセットし最初からやり直すことができる機能が割り振られていました。しかし、ファミコンミニは『中断セーブ』になっています。ゲームをいったん終わりにして、次の時に続きを遊べる機能で、かつての“ファミっ子”にとっては夢のような機能ですね」

アメリカでは「スーパーファミコンミニ」発売情報も

「報道によると、すでに開発は終了していて2017年の年末商戦にあわせて発売されるそうです。ミニファミコンが製造を中止したのは、このスーファミミニを生産するためだとも報じています。真偽の程はわかりませんが、発売されたら大ヒットになるのは間違いありません」

チープカシオ

チープカシオとは

1000円程度の格安カシオ製ウォッチのことです。
人気の火付け役「F-91W」
ステンレスタイプの「A158WA-1」
「チープ」と聞くと安っぽい印象ですが、国産良質品の代表格でもある「Gショック」の源流とも言えるカシオ時計。

若者を中心にファッションアイテムとして人気

これが今20〜30代の若者を中心にファッションアイテムとしてバカ売れしています。
人気の秘密は、大きめの文字盤が特徴のシンプルなデザイン。学校の壁掛け時計のようなレトロさが可愛いですよね。
プチプラなのに機能性も抜群。デザイン違いで集めるコレクターもいるようです。

Twitterでも「かわいい」や「レトロ」「軽い」などのコメントや「チプカシ」を身に付けて画像を上げているなど盛り上がりを見せています。

星野源さんが映画で着用していた「チプカシ」がTwitterでも話題になっています。

セーラームーン

25年前に社会現象にまでなったアニメ

セーラームーンは1992~1997年に『なかよし』(講談社)で連載された、武内直子作のバトル系少女漫画だ。平凡な中学生の女の子たちが不思議な力によって変身し、協力して魔物を打ち倒すという、まるで戦隊ものの女性版のような内容はそれまでの女児向けアニメとは一線を画しており、女児向けアニメとしては異例の全200話の長編化。社会現象になるほどの人気を博した。

「1990年代に少女だった層」をターゲットにしたコラボレーション企画を展開

セーラームーンは女児向けアニメの中でも、ファッションとの親和性が高い。もともとのキャラクターデザインがスタイリッシュで成人女性のイメージと絡めやすいだけでなく、衣装はセーラー服で統一され、カラーやアクセサリー、武器で差別化を図るためモチーフを取り入れやすい。また、豪華すぎないデザインは、そのまま応用のしやすさに繋がっている。
大人になった少女たちは、社会に出るにはメイクアップが必要だと知っている。世界を救うなんておおごとではないけれど、自分達は戦いの中にいると知っている。
セーラームーン25周年コラボは、オトナ女子が戦士であるがゆえに「思い出の品集め」よりも「思い出を実用化する」という企画なのである。

プラネタリウム

室内で星空を楽しめるプラネタリウム

撮影機から光を放ちドーム状の天井に設置されたスクリーンに映し出される星の像と動きを再現する装置。主に季節の星空を映し出し、星にまつわる話を聞きながら楽しみます。現在では、さまざまな趣向をこらしたプラネタリウムが話題になっています。

コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City

超高輝度LED光源を採用したプラネタリウム「InfiniumΣ(インフィニウムシグマ)」によって星の色や瞬きを忠実に再現する。深い奥行きを感じるリアルな星空が特徴だ。“感覚の解放”をコンセプトに、寝転がって星空を鑑賞できるプレミアムシートの導入や、作品のテーマに合わせて調合したオリジナルアロマで癒されるプログラムなど大人が楽しめる工夫が凝らされている。

コニカミノルタ VirtuaLink(バーチャリンク)in 東京スカイツリータウン®

「VirtuaLink」は、従来のプラネタリウムとは異なり、ドームレスでバーチャル宇宙空間や星空を体験できる施設です。また、参加者が同時に同じコンテンツを鑑賞し、互いに協力しながら楽しむことができる、今までにない体験型エンターテインメントとなっております。
参加者は「PS VR」のVRヘッドセットを装着することで、まるで360度映像の中に入ったかのような感覚と、ナビゲーターの生解説によるライブ感溢れる体験を楽しむことができる。今回体験できる上映コンテンツ「ワンダーポッド」は、バーチャルの宇宙空間で、参加者全員が協力しながら地球や星空を作り上げていくことで、より一体感を感じることができる内容だ。

カセットテープ

「デジタル世代」10~20代の若者もカセットテープに注目

デジタル世代と思われる10代・20代といった若い世代にも、カセットテープファンが増えているそう。カセットならではのアナログな音質、そしてデザインがおしゃれ、面倒くさいところがいいとの声も。アイドルグループのでんぱ組.incは新曲をカセットでもリリースしている。

海外アーティストもカセットテープでリリース

ビルボードの記事によると、昨年1000本以上を売り上げたタイトルはたったの25本。いずれも、配信、CD、レコードで桁違いのセールスを上げたヒット作ばかりだ。それでも2015年、1000本以上売れたカセットが8本だったことを考えると、確実に復活を遂げていると言えるだろう。
2016年に最も売れたカセットは、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のサウンドトラックで、セールス本数は4000本以上。同作は2014年にリリースされて以来、売れ続けている。その他、エミネムの出世作である1999年のメジャーデビューアルバム「The Slim Shady LP」が約3000本、昨年他界したプリンスがプリンス・アンド・ザ・レヴォリューションとして1984年に発表した「Purple Rain」が2000枚のセールスを記録した。

国内アーティストも完全生産限定盤としてリリース

大手CDショップではアナログレコードと共にカセットテープを精力的に取り扱うコーナーを設け、都内には中古カセットテープ専門店がオープンするなど近年密かなブームとなっているカセットテープ。海外アーティストから火がついたと言われているカセットブームだが、日本でも近年、ユニコーンや大貫妙子などのキャリアアーティストから、若い実力派ミュージシャンまでカセットでの発売が増えてきている。

カセットテープ専門店も登場している

中目黒にオープンしたカセットテープ専門店「waltz」。中目黒駅を出て山手通りを目黒方面に向かう右手、都内でも指折りの高級住宅街の片隅に店を構える。
ジャンルは、往年のジャズから、90sヒップホップ、そして若手アーティストたちによるインディーミュージックなど様々だ。もちろん再生機器であるいわゆる“ラジカセ”の品揃えも充実している。当時を知る人であれば思わず「懐かしい!」の一言がこぼれるだろう。その他には、希少なレコードやカルチャーマガジンのバックナンバーなどのビンテージブックも展開する。

たまごっち

社会現象まで起きた「たまごっち」

今から20年前に、大ブームとなった「たまごっち」を覚えているだろうか――。バンダイが開発した卵型のキャラクター育成ゲームで、異常なほどのブームだった。
たまごっちを手に入れるために徹夜で店に並んだり、1個2000円ほどのものが数万円(!)で取引されたりして、社会問題に。1996年11月の発売から、20年で累計8100万個が売れたという。

今年、20周年を記念した復刻版を発売

「ちびたまごっち」は、1996年に発売した初代「たまごっち」をアクセサリー感覚で楽しめるよう、本体を約80%サイズにしたもの。たまごっちのお世話の内容は(1)ごはん・おやつをあげる(2)トイレのお世話(3)病気の治療(4)電気を消す、の4種類。シンプルで育てやすい仕様となっている。
今回の復刻版は、外観・基本の遊びは2005年に発売した「ちびたまごっち」を再現しつつ、20周年記念商品として「レアキャラクター」が登場する要素を取り入れた。
白、ピンク、水色、ブルー、オレンジ、スケルトンの全6種。価格は各1500円(税抜)。

リカちゃん

世代を超える「リカちゃん」人気

1967年に誕生し、今年で50周年を迎える着せ替え人形「リカちゃん」。彼女は最先端のファッションに身を包み、これまで4代にわたってモデルチェンジを遂げ、時代とともに変化する女の子の夢や憧れをかなえ続け、現在も三世代にわたって愛されています。

「誕生50周年記念 リカちゃん展」が松坂屋名古屋店で、8月9日(水)から9月4日(月)まで開催

「Licca meets Licca」をテーマに、約580体のリカちゃんやその家族、友達を当時の流行ファッションとともに紹介。誕生にまつわる開発ノートや歴代のリカちゃんハウスなど貴重な資料約70点のほか、「SWAROVSKI」など有名ブランドや著名人50組が50周年を祝う「コラボリカちゃん」も特別展示する。また、初代リカちゃんをオマージュした人形「誕生50周年記念 リカちゃん展 限定リカちゃん」など、展覧会オリジナルグッズも約400種類を販売。圧巻のボリュームとなっている。

SNSでも7万人を超えるフォロワー数で人気に

みんな大好き「リカちゃん人形」の香山リカさんは、フォロワー数7万1000超を誇る人気インスタグラマーでもあります。
日本のみならず世界各国へ足を延ばして写真をパチリ、そのセレブ美魔女のような私生活(小5だけど)にうっとり。

これだけデジタル化が進む中で、1周回って「アナログ」の良さが見直されてる…という面があるのでしょうが、やはり良い商品は時代を超えて良い、という点もあるのでしょうね。当時親しんでいた人だけなく、10代や20代の若い世代がこれらに反応するというのは、彼らのアンテナに引っかかるものがあったということでしょうから。古いものでも良いものがまたブレイクする。時代は違えどこれからも世代を超えたリバイバル商品が生まれることを期待しています。