絶好調&大活躍!「ベルギー戦のキーマン」乾貴士

2018年7月2日更新

ロシアW杯開幕直前のパラグアイ戦で2ゴールを決めてスタメンの座をつかむと、W杯初戦のコロンビア戦では攻守に渡り奮闘し、続くセネガル戦では1ゴール1アシストと大活躍中の乾貴士。本日行われるベルギー戦の「キーマン」の活躍に対する海外メディアなどの反応をまとめるとともに、彼のパーソナルな部分も簡単に掘り下げてみました。

セネガル戦でビューティフルゴール

0-1からの同点ゴール

乾のゴールシーンは0:35あたりから。

日本のグループリーグ第2戦となったセネガル戦。乾は0-1とセネガルにリードされた場面で美しい同点ゴールを決め、このゴールやプレー内容が国内外のメディアから絶賛されています。

乾にとってのW杯初ゴール

34分、敵陣ペナルティエリア内左に走り込んだ長友佑都がロングパスを受けキープすると、後ろで待っていた乾貴士にボールを渡す。乾は右にボールを持ち出すと、斜め45度の位置からカーブをかけたシュートをゴール右隅に突き刺し、日本に価値ある同点弾をもたらした。
なお、乾にとってこのゴールがW杯における初得点となった。

さらに2点目のアシストも

後半26分に再び相手にリードを許し、迎えた同33分。大迫がペナルティーエリア手前右から送ったクロスは、走り込んだ岡崎が相手GKのK・ヌジャイと交錯して合わせ切れなかったが、これに乾が反応してダイレクトで折り返すと、ゴール前で待ち構えた本田に決定的なアシストとなったのだった。

「思い切って打った結果だと思います」

乾は得点シーンについて「得意の形でした。最近の試合でも、あの形から決められていたので、思い切って打った結果だと思います」と振り返った。また同点弾をアシストしたシーンでは「圭佑くんを狙っていたわけではないんですけど、相手GKが飛び出していたのは見えていたので。中に誰かと思ってダイレクトでシンプルに入れました。しっかり決めてくれたので良かったです」と振り返った。

海外メディアも高評価

英メディア「スカイスポーツ」はMOMに選出

イギリスメディア『スカイスポーツ』は試合後、出場選手への採点を発表。1得点1アシストの活躍を見せたMF乾貴士がマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選ばれた。
MOMに選出した乾について同メディアは「素晴らしい活躍で、2得点目を決められなかったことは不運だったが、さらに1アシストを記録した。ボールロストは日本の先発メンバーで最も少なく、わずか8回のみだった。さらに敵陣でのパス成功率は昌子源(82.6パーセント)に次ぐ数値だった(82.4パーセント)」と、データを参照しながら称賛している。

伊メディア「スピード、ファンタジー…」と最高評価

イタリアメディア『メディアセット』は試合後、出場選手への採点(10点満点)を発表。1得点1アシストの活躍を見せたMF乾貴士に日本代表の最高評価「7.5」が与えられた。
最高評価を与えた乾について同メディアは「スピード、ファンタジー、そしてゴールの嗅覚。大迫をサポートし、とても攻撃的にプレーした。1ゴールに加え、狙い済ましたようなシュートでゴールバーを直撃したシュートも放った」と、攻撃面での貢献を称賛していた。

別のイタリアメディアも最高評価をしています。

欧州衛星放送「ユーロスポーツ」イタリア版が破格の評価を下したのが、前半34分に見事な同点弾を決めた乾だった。
「1ゴール、1クロスバー、1アシストを記録したエイバル所属の選手である。来シーズンからはレアル・ベティスへ移籍。日本人で初めてカンプ・ノウでバルセロナを相手に得点した人物でもある。称賛に値する能力を持つ選手なので、我々は目立つ蛍光ペンで彼をチェックしておいた方が良い」
こう寸評して付けた点数は最高評価の「8」。マン・オブ・ザ・マッチに選出されたサディオ・マネの「7.5」を超える、両チームで最高の得点だった。

伊紙「デル・ピエロのようなシュート」

もうひとつ、イタリアメディアの記事を紹介。イタリアで最も有名なスポーツ紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が、1990年代から2000年代にかけてイタリアサッカー界で輝きを放ったファンタジスタに例えています。

イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」も称賛している。
「エイバルの攻撃的なウインガーは、この試合の完全な主役だった。そして、デル・ピエロのようなシュートも披露した」
 記事ではユベントスなどで活躍したイタリア代表の伝説のファンタジスタ、アレッサンドロ・デル・ピエロにもたとえられた。

スペイン紙「イスコのようだ」と絶賛

スペイン紙「AS」は「芸術的なフットボールに馴染んでいる」と絶賛している。
3シーズンにわたって実力を発揮したスペインの地でもこの活躍は称えられている。「イヌイが日本を引っ張った」とのタイトルが付けられた同紙の記事では、以下のように記されている。
「イヌイは鮮やかなゴールを叩き込み、そのシュートの軌道はまるでイスコのようだった。高円宮妃久子さまも拍手を送られていた」
イスコとはもちろん、スペイン代表が誇るテクニシャンであるレアル・マドリードMFイスコのことだ。スキルフルな一撃に、思わずその姿を想起させたのだろう。記事では「ベティスへと入団するイヌイは、芸術性あふれるフットボールに慣れ親しんでいる」ともした。

FIFA公式の実況も感嘆「なんて素晴らしい一撃だ!」

ゴールの瞬間、FIFA公式テレビの実況は「なんてエクセレントなフィニッシュだ!」と絶叫。日本の“セクシーな軽業師”が放ったコントロールショットを称賛した。
そして、「見てください、イヌイのこの正確さ! GKも何が来るか分かっていましたが、なんて素晴らしい一撃だ!」と称賛した。

国内外のファンからも称賛の嵐

「ラブリーなフィニッシュ」「エレガント」

海外のサッカーファンからも「なんて美しいゴールだ!」などと称賛が送られています。

乾の起死回生の技あり同点弾に、海外のサッカーファンもツイッター上で反応した。
「タカシ・イヌイのラブリーなフィニッシュで日本は同点に。魅力的な戦術戦。特にサイド」
「なんて美しいゴールだ、タカシ・イヌイ」
「タカシ・イヌイを過小評価していた。完全なクラッキ」
「エレガントだ」
「イヌイ・タカシは感銘的なワールドカップを過ごしている。個人的にはコロンビア戦で最高の選手だった。今セネガル戦でゴールを決めた」

日本ファンによる採点アンケートでトップ

「超ワールドサッカー」が実施したセネガル戦における日本代表の採点アンケート結果では…

最高評価は、1得点1アシストと活躍した「7.0」のMF乾貴士。次点に「6.8」のMF柴崎岳、「6.5」のFW本田圭佑が続いた。
◆セネガル戦のユーザー採点結果
GK
川島永嗣 3.5
DF
酒井宏樹 6.0
吉田麻也 5.6
昌子源 5.9
長友佑都 5.9
MF
柴崎岳 6.8
長谷部誠 6.0
原口元気 5.6
→岡崎慎司 -
香川真司 5.7
→本田圭佑 6.5
乾貴士 7.0
→宇佐美貴史 -
FW
大迫勇也 6.1
監督
西野朗 6.1

「滋賀の星!」「滋賀県民の宝」高校の先輩・西川貴教も興奮

乾の地元、滋賀県の県民からも「滋賀県人の誇り」などと祝福を受ける中、同じく滋賀県出身で同じ県立野洲高校出身のミュージシャン・西川貴教も母校の後輩の活躍に対して興奮気味にツイートを残しています。

好調の乾 ベルギー戦のキーマンに?

海外メディアがベルギー戦のキーマンに指名

複数の海外メディアが乾をベルギー戦のキーマンに挙げています。まずはスペインメディアの「VAVEL」。

スペインのサッカーメディア「VAVEL」は西野ジャパン、そしてリーガ・エスパニョーラでプレーするMF乾貴士に着目している。
「日本はロシア・ワールドカップのシンデレラチームの一つ。アキラ・ニシノ率いる東洋のチームはアジアで唯一グループリーグを突破した。ベスト16進出の原動力はイヌイのクオリティーだ」
1得点1アシストを挙げたグループリーグ第2戦のセネガル戦(2-2)など今大会の活躍に触れつつ、「タカシ・イヌイがサムライをベスト8へ」と記している。
「東洋のチームが優勝のトロフィーを掲げることは容易ではない。ただ、ドイツが敗退したように予期せぬことが起きるのがワールドカップだ。日本は初めてベスト8に勝ち進み、歴史を作ることができる」

英専門誌はグループリーグベストプレーヤー10人に選出

イギリスのサッカー専門誌「Four Four Two」は乾をグループリーグのベストプレーヤー10人に選出するとともに、「ベルギー戦で重要な選手となるだろう」と評しています。

乾を高く評価しているのは、英サッカー誌「Four Four Two」だった。「2018ワールドカップグループステージの10人のベストプレーヤー」と題した特集で8位にランクインさせている。
8位に入った日本のサイドアタッカーにはこう寸評をつけている。
「ニシノは突破を確実にするためいまだ1点が必要だったにもかかわらず、青きサムライのスタメンの多くをポーランド戦で休ませた。セネガル戦の引き分けで得点した精力的なMFイヌイはベルギー戦で重要な選手となるだろう」と同誌は乾がベルギー戦のキーマンになるとみている。

乾は“うれしい誤算” 西野監督「正直、予想以上」

グループリーグ最終戦となるポーランド戦を翌日に控えた27日の公式会見で、日本代表の西野朗監督は乾について次のように語っています。

「正直、想像というか、予想以上のパフォーマンスを出している」と、ある種の驚きを持って受け止めていることを明かした。

当初はスーパーサブとしての起用を想定

「彼は他の選手が持っていないドリブルで数的優位をつくったり、アクセントをもたらす選手」。当初のイメージは、攻撃のリズムを変える切り札としての起用だった。しかし、そんな指揮官の計算を良い意味で裏切ったのが、今月12日に行われたパラグアイとの最後の強化試合だった。
パラグアイ戦。2ゴールの活躍で西野ジャパン初白星となる4-2の快勝劇をもたらしたのが乾だった。「パラグアイ戦であの時間プレーできた。その中で本来持っているチャンスメイクや、アクセントをもたらす部分だけでなく、決定的な得点、アシストという形で表現した」。後半34分までプレーし、2ゴールの大活躍。

ベルギー代表監督も「ファンタスティック」と絶賛

決勝トーナメント1回戦、日本戦の前日会見で、ベルギー代表のロベルト・マルティネス監督が日本人プレイヤーに言及。長谷部誠をはじめ、酒井宏樹や長友佑都、香川真司、本田圭佑、吉田麻也について賛辞を送る中、乾を絶賛しています。

「乾はファンタスティックなプレーヤー。ピッチ上でやるべきことを知っている」
「とても難しい試合になると予想している。常に集中していないと、彼らに問題を起こされてしまう。ダイナミックにペナルティーエリアに向けてアプローチしてくるからだ」
その急先鋒として、スペイン仕込みのアタッカーをマルティネス監督も警戒しているようだ。

“セクシーフットボールの申し子”乾貴士

最後に、今さらながら乾の簡単なプロフィールやパーソナルな部分にも少しだけ触れておきましょう。

プロフィール

1988年6月2日、滋賀・近江八幡市生まれ。30歳。野洲高2年時に全国高校選手権で優勝し、2007年に横浜M入団。08年にC大阪へ期限付き移籍し、香川真司とのホットラインを結成した。11年にドイツ2部ボーフムに移籍し30試合7得点。12年に同1部フランクフルト、15年からスペイン1部エイバルでプレー。今月1日に同1部ベティスと21年まで3年契約が発表された。国際Aマッチ通算29試合5得点。169センチ、59キロ。既婚。

野洲高校で全国制覇

上のプロフィールにあるとおり、滋賀県の野洲高校サッカー部に在籍していた2006年に、全国高校選手権で全国制覇を果たしています。野洲高校のサッカーは「セクシーフットボール」の異名で他校から恐れられ、その中心選手として活躍していた乾は、よく「セクシーフットボールの申し子」と呼ばれています。

「セクシーフットボール」と呼ばれるのはイヤだった時期も

下記のインタビュー記事によると、「セクシーフットボール」と呼ばれていたことについて、高校2年時に全国制覇をした“瞬間”は良かったものの「正直なところ、“その後”はイヤでした」と語っています。「応援してくれた人たちには申し訳ない」としつつ、「めちゃくちゃ弱かった」新チームと「すごいプレーをするんだろ?」という周りの期待の大きさとのギャップに苦しんでいたようです。

少年時代は野球が好きだった

同じインタビュー記事によると、少年時代はサッカーは嫌いで野球のほうが好きだったようで、放課後に友達と一緒にやる野球が面白くて、サッカーの練習時間になってもやめられなかったとのこと。サッカーはサボることばかり考えていて、「ちゃんとやるようになったのは中学3年くらいから」だとか。

伸び悩む乾を変えたスペインリーグ移籍

早くからその才能を高く評価されていたが、実力者が揃う中盤の序列を覆すことができず、A代表にはなかなか定着できずにいた。ドイツ1部フランクフルトで主力として活躍してはいたものの、乾の本来のポテンシャルを考えれば、当時は「あと一歩伸び悩んでしまった選手」という印象すらあった。
そんなか迎えた2015年夏、乾に転機が訪れた。念願だったスペインリーグへの移籍が実現したのだ。
当時1部昇格2年目だったSDエイバルで遂に覚醒。敵地カンプ・ノウでバルセロナから2ゴールを奪うなど幾度となく鮮烈な活躍を見せ、昨年6月に行われたキリンチャレンジカップの対シリア戦で、2年2か月振りの代表復帰を果たした。

カンプ・ノウで得点した初めての日本人

2017年5月21日にはスペインリーグの強豪FCバルセロナのホームで2ゴールを決め、世界を驚愕させました。

乾は21日に行われたリーガ・エスパニョーラ第38節・バルセロナ戦に左サイドハーフで先発すると、前半7分に左足ボレーで先制点。後半16分にも再び左足ボレーで追加点を奪ったが、チームはその後4失点し、逆転負けを喫した。
チームは敗れたものの、バルサの本拠地・カンプノウで2得点を挙げた乾。バルセロナを相手にゴールを記録した初の日本人選手となった。

なお、W杯明けの新シーズンからはスペイン第4の都市、セビリアに本拠地を置くレアル・ベティスへの移籍が決まっています。

真骨頂は仕掛けのドリブル

守備でも周囲と連動してサイドに蓋

乾の真骨頂は、やはり仕掛けのドリブルだろう。ボールを持てば積極的に局面の打開を試み、相手も対応を迫られるなかで、長友の上がりや香川がスペースに入り込む動きを促している。その一方でパスコースを消す守備時の巧みなポジション取りも際立つ。2ボランチや後方の長友と連動しながら、左サイドに蓋をする守備を見せており、攻守両面で効果的な動きを見せている。

家族を大事にする良きパパの顔も

乾は2010年に一般女性と結婚して現在、息子が一人います。自身のTwitterやInstagramに家族の写真を頻繁に投稿していて、家族を大事にしていることが伝わってきます。

「奥さんが可愛すぎる!」と話題に

乾選手(30)の奥さんは、一般女性でありながら「モデルじゃないの?」「可愛すぎる!」と評判の美人妻。ふたりの間には可愛い息子さんが1人います。彼のインスタグラムには家族の写真がよくUPされており、3人の仲良しぶりが伝わってきます。

「ヒップにブスリ写真」に女性ファンがメロメロ?

4月5日にはTwitterにて、息子の成長から感動と笑いを同時に謳歌したことを報告。この投稿には「感動しちゃいます」「和むわぁ」といったファンの反応が寄せられていたとか。

「端正なルックスで知られる乾ですが、マジメでチャラついていない軸のある雰囲気が女性を中心に多くのファンの心をワシづかみにしています。今回のツイートに掲載された4枚目の写真にも息子から思いっきりヒップにブスリと手を突っ込まれる姿が写っており、もともと小柄な乾がまるで友達のように子供と仲睦まじくはしゃいでます。イケメンなのにどこかスキのあるオーラ。女性ファンにとってはたまらないでしょうね」(スポーツライター)

「もっと上の舞台に行きたい」初の8強入りへ気合十分

本日(7月2日)の27時(3日午前3時)から、負けたら終わりの決勝トーナメント1回戦、ベルギー戦が行われます。
複数の海外メディアから「ベルギー戦のキーマン」とされている乾が出場するのかどうかは今のところ不明ですが、乾自身は取材やInstagramでベルギー戦にかける意気込みを次のように語っています。

「もっとこのメンバーでやっていたいし、良くなっている実感もある。チーム力が上がっているのは選手全員が感じている。もっと上の舞台に行きたい」。初の8強入りを目指し、乾は気合十分に言った。
ベルギーは1次リーグ今大会最多9得点。相手の右サイドにはMFメウニエルとMメルテンスが主軸として躍動しており、同サイドのマッチアップは勝敗への大きなポイントになる。「相手の右サイドは強力。負けないように、こっちも攻撃を仕掛けられれば良い。守備に追われるのはしたくない。できるだけ攻撃に、オレと(長友)佑都くんが出ていける形ができれば良い」と気合を入れた。

決勝トーナメントでの乾の活躍、そして日本代表の快進撃に期待したいですね!