メッシ、ネイマールは?スター選手の“通信簿”

2018年7月6日更新

ワールドカップもベスト4が出揃い、いよいよ大詰め。今大会、活躍を期待されていたメッシ、ネイマール、クリスティアーノ・ロナウドの“ビッグ3”は既に大会から姿を消し、エムバペ、モドリッチ、新たなスターの登場が期待されています。ここまでのスター選手の活躍ぶりを、各メディアによる採点などのデータから見てみることにしましょう。

ここまで「よくがんばりました」な選手

「がんばりました」の基準は?

日本・欧米各メディア4媒体の“採点”で比較

サッカーの文化として、試合後の選手の「採点」があります。これは比較的数値での差がつきにくいサッカーの試合での出来・不出来をわかりやすくするため、出場した選手ごとに雑誌や専門サイトなどが点数をつけていくものです。
採点は主に10点満点で数値の高い方が良い内容になるのが主流です。点数のつけかたは試合によっても差がありますが、6点が「平均的な内容」で7点以上だと「非常に良い内容」、8点だとハットトリックなど特別な活躍をした場合に限られ、9点以上というのはほとんどありません。逆に5点以下だと「非常に悪い内容」となり、4点以下はレッドカードで一発退場など試合を左右するようなヘマをしたときにつけられます。
国やメディアによってこのあたりの採点基準も若干変わってきます。例えばスペインの「マルカ」紙は最低の0から最高が3つの3段階の星の数で評価し、ドイツの「kicker」誌は「5段階評価で数字が小さい方が優秀」という評価をしたりします。
今回参考にしたのは、以下の4媒体です。
超ワールドサッカー…欧州リーグを中心に、海外で活躍する日本人選手やスター選手などの最新サッカー情報を届ける日本のサッカー専門サイト
カルチョメルカート・コム…「カルチョ」はイタリア語でサッカー、「メルカート」は市場。選手の移籍市場の情報を中心としたイタリアのサッカー専門メディア。
BBC Sport…イギリス国営放送「BBC」内のサッカー情報部門。通常の採点は記者の主観でつけられるのに対し、ここではユーザーの投票で採点を決めるため、極端に数字になりやすい。
WhoScored.com…イギリスのサッカーデータサイト。こちらも主観ではなく、様々な観点から集めたデータを元に、独自の数値を算出。

それでは、まずは当初の期待通り、あるいはそれ以上の活躍を見せている「よくがんばりました」な選手を紹介しましょう。

ハリー・ケイン(イングランド)

得点王争いでもトップ走るイングランドの大黒柱

エース・ストライカーとして、また主将としてイングランドを28年ぶりの準決勝進出に導いたハリー・ケインが平均7点超えの見事な成績を挙げています。

平均超WSCMBBCWS試合時間得点アシスト
7.336.257.387.428.25436360

※数値は7月9日現在での出場試合ごとの各メディア採点の平均値と出場試合のデータ。
超WS…超ワールドサッカー
CM…カルチョメルカート・コム
BBC…BBC Sport
WS…WhoScored.com(以下同じ)

試合ごとの採点はこちら。ハットトリックを決めたグループリーグ第2戦、パナマ戦の高評価が目立ちます。

 平均GL1GL2GL3R16R8
超WS6.256.56.5なし6.55.5
CM7.387.58.0なし7.56.5
BBC7.427.18.6なし7.36.7
WS8.258.29.8なし8.26.9

ハリー・ケインの詳細なデータはこちら

エデン・アザール(ベルギー)

快進撃ベルギーを牽引する世界一のドリブラー

グループリーグを3連勝で通過、決勝トーナメントの1回戦では日本に2点差をひっくり返し、続く準々決勝は強敵ブラジル相手に2-1で勝利と、初優勝に向けてひた走る赤い悪魔軍団のエース、アザールもその期待に違わぬ活躍ぶりです。

平均超WSCMBBCWS試合時間得点アシスト
7.316.387.137.168.56433822

試合ごとの採点はこちら。2ゴール決めたグループリーグ第2戦、チュニジア戦及び準々決勝のブラジル戦での高評価が目立ちます。ちなみにここまでのファウルを受けた回数はネイマールに続く2位。いかに相手チームから脅威とされているかがわかります。

 平均GL1GL2GL3R16R8
超WS6.386.06.5なし6.07.0
CM7.136.58.0なし7.07.0
BBC7.166.67.9なし6.08.3
WS8.568.39.2なし8.78.1

エデン・アザールの詳細なデータはこちら

ルカ・モドリッチ(クロアチア)

ピッチで自在にタクトを振るう天才司令塔

クロアチアを20年ぶりの準決勝進出に導いたモドリッチも、その才能をチームの中でいかんなく発揮しています。またそのテクニックだけでなく、決勝トーナメントに入ってから2試合連続で延長含む120分間を走り抜くスタミナも驚異的。

平均超WSCMBBCWS試合時間得点アシスト
7.016.106.807.347.78548521

試合ごとの採点はこちら。ここまで休みなく5試合、うち4試合にフル出場。またFIFA公式サイトで行っているサポーターによるマン・オブ・ザ・マッチ投票でも3試合で選ばれるなど、獅子奮迅の活躍ぶりです。

 平均GL1GL2GL3R16R8
超WS6.106.07.05.55.56.5
CM6.807.07.56.56.07.0
BBC7.347.18.57.56.67.1
WS7.787.38.96.77.48.6

ルカ・モドリッチの詳細なデータはこちら

この他にはベルギーのデ・ブライネとウルグアイのカバーニがともに平均6.93で続きました。デ・ブライネはブラジル戦の活躍で大きく評価を上げ、カバーニは決勝トーナメント1回戦のポルトガル戦での2ゴールが評価されました。
今大会でセンセーションを巻き起こしたフランスのエムバペはグループリーグ第1試合での動きの悪さが響き圏外に。
クリスティアーノ・ロナウドはグループリーグ第1戦のスペイン戦でハットトリックを記録、続くモロッコ戦でもゴールを決め今回こそ悲願の優勝、そして伝説へ…と思わせましたがその後失速。GL第3戦では肘打ち疑惑もあり、決勝トーナメント1回戦で敗退としりすぼみな結果となりました。

期待はずれ?「もうすこしがんばりましょう」な選手

さて、この項では前評判に比べてイマイチな評価の選手を紹介します。

メスト・エジル(ドイツ)

屈辱敗退“戦犯”扱いの集中砲火

史上初のグループリーグ敗退となったドイツ。怒り心頭のドイツ国民の批判の矛先は、10番を背負うエジルに向かっているようです。成績もそうですが、大会前の政治的行動も怒りに火を注ぐ結果に。

▽ロシア・ワールドカップ(W杯)に臨んだドイツ代表は、同国史上初となるグループリーグ敗退を喫した。当然ながら、チームはドイツ国民からの批判に晒されており、その中でも集中砲火を浴びているのがエジルだ。
▽大会直前にはSNS上でトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と面会した写真をアップロードしており、政治的なメッセージの色濃く示唆する行動として物議を醸していた。
平均超WSCMBBCWS試合時間得点アシスト
5.095.254.833.696.93218000

試合ごとの採点はこちら。出場試合数の2試合いずれも負けとあっては主軸としての面目も立たないというもの。BBCの採点はサポーターによる投票のため、他に比べて極端な数字になりやすいのですがそれにしても韓国戦の2.7はひどい。

 平均GL1GL2GL3
超WS5.255.5なし5.0
CM4.505.0なし4.0
BBC3.694.7なし2.7
WS6.936.3なし7.6

メスト・エジルの詳細なデータはこちら

リオネル・メッシ(アルゼンチン)

「世界一のサッカー選手」にそぐわぬパフォーマンス、そぐわぬ結果

前回大会ではチームになかなかフィットせず苦戦続き、それでもアルゼンチンを決勝に導いたメッシ。年齢的にも最後のチャンスと囁かれる中挑んだ今大会、初戦でいきなりPKを外すなど精彩を欠いたプレーが続き、一時はグループリーグ敗退のピンチに。なんとか最終節で決勝T進出を決めたものの、フランスとの打ち合いに敗れ早々と姿を消すことになりました。この結果を「ひとつの時代の終焉」と見るメディアは数なくないようです。

オーレ紙は「アルゼンチンの5つのフラストレーションの原因」という記事の中で、「ひとつは。、スターたちの持ち味が試合で現れなかったことにある。メッシ、ディマリア、アグエロはゴールを決めたが、若手のパボン、メサ、タグリフィアフィコなどが活躍できなかった。しかし、彼らに責任を負わせるのは酷だ。もうひとつは、メッシが際立ったチームの軸にはなれなかったこと。4回のワールドカップで、彼の完全な姿は一度も現れなかった」と、メッシを厳しく叩いた。
平均超WSCMBBCWS試合時間得点アシスト
5.915.754.755.257.87436012

試合ごとの採点はこちら。「バルセロナのメッシ」と別人かのような数字が並んでいます。グループリーグ第3戦の数字は本来のメッシに近いですが、それ以外がひどい。

 平均GL1GL2GL3R16
超WS5.755.05.07.06.0
CM4.754.04.56.54.0
BBC5.255.13.97.24.9
WS7.877.77.08.97.9

リオネル・メッシの詳細なデータはこちら

ネイマール(ブラジル)

結果を残していないわけではないが…「転がる姿」だけが印象に

前回大会は負傷によりリタイア、その後チームは7失点の惨敗。その雪辱を期して挑んだネイマールでしたが、結果は彼(と多くのブラジル国民)が思ったよりもずっと早い帰国となりました。5試合で2ゴール1アシストと決して悪くない成績のはずですが、「ネイマール」への期待値からはかけ離れたパフォーマンスで、どちらかというとファウルを受けてピッチでのたうち回る彼の姿だけが印象に残る結果となりました。チームも一時はグループリーグ敗退もよぎる大ピンチ。結果、チームは決勝どころか前回を下回る準々決勝で敗退となりました。

今大会、ネイマールは厳しいマークに遭い、何度もピッチに打ち付けられた。しかし、なかにはPK誘発を試みたり、足を踏まれたとしてタッチライン際をのたうち回るなど、フェアとは言えない行為は海外メディアやファンから批判の対象となってきた。そんなネイマールの痛がるリアクションを真似する動画が世界的に広まっている。
平均超WSCMBBCWS試合時間得点アシスト
6.135.905.904.478.25545021

試合ごとの採点はこちら。真価を発揮したとはとても言えない試合ばかりとなりました。しかし、BBCの結果がどれもひどい。

 平均GL1GL2GL3R16R8
超WS5.905.56.06.06.55.5
CM5.906.05.56.57.54.0
BBC4.475.03.75.14.83.8
WS8.258.28.09.38.57.3

ネイマールの詳細なデータはこちら

番外編・日本代表の採点は?

トップは本田、ワーストは…

ついでに…というわけではないですが、日本代表メンバーの上位と下位も紹介します(1試合のみ出場選手を除く)。1ゴール1アシストの本田、香川が仲良くワンツーフィニッシュを決めました。3位には今大会で「世界に見つかった」と言っていい乾が入りました。

選手平均超WSCMBBCWS試合時間得点アシスト
本田圭佑6.746.256.337.406.9734711
香川真司6.656.006.507.406.703232/td>11
乾貴士6.566.136.136.947.03429221
原口元気6.486.176.176.606.97324610
吉田麻也6.446.006.136.776.87436000

前半2試合から劇的に挽回した川島

ワーストはGKの川島。GL第1戦、第2戦のミスが響いた形になりましたが、第3戦、決勝トーナメント1回戦で評価がガラッと変わりましたので紹介します。

 平均GL1GL2GL3R16
超WS5.385.04.56.55.5
CM5.885.05.07.06.5
BBC5.895.84.66.07.2
WS6.526.36.26.57.1