西野監督ってどんな人?性格・エピソード・戦術

2018年6月14日更新

日本代表監督就任後、W杯大会直前の試合でパラグアイ代表相手に4-2となる初勝利を挙げた西野朗監督。ダンディで試合中もクールに指揮している印象がありますが、実際どのような人物なのでしょうか。性格や戦術、選手とのエピソードなどを中心に紹介します。

西野監督ってどんな人物?

西野監督といえば、監督として1996年アトランタ五輪でブラジル代表に1-0で勝利した“マイアミの奇跡”や、Jリーグ最多勝利数となる270勝の記録保持者であることなど数々の輝かしい功績がありますが、ここではあえて公式プロフィールや選手時代・監督としての戦績“以外”の情報を紹介していきます。

かつて“貴公子”と呼ばれたほどのモテぶり

今も容姿端麗で身長は182cm、ダンディーでカッコいいと評判の西野監督。選手時代は今より長髪で世間からは“貴公子”や“プリンス”と呼ばれていました。出場する試合には毎回追っかけの女性ファンが殺到していたといいます。選手引退後、指導者になってからもモテるエピソードには事欠かないようですね。

前出の広告関係者は「60歳を超えた西野氏ですが、女性人気は半端じゃない。現役時代から西野氏が歩くところには大勢の女性ファンが付いてくる。試合でケガをしたら、お見舞いしたいと女性が自宅まで押し掛けたことが何度もある伝説の人。Jリーグの監督時代には、女性ファンが『結婚してくれなきゃ死ぬ』と言って西野氏が乗るベンツの前に立ちはだかったこともありましたよ」と明かす。

アトランタ五輪代表として西野監督のもとプレーした前園氏も当時の状況を語ります。

「現役時代も長髪で人気選手だったようですが、アトランタ五輪の頃は選手よりも黄色い声援を受けていたほどのモテ男(笑)。当時は、西野さんも41歳と若く、選手のアニキ分のような感じもありましたが、生意気だった僕らのことをすべて受け入れてくれて、伸び伸びやらせてくれました。ただ、あまり出すぎるとガツンと言われるイメージもありますね」

趣味はウォーキングで63歳と思えぬ若々しさを保っている西野監督ですが、実は小さな孫もいるおじいちゃんでもあります。

西野監督の愛車

愛車はベンツ・ゲレンデバーゲン

西野監督の愛車は2001年から乗り続けているベンツの「ゲレンデバーゲン」。良い時期も悪い時期も移動を共にした愛車に、およそ17年間乗り続けているそうです。

「これは2001年7月に、娘の誕生日に納車されたんですよ。そして、これに乗って柏に言ったところ、久米(柏GM)から『西野、悪いが監督を辞めてくれ』と言われたんです」と当時の真相を教えてくれた。
01年の第1ステージは6位と、それほど悪い成績ではなかっただけに、西野監督にとっても予想外の解任だったのだろう。その後はG大阪の監督として数々のタイトルを獲得したが、大阪でも愛車に乗り続けたそうだ。G大阪の監督を辞めて自宅のある埼玉に戻った際は、奥さんから「大きいし古いから、もう廃車にしたら」と言われたそうだ。
▽それでも現在も乗り続けているあたり、よほど愛着があるのだろう。柏で解任された悔しさと、G大阪での成功など、様々な思い出が詰まっているだけに、手放せないのかもしれない。

元オランダ代表の伝説的プレイヤーである故ヨハン・クライフ氏を崇拝していることでも有名な西野監督。愛車のナンバープレートにもクライフ氏の背番号であった“14”を刻んでいます。

故ヨハン・クライフ氏

愛車に関する話はサッカーキングの日本代表・宇佐美貴史へのインタビューの中でも登場。ガンバ大阪時代に直接指導を受けた宇佐美が「西野監督との思い出」という質問に対し、かつて宇佐美が「あの赤のゲレンデかっこいいですね」と言うと、「赤じゃないよ、ボルドーレッドだよ」と冷静に訂正されたというエピソードも。

西野監督の趣味、食の好み

趣味は京都の神社仏閣巡り

前述のウォーキングとともに趣味としているのが「京都の神社仏閣巡り」。

西野監督の趣味は京都の神社仏閣巡り。和食(特に魚)を好み、お酒はかなり強いとの評判で、例えばタイトル獲得後のパーティなどでも、陽気な姿は見せてもハメを外すことはなかったという。
メロンパン好きという噂もあったが実は…

上記引用部分に「和食を好む」とありますが、かねてよりサポーターの間では「メロンパンが好き」という噂が広がっていました。しかし実際のところは…?

西野監督の性格

お茶目な部分もあるが口数は多くないタイプ

冷静沈着であまり多くを語らないイメージがある西野監督ですが、その人柄についてガンバ大阪やヴィッセル神戸で長らく指導を受けた元日本代表の橋本英郎氏が語っています。

「天然(キャラ)というか、たまにミーティングで唐突に冗談を言ったりするなどお茶目な部分があります。でも、口数は多くなく、人と進んでしゃべるようなタイプではないですね。基本的には選手との間に一線を引くほうで、僕自身、長い間使ってもらいましたが、実はプライベートで会ったこともなければ、ピッチ外ではじっくりと話をした記憶もないです」

人物像やエピソードをメインに紹介してきましたが、戦術や選手選考についても軽く触れておきます。

西野監督の戦術は?

長谷部をセンターに据えた3バックの導入

西野監督が最初に日本代表に導入した戦術的変更は、ボランチが本職でありつつもドイツのフランクフルトではセンターバックを努める長谷部を最終ラインの中央に据えた3バッ4クを採用したことです。
3バックとすることで最終ラインの中央の守りを固める、サイドからの攻撃に厚みを出す、守備を固める際にはサイドハーフの2人が下がり5バックのようなディフェンスラインを敷けるなどの効果が得られます。
ただ実際に3バックを実践で採用したのは大会前、日産スタジアムで行われたキリンチャレンジカップのガーナ戦途中までのみで、3バックを一貫して採用するわけではなく対戦相手の特徴や戦況に合わせて変えていく方針です。サッカー解説者の宮澤ミッシェル氏は以下のように分析しています。

3バックの採用については、私自身はポジティブに捉えているよ。もちろんリスクもあるけれど、今まで通りにやっていても、W杯で格上には勝てないからね。勝負に出たな、という印象はある。

どうやって勝つかを考え抜いて、策を練らなくてはいけないということで考え出したのが3―4―2―1なのだと思う。中盤でより多くの人数をかけられて、攻撃に厚みを出して、なおかつ守備の時にも人数をかけてしっかりスペースを消して、両サイドを守る。その狙いがよくわかる試合だった。
最初に勝利を掴んだのは4バック採用時

結局、最初に良い結果を生んだのはW杯大会直前のパラグアイ戦で採用した4バックでした。ただ3バック採用時と大幅にスターティングメンバーを入れ替えたことや、この試合でも2失点していることなど、どちらの人数がベストであるかは明言できません。
西野監督自身も試合中であっても対戦相手や戦況によって「併用していく」ことを明言しています。
ただ3バックの場合はサイドハーフとしての専門的な仕事をこなせる選手が長友佑都、酒井宏樹、酒井高徳、原口元気の4人しかおらず、誰か一人でも欠けた場合のバックアッパーの少なさについては不安が残ります。

堅守速攻からポゼッションを高める戦いへ

ハリルホジッチ前監督の戦術は堅守速攻をベースとしていたことに対し、西野監督はショートパスをつないでポゼッションを高める戦いを求め、ガーナ戦では本田圭佑、大島僚太、宇佐美貴史などポゼッションを重視したメンバーで望みました。
ガンバ大阪時代は細かくショートパスをつないで、より多くの得点を決める超攻撃的なスタイルのサッカーを実践していた西野監督だけに、その頃の記憶が甦った人も多いはず。ちなみにですが崇拝している故ヨハン・クライフ氏が監督としてFCバルセロナ時代に展開していたのも超攻撃的なサッカーでした。
しかしこの“ポゼッションを高めるサッカー”を導入するも、あまり良いところがなく批判的な声が多く挙がりました。

さらには5月30日の国際親善試合ガーナ戦での一つの局面を例に挙げ、「大島(僚太)から外のスペースでフリーになった原口(元気)にスルーパスを出すべき場面だが、日本は最後まで細かいパスにこだわって崩すことに固執する」と、戦術的な批判も受けている。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長をして「日本らしいサッカー」と表現するショートパスの連続も、イタリアメディアには「固執したもの」と一刀両断された。田嶋会長が「W杯で勝つ確率を1%でも2%でも上げるため」と語った監督交代劇だが、イタリアメディアには「ベテラン選手たちのクーデターを日本協会が受け入れたもの」として理解されているようだ。

上記はイタリアのメディアの見解ですが、実際に現W杯日本代表選手である乾からも、細かくパスをつなぐサッカーに固執することに対し問題点を指摘されています。

「このチームは細かくやるのが好きな選手が揃っていますし、自分もそうですけど、広く使うコートがあるし、フットサルをやっているんじゃないので、もっと外を有効に使わないともったいない。狭いところだけじゃ、なかなか相手も崩れないし、サイドに揺さぶった時がチャンスになる。それは自分だけじゃなくて佑都君も分かっている。2対1になる状況も増えるので、そういうのをやっていきたい」

西野監督の選手選考

23人中11人が4年前のW杯と同じ顔ぶれ

“有望な若手を切ってビッグ3と心中”?

今回のW杯日本代表には本田ら“ビッグ3”をはじめとした経験豊富なベテラン勢を多く選考しました。平均年齢28.5歳はこれまでのW杯の日本代表の中でも最高年齢となります。一方でハリルホジッチ前監督のもとで頭角を現した若手選手達は軒並み落選することに。

実際にハリル監督の下ではFW久保裕也(ヘント)、FW浅野拓磨(ハノーファー)、MF井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)」といった若手でハリル戦術に順応する選手たちが存在感を増した一方で、本田や香川の座席は確保されなくなっていた。

 そして、記事では監督交代について「クーデターが起こった」とレポートしている。

「ハリルホジッチに対してベテラン選手たちはクーデターに勝利した。その結果、その選手たちを選ぶ監督として西野が連れてこられた。中島、久保、浅野、井手口、森岡は“元老院”に席を用意するために脇に置かれた。世代交代を放棄し、香川と本田に代わる可能性のあった才能、すなわち23歳の中島と24歳の久保はテレビでW杯を見る」

また、5月18日に発表された、ガーナ戦メンバー発表の中で、今季ポルトガルリーグのポルティモネンセで、10ゴール12アシストの大活躍をした中島翔哉を招集しなかったことは世間の議論を呼びました。その際、中島が選考外となった理由に「ボリバレントではない」という理由が述べられましたが、結局のところ中島のポジションには乾貴士、原口元気、宇佐美貴史ら実力、実績のある選手達が揃っており、その中で選考から漏れたとも言えます。
しかしながらこの短い期間で結果を出すには計算の出来る経験豊富な選手を集めるのも確かな手段。パラグアイ戦で香川が1ゴール2アシストと満足な結果を残すなど、風向きは良くなってきています。

西野監督の指導・指示出し

あまり多くを指導しない?

自主性を引き出すタイプ

実は早稲田大学時代の1年後輩でもある、前日本代表監督・岡田武史氏。西野監督の指導スタイルについては「選手の自主性を引き出すタイプ」であることを語っています。

日本代表はW杯直前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督を解任し、西野朗新監督を技術委員長からスライドする形で据えた。「厳しく管理する監督の後は自由にやらせる監督、そしてまた厳しくする監督…、という流れだから、ハリルさんの後だったら、選手の自主性を盛り上げるタイプだから、いいのでは?」と、監督のタイプとして異なる人選ということもあって、期待感を示す。
それぞれ考えろ

宇佐美が語るように選手という立場から見ても、あまり細かく指導をするタイプではないと感じるよう。

サッカーについては、西野さんはあまり具体的に指南しないんですよね。『それぞれ考えろ』って。で、『考えた上でそれを表現してくれ』って感じで、あまり多くを語らない
口数が少ない中にも印象的なアドバイス

口数が少ない中にも選手達に印象的なアドバイスを送ります。パラグアイ戦で前半、得点チャンスのシュートを外した乾に対し送ったアドバイスが、後半の2得点につながりました。

「スパイクの中に何か入っているんじゃないか? 親指のあたりを調べてみろ」。チャンスにシュートミスを犯していた乾に対し、ジョークをまじえてハッパをかけた。すると、スパイクを履き替えて臨んだ後半6分、MF香川真司からワンタッチパスを受け、左サイドから中に持ち込み、右足を一閃。鮮やかなミドルシュートをゴール右隅に流し込んだ。
「スパイクを変えて(後半に)臨んだら2点入った。試合が終わって(西野監督に)『前半のスパイクは捨てたほうがいいよ』と言われたので捨てようと思います」と冗談交じりに笑った。

2ヶ月足らずの短い準備期間で様々な可能性を模索する西野監督。日本代表初戦となるコロンビア戦は6月19日21時キックオフ。がんばれニッポン!