特集2016年11月7日更新

復旧の状況は?鳥取中部地震特集

最大震度6弱を記録した鳥取中部地震から、2週間が過ぎました。今なお数百人の避難民がおり、復旧活動は続いています。現在の様子はどうなっているのでしょうか。

10月21日に発生した鳥取中部地震の現在の状況は

被害・復旧状況は

1万棟が被害、165人が避難生活

鳥取県の発表によると、住宅被害は1万19棟で今も165人が避難生活を続けているとのこと。

鳥取県は4日、県中部で震度6弱を観測した10月の地震による住宅被害が全半壊5棟など計1万19棟に上ったと発表した。小学校などで計165人が避難生活を続けており、県内のけが人は重傷4人を含む21人。農林水産関係の被害額は約10億6千万円に膨らんだ。

避難の理由は「余震への不安」

倉吉市に避難した理由は7割が「余震の不安」。ちなみにこの調査は10月28日~30日に、倉吉市内19カ所の避難所にいる避難者139世帯(279人)に話をきいたもの。

避難した理由は「余震が不安」が7割を占め、長引く余震に避難生活を余儀なくされている実態が浮き彫りとなった。

現地の様子は…

「しらべぇ」の記者が聞いた、震度6弱を記録した湯梨浜町の友人の10月末時点での心境。物理的ダメージだけでなく精神的ダメージも伺わせる。

元気なんですよ。でも、大変だなーというのは日々のしかかっています。大工も左官も足りなくて家の補修は進まないし、観光も農産物も大ダメージです。
観光に来ていただくのもいいですけど、もう少し怖いですよね。米子と鳥取と境港は全然ダメージないみたいですので、そこは全然OKです。そちらで鳥取の農産物を見かけたら買ってやってください。義援金もありがたいです。

発生から1週間経っても活発な余震

鳥取県周辺では過去にも、1週間以上後に同規模の地震が発生したケースが複数あったという。気象庁の青木元地震津波監視課長は「平常時に戻るまでには通常、1カ月以上はかかる。震度6弱程度の地震は今後も起こり得るので日頃から備えてほしい」と話した。

地震発生直後の状況(21日~23日)

鳥取の地震は2000年以来16年ぶり

鳥取県内で震度6弱以上を観測したのは、2000年10月6日の「鳥取県西部地震」以来で16年ぶりのことです。

地震直後、関西私鉄のほとんどが運行休止

関西の3私鉄は、地震直後に運行を休止、その後もダイヤに大幅な乱れが生じた。なお、JR関西は山陽線以外はほとんど影響がなかったという。

地震が発生した14時7分の直後から、阪神電車と阪急電鉄、京阪電鉄の3私鉄は安全確認・確保のために全線で運転を見合わせた。いずれも14時15分前後に運転を再開したが、この影響で各線の運行ダイヤに大幅な乱れが生じた。連結する他の私鉄にも影響が出るなど、一時は関西私鉄のほとんどに遅れが出るほどだった。

気象庁「過去1年で震度4何度か発生」

気象庁の当日の会見によると、最近1年間でマグニチュード4の地震が何回か発生していた中で、今回の震度6.6が発生したと報告があった。

次のページが最近1年間の地震活動を示した図です。左側に震央分布図があります。今回の地震、赤い丸で示すところで発生しています。その周りでも結構最近1年間、マグニチュード4程度の地震が何回か発生している中で、今日、6.6の地震が発生したということになります。この時系列が右側に書いてあります。右側の上の図が昨年の10月以降の約1年分の時系列です。マグニチュード4程度の地震がいくつか発生している様子が見えるかと思います。

予兆あった?「やっぱり来た」

鳥取ではここ最近地震が多かったことからネット上では「やはり」の声が相次いだ

"また、鳥取県ではここ1か月ほど、県内を震源とした地震が目立っていたこともあり、ツイッターやネット掲示板には、
「やっぱりここ最近鳥取で地震多かったから...」 「最近、鳥取中部で地震多かったから友達とそろそろでかいやつ来るんじゃね?って話してたらまじででかいのきた」"

11月4日、地震から2週間

国交相が現地入り

また、県内の観光業関係者からは国に「安全宣言」を出してほしいとの要望もあり、石井国交相は「鳥取県は観光的には通常の状況に戻っている。このことを発信することが、『安全宣言』につながる」と強調。国内外向けに鳥取観光のプロモーション活動を行い、現状を国としても発信するとした。

各地でイベント

祝日の3日、倉吉市内では、地域を盛り上げようとイベントが開かれたほか、地震の被害を受けた飲食店が仮店舗で営業を再開。東日本大震災の避難者らを支援する団体は湯梨浜町で東北の郷土料理を振る舞い、被災者らの体や心を温めた。

芸能人らの反応は

瀧本美織のアピールに期待!

「とっとりふるさと大使」に就任した鳥取県出身の女優、瀧本美織には、今こそ鳥取のアピールを、との声が

鳥取県では先月21日に震度6弱を観測した地震があったばかり。観光地の宿泊キャンセルは延べ1万人分に迫るなど風評被害が広がり、特産品の梨の落果など農業被害も出ている。今月6日の松葉ガニ漁の解禁や忘年会シーズンを前に、瀧本にはどんどん鳥取の魅力をアピールしてほしい。

その瀧本の地震当日のエントリー

地震当日に1億円の寄付をしていた高須克弥氏の対応に賞賛の声

今回の寄付の表明には「さすが高須先生」「生きたお金の使い方をサラッとやる。かっこよすぎます」「これぞかっこいいお金持ち!」など称賛の声が多く寄せられました。いつものことながら、高須院長のスケールの大きさには驚かされますね。

イモト、篠原ともえらからも心配の声

鳥取で震度6弱…瀧本美織、イモトアヤコが心配の声「無事を祈ります」

"地震発生から約40分後の14時48分、東京から広島へ移動中だったという篠原さんは「アナウンスメモ」として「現在は所低(原文ママ)速度で通常通り運行しているそうです、岡山島根鳥取、山陰地方で運転を見合わせているそうです」と、鉄道の運行情報をツイート。
その約10分後の14時57分には
「東京都が無料配布している『東京防災』PDFでご覧いただけます、御参考ください」 として、災害時の対処法や役立つ知識をまとめ「東京防災」が見られる、東京都ウェブサイトのURLを掲載した。さらに15時27分には、地震の最新情報を発する公的機関やメディアのアカウントをまとめてツイート。総務省消防庁、内閣府防災、首相官邸やNHK防災など7アカウントを列挙した。"

地震直後のこぼれ話

「インド6弱」のデマ画像拡散

地震の発生直後から、Twitterで「NHKが『鳥取県でインド6弱』と報じた」というデマ画像が拡散され混乱を呼んだ。こういった混乱を招くデマは、熊本地震でもありその時は投稿者が逮捕される結果となったため、今回の件も問題となる可能性もあるという。

デマ画像は複数のTwitterユーザーがツイートしており、中には1万RTを稼ぐものもあった様子。そもそも「震度」を「インド」と書き間違えるネタは今回が初めてではなく、2014年には「関東地方でインド5弱」というテロップが表示されたニュース番組のネタ画像がTwitterなどで拡散されたことも。

地震速報伝える女子アナ“スッピン”に衝撃

地震速報を伝えた生野アナらの顔がスッピンだったことで「ほぼ別人」と話題となった。

この地震速報を平日の16時50分から放送されるニュース番組「みんなのニュース」に出演する伊藤利尋アナ、生野陽子アナ、椿原慶子アナが伝えたのだが、放送の約3時間前ということもありメイクが完了していなかったのか、生野アナは“ほぼスッピン”と思われる状態で登場。その顔にふだんテレビで観ている顔と“まったくの別人”だったことでそのルックスに衝撃が走ったようだ。

ミヤネ屋の地震速報で表記ミス

情報番組「ミヤネ屋」で地震を伝えるテロップに「鳥取・鳥取市」とすべきところを「島根・鳥取市」と表示されるミスが発生した。

そんななか、日本テレビ系の人気ワイドショー『情報ライブ ミヤネ屋』で思わぬテロップミスが発生していた。その間違いとは、「鳥取・鳥取市」と伝えなければいけないところを「島根・鳥取市」と表示してしまったのである。宮根さん、島根出身だから間違いに気づいたはずなんだけど……。

もし地震が来たら

地震が来た時のNG行動

「地震が来たら机の下」は危険?

「地震が来たら机の下へ」というのは昔からの定番行動だが、最近はそれに異を唱える説も出てきている。

地震が起きたらまず優先すべきは、生き延びること。防災訓練で揺れを感じたら机の下に隠れると教わった人も多いだろうが、最近はこれが危険であるという説もある。大きな家具が倒れて周囲がふさがれ、机の下に閉じ込められる可能性があるからだ。
上からの落下物や天井が落ちてきたときに身を守るという意味で、小学校の避難訓練からずっと言われてきた延長線の地震対策ですが…。
鉄筋コンクリートのマンションは天井が落ちるようなことはありません。しかもダイニングテーブル等は固定されていませんから地震で大きく動きます。テーブルの上にはいろいろなものがのっていることも多いので、その下に入ったのではかえって危険です。

ではどこに避難を?

「揺れを感じたら、まず頭を守り、転倒落下物の危険がない場所に移動します。余裕があれば、避難経路を確保してください。実際に地震が起きたら、人はすぐに行動できません。発災後わずか1分間の判断が生死を分けますから、普段から地震が来たらどう動くか、シミュレーションしておくことがとても大事です」
物が置かれていない空間に移動して低い体勢で揺れが納まるのを待ちましょう。

被災直後はトイレを流すな?

断水や停電でトイレの水が流れない可能性もあるため、直接タンクに水を…という行動も、逆流や汚水漏れの可能性があるという

「特に、マンションの場合は要注意。1階から最上階まで排水管がつながっているため、排水管が壊れているのに水を流すと、下層階に大きな被害が出てしまいます。配水管の損傷確認ができるまでは、トイレの水は流さないのが鉄則です。簡易トイレを準備しておき、汚物の処理は自分で行いましょう」
風呂の残り湯をためておく…「ソレダメ」
断水に備えて、トイレ用の水を確保しようという趣旨ですが、マンションでは排水そのものができなくなる可能性が高いのです。
トイレに流せないどころか、その風呂の残り湯自体が腐っていっても流せないのです。まさに、東日本大震災で、私たち浦安市民はそれを体験しました。
トイレは防災用のトイレ袋をしっかり用意し、水はきれいなものを大目に用意しましょう。

また、トイレに関して言うと、避難場所としてもよくないようです。

トイレなど狭い場所へ逃げ込むというのも、旧耐震建築時代の防災マニュアルなので、改めるべき。ドアが歪んで開かなくなる可能性がある。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは言う。
壁に囲まれて一番安全だからトイレに避難を…「ソレダメ」
木造家屋では、狭い空間で四面を壁で囲われたトイレが、2階が崩れた時等に比較的安全だということは理にかなっていますが、マンションは上階が崩れてくるようなことはありません。しかし、ちょっとした歪みで、ドアが開かなくなってしまうようなことは有り得ます。
トイレは、玄関からもバルコニーからも遠い位置にありますから、助けを求めても届きません。開口部につながるできるだけ物がない広い空間に避難するようにしましょう。

お風呂の最中に地震が来たら?

お風呂だけでなくトイレ、一人でいた時の対処方法を。

入浴中は裸でいるため、鏡や電球などが割れて落ちてきたらケガしやすく危険。洗面器などを頭にかぶり、すぐに浴室から出て安全な場所に移動してください。
また気を付けたいのは足元。床にガラスや食器、家具などが散乱している場合がありますし、外へ逃げるにしても足を負傷しては歩けなくなるリスクが高まります。そのため裸足で歩き回ることは避け、底の厚いスリッパや靴下を履くようにしましょう。

普段家にあるものを防災グッズに活用を

お風呂の最中に地震が来たら?

知っておきたい、乾電池の大きさを変えるワザ

停電になったので懐中電灯を使おうとしたら、中の単一電池が切れていた...。そんな時に役立ちそうなのが、「東京防災」P.207で紹介されている「乾電池の大きさを変える」スキルです。単三電池にハンカチなどの布を巻きつけて直径を3.4cmまで増やしたら、布の端をテープで固定。丸めたアルミホイルで高さを合わせれば、単一電池として使用できます。

ズボンがリュックサックに?!

■震災時に役立つ即席グッズの作り方
ここではズボンを使って即席でできる“リュックサック”の作り方を紹介します。
(1)ズボンの両裾を重ねて、紐できつく結びます。結んだ後の紐の長さは、両端が均等に残るようにします。
(2)長ズボンをひざのあたりで折り返し、紐の残りの部分をベルト通しにぐるりと1周させるように通します。
(3)長ズボンの両足部分をリュックサックの肩ベルトにして、背負うことができるようになります。ベルト部分の紐をきっちり結べば、中の物が飛び出しません。

「東京防災」を試してみた(その2)--ズボンをリュックにするワザ

新聞紙や牛乳パックで食事を

いざとなったら身近にあるものでおわんや器を作ることもできます。

まずは、新聞紙とビニール袋を使った“お椀”作り。新聞紙を折りたたんで器の形にし、ビニール袋をすっぽりとかぶせます。生ゴミ入れに見えなくもありませんが、なんでもたっぷり入りそうな大容量が魅力。安定性には欠けるので、汁物を入れる場合は要注意です。

オムツやナプキンの活用法

乳幼児は成長が早く、半年もしないうちにオムツがサイズアウトしてしまいます。そんなとき余ってしまった紙オムツをどうしていますか? 誰かにあげていますか? 実は料理に活用できるんです。それから、ママだけが使っている生理用ナプキン、怪我の応急処置にはもってこいのグッズなんです。

災害時にはスマホを活用

東日本大震災時に、電話がつながらずスマホによるSNSが活躍したのを覚えている方も多いハズ。スマホの充電切れを防ぐためのバッテリーもお忘れなく。

「避難や帰宅をサポートしてくれる地図や、radiko、TunIN Radioなどのラジオが聴けるアプリをダウンロードしておくと、災害時に便利です。また、自分の所属する自治体がTwitterで公式アカウントを開設している場合は、フォローしておいてください。『A小学校で配給が開始された』などの、よりローカルな情報が手に入ります」

Infoseekニュースにより「防災グッズ特集」も見て下さい。

便利で革新的な防災グッズをまとめました。

9月9日は救急の日。防災グッズ特集 / Infoseekニュース

被害は(それほど)大きくなかったが…

鳥取中部地震では(現在のところ)死者もなく、4月の熊本の地震に比べると被害状況もそれほど大きくなかったため、報道の数も少なく、忘れられがちです。ただ現在でも避難をしている方はいますし、あれだけの大きな揺れによる建物などの物理的ダメージはもちろん、心のダメージもまだ残っている人はいます。そういった人のためにもまだまだ支援活動はしていくべきですし、またそれと同時に「もし自分が住んでいる地域に地震が起きたら」という事は、常に頭の中に入れておいて準備をしていくことは、この日本という国に住んでいる以上、必要なことかと思います。