新しい話題をもたらすZOZO創業者・前澤友作社長

2018年8月7日更新

女優・剛力彩芽との交際で起きた“SNS騒動”やプロ野球界への“参入希望発言”など、何かと話題を集めているZOZOTOWN創業者の前澤友作氏。最近の騒動を振り返るとともに、世界IT長者にも選出された前澤氏のこれまでの経歴、経営する「株式会社スタートトゥデイ」の動向などをまとめました。

前澤友作社長によるSNS投稿が次々と話題に

剛力彩芽と前澤社長がInstagramへ投稿した内容に賛否の声

剛力さんは2018年7月16日、W杯ロシア大会の決勝戦を現地観戦したことをインスタで報告。前澤氏も数時間後に同様の写真をインスタで投稿。2人で一緒に試合を観戦し、順調な交際ぶりを報告した形となった。
剛力さんインスタのコメント欄では「幸せそうで何よりです」「最高の笑顔」との声が多く寄せられたが、一部では「調子に乗って浮かれてみっともない」との批判的な声も。さらには、複数の芸能人からクギを差されることになった。

騒動を受けて剛力はInstagramの投稿を全削除

これらの声を受けて、剛力は”心機一転のつもりです”として、7月24日には過去のインスタグラムの投稿を削除。
“自分の正直な気持ちを伝えることにまだまだ慣れていませんが、これからのインスタでは、飾らないありのままの私を見ていただけたら嬉しいです。”
と、今後のインスタグラムでのあり方も説明した。

前澤社長はTwitterで今後のSNS投稿についての説明と感謝を伝える

前澤氏は、この剛力の投稿をツイッターで紹介し、「撮影 by 前澤友作。この笑顔が大好き」とコメント。その後、「今回の一連の報道や皆様からのご意見などを受けて、SNS上での今後の私たちなりの発信スタンスを決めた上で、関わる人や応援してくれる方々に対する配慮や意思表明も含んだ投稿をしました」と説明し、「今回の件で、私たちの絆や、関わる方々への感謝の気持ちはさらに深まりました。ありがとうございました」と感謝した。

前澤社長が打ち出した願望「プロ野球の球団を持ちたい」

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する「スタートトゥデイ」の前澤友作社長(42)が17日、自身のツイッターで【大きな願望】と題し、「プロ野球球団を持ちたいです。球団経営を通して、ファンや地域の皆さまの笑顔を増やしたい」と球界への参入希望を表明。そのうえで「みんなで作り上げる参加型の野球球団にしたい。シーズンオフ後に球界へ提案するためのプランを作ります」と具体的な計画案を用意し、球団経営に強い意欲を示したのだ。

2016年末には千葉ロッテ本拠地の命名権を取得

スタートトゥデイは16年のシーズンオフに10年間、総額31億円でマリーンズの本拠地、千葉マリンスタジアムの命名権を取得し、「ZOZOマリンスタジアム」に変更した。前澤氏は球場の修繕費として私財から1億円を寄付した。同氏は千葉・鎌ケ谷市の出身で、本社や物流拠点も千葉県内にある。
マリーンズのホーム・グランドの命名権を獲得したことから、すでに球界とのかかわりもできている。

“球界参入希望”発言後、会社の時価総額が1兆5000億円を超える

7月18日の東京株式市場。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイの株価は一時、4%(200円)高の4875円をつけ、株式分割を考慮すると実質的な上場来高値を更新した。時価総額は初めて1兆5000億円を超えた。
前日、社長の前澤友作氏が自身のツイッターに「プロ野球の球団を持ちたい」と書き込んだことが買い材料になった。モルガン・スタンレー・MUFG証券は17日付レポートで、「多少の赤字となってもブランディングとして極めて効率が良い」と指摘。「ZOZO球団」が現実のものになれば、通販サイトの認知度が向上。ブランド価値が高まるとの期待が集まった。

ホリエモンらも後押し

前澤社長の表明に対し、実業家の堀江貴文氏や元プロ野球選手・中村紀洋氏などが反応しています。

実業家でホリエモンこと堀江貴文氏も、同日のTwitterでこの前澤発言に反応。「ひっそりと動いている16球団化のキーマンを前澤さんに紹介しときましたよ。四国アイランドリーグベースに一球団、BCリーグベースに北信越に一球団、静岡に一球団、沖縄に台湾と米軍連携で一球団っていいと思う」とナゾかけのようなコメントを発信した。

ファンは「千葉ZOZOマリーンズ」を歓迎?

「ファンとしては何より、球団が千葉に残ってほしいもの。それゆえ地元の千葉にこだわる前澤氏は最高のオーナー候補なのです。また、ZOZOTOWNでは10月1日から会社名をスタートトゥデイから株式会社ZOZOに変更しますが、これは『球団名に入れていいのは社名だけ』という条件をクリアするためと言われています。もはやファンの間では『千葉ZOZOマリーンズ』の誕生は既定路線となっており、何かとヤユされがちな前澤氏と剛力彩芽の交際についても『剛力に始球式を務めてほしい』と前向きに捉えているようですね」

また、夕刊フジが千葉ロッテファン50人に「“ZOZOマリーンズ”になっても応援し続けますか?」と聞いたところ、7割超がファンであり続けると回答しています。

ロッテは身売りを全面否定

前澤氏の“表明”を受け、ロッテの山室晋也球団社長はこの日の試合前に囲み取材に応じ、「球団を手放すということはあり得ません。売る意思はないし、今後もない。(ロッテ)HDとしての総意。絶対にない」と身売りを全面否定。強い口調で「交渉の席にも着きません」と断言した。

ロッテ側は身売りを全面否定したものの、「16球団化」といった球界再編の話もくすぶっていて、今後どのように“大きな願望”が進展していくのかに注目が集まります。

前澤社長がSNSを利用する理由にも賛否

この発言には賛同の声もある一方、「悪い意味で影響がでてるのはなんとも思わないのですか」「ただ世間の反発を回避したくて発信してるようにしか感じられません」と、不快感を示す反応も相次いでいる。

本田圭佑とのTwitterでのやりとりも話題に

今の本田圭佑にはサッカーファンだけでなく日本中のお茶の間の耳目を集めているため、今回のPRツイートは大きな宣伝効果があるはず。コメント欄にも『すごーい! さすがゾゾ』『えー!安いですね』『ZOZO利用したことないが、ちょこっと興味あるんですよ』『圭佑と同じの買います!』といった声が寄せられ、早くも絶大な“W杯特需”が発動しているようです。

テレビのコメンテーターに“怒りの反撃”

8月3日には、ワイドショーのコメンテーターらに向けたと思われるコメントをTwitterに投稿しています。

ネットからは「しばらく黙ってたらいいのに」の声も

しかし、前澤社長の反論とは裏腹に、ネット上には「しばらく黙ってたらいいのに」「もうちょっと器大きいと思ってた」「心に余裕がないんだね」との冷ややかな声も寄せられており、まだまだ逆風は収まりそうにない。

日本から世界へ ひた走る“長者”前澤氏

総資産は2830億円、保有株の時価は5579億円

球団買収などで、世間を騒がせている「ZOZOTOWN」(会社名スタートトゥデイ)の前澤友作社長は、米経済誌「フォーブス2018年度版」によると総資産は2830億円に上っている。
「スタートトゥデイは、ここへきて株価が急騰しています。前澤社長は発行株式数の約37%を保有しているので、資産価値はグーンとアップしたと思います」(市場関係者)
25日の終値ベースで、前澤社長の保有株の時価(資産価値)を調べたところ、何と2830億円をはるかに超える5579億円に達していた。

2017年に発表された「世界IT長者100人」に選ばれる

米誌「フォーブス」が昨年8月に発表した「世界IT長者100人」に、日本からは10位にソフトバンクグループの孫正義氏、33位に楽天の三木谷浩史氏、59位に前澤氏の3人が入った。前澤氏の資産額は43億ドル。日本円に換算すると4600億円になる。

高卒からIT長者に…華麗な経歴

お祝い #1trillion #1兆円

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前澤友作社長は千葉県鎌ヶ谷市出身、一般的なサラリーマン家庭の育ちで、中学は地元の公立校に進学する。高校こそ都内有数の進学校である早稲田実業高校に進学するも、大学には進学せずアルバイトと平行してバンド活動を行っていた。転機となったのは1995年ごろ、副業としてはじめた輸入レコード・CDの通販ビジネスである。最初は自室をオフィスとして行っていたがこれが大当たりし3年後の1998年に「有限会社スタート・トゥデイ」を設立し、2000年に株式会社化。これが今日のZOZOTOWNの運営会社の母体となっている。

女性遍歴も華やか

米メジャーリーガー、ダルビッシュ有の元妻である紗栄子と交際。別れた後、昨年11月には写真週刊誌に、超高級ホテルで17歳年下の美女といるところを撮られた。さらに今年4月25日には、女優の剛力彩芽との交際が報じられた。

芸術にも関心 積極的に絵画を購入

16年5月、クリスティーズがニューヨークで実施した現代美術のオークションで、ジャン=ミシェル・バスキアの無題の絵画(1982年制作)を62億円で落札。17年5月にはサザビーズニューヨークのイブニングセールで、バスキアの絵画「Untitled」を123億円で落札した。これはバスキアのオークション史上最高額である。

仏政府から「芸術文化勲章」授与

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建築家のジャン・プルーヴェの展覧会を在日フランス大使公邸で開催した功績が認められ、今年2月にはフランス芸術文化勲章オフィシエを授与された

購入は「直観で決めます」

――前澤さんは世界的なアートコレクター(※6)としても有名ですが、100億円を超える作品を購入する際も一瞬で?
前澤:直観で決めますね。今朝もニューヨークのオークションで出品されたモネのセーヌ川のシリーズが気になって、会社に来るまでの車の中で、電話でオークションに参加していました。結局、今回は寸前で入札するのをやめましたけど。
――どんな作品に惹かれますか。
前澤:アートに限らず、だいたい僕が買うのは一点ものですね。作り手がいて、その人が作った感覚が伝わるものが好きなんです。だから、大量生産品より一点モノに惹かれます。

絵画などの購入は「僕にできる一つの世界平和活動」

絵画や高級車の購入と保有についてTwitterで言及。前澤社長なりのやり方で作り手、さらには世界平和への貢献を目指しているとのこと。

社員からの支持率が最も高いIT社長

実際に企業で働いた「社員・元社員」の経験に基づいた企業リサーチサイトを運営しているVorkers(ヴォーカーズ)が、「社員が支持するIT社長ランキング」を発表し、前澤社長が1位という結果になりました。

今回の調査ではIT業界の経営者をテーマに、会員数約235万人のVorkersに蓄積された社員クチコミをディープラーニングによって解析。Vorkersの評価項目のひとつである「経営者への提言」を基に、企業の経営者に対しての支持率をスコア化しランキングを作成した。
83.43という圧倒的な支持スコアを見せたスタートトゥデイ・前澤友作氏については、次のようなクチコミが。
「現場は見なくてもいいので、ZOZOTOWNの認知度を上げるためにいろいろとイベントを仕掛けていってほしい。社長が考えていること、方向性のことについて話してほしい」(フルフィルメント部・男性・スタートトゥデイ)
「これからも企業理念に従って我が道を突っ走ってほしい。数少ない日本企業でも応援したい経営者である」(役職なし・男性・スタートトゥデイ)

このランキング結果に前澤社長は、Twitterで喜びとともにさらなる活躍を誓っています。

掲げるスローガンは「競争ではなく、協調」

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ゼロからスタートし、時価総額1兆円の大企業に成長させた前澤。成功の裏で守っていたルールは、「いかに楽しい環境に自分自身を置いておけるか」。「楽しめば楽しむほど儲かる。だから、集まってくる社員のみんなにも楽しんでほしい。楽しいメンバーと出会って楽しいことをしていたら売上がついて利益までついてくる」と述べ、前澤が掲げるスローガンは“競争ではなく、協調”だという。
競争原理をなるべくなくし、一緒にいて楽しい友達のような信頼関係を社員に築かせる。そのため、基本給とボーナスは格差がないように全社員同額にしているそうだ。
顧客との関係についても独自の考え方を持ち、「お客さんもその辺で会えば友達になる。だから、“お客様は神様”とはうちの会社では言わないんですよ。お客様と友達になれるようなサービスや商品を提供できる会社になる」と語った。

スタートトゥデイの最近の動向

最後に、前澤氏が社長を務め、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの最近の動きをまとめます。

10月1日より社名変更し「株式会社ZOZO」へ

スタートトゥデイは、10月1日付で社名を「ZOZO(ゾゾ)」に変更する。昨年立ち上げたプライベートブランド(PB)「ZOZO」の海外展開に備え、認知度を高める狙いがある。

平成30年7月豪雨の被災地を支援

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岡山県倉敷市に7000点の衣類などを提供

「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが、西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市に、衣類や下着、子ども服など7000点を提供する。前澤友作社長が7月9日、Twitterで明らかにした。「他にもお困りの自治体様は、@ZOZOTOWN_CSまでご連絡ください」とTwitterで呼び掛けている。
前澤社長のツイートによると、倉敷市と相談して支援内容を決めたという。「大量の物資が現場での混乱を招かぬ様、ヤマト運輸様とも連携してお届けします」と、物流状況にも配慮して届けることを伝えている。

このほかにも、スタートトゥデイでは被災した岡山県、広島県、愛媛県に1億円を寄付するなど支援活動を行っています。

プライベートブランド「ZOZO」の世界展開

今年1月に展開を始めたPB(プライベートブランド)「ZOZO」の商品ラインナップに、男性向けオーダースーツを新たに投入したと発表。世界展開を目指し、72の国と地域での販売にも乗り出した。
まずはPB「ZOZO」を知ってもらうため、ゾゾスーツとデニム、Tシャツを世界72か国・地域で10万人に無料で届けるキャンペーンを実施中。同社が4月に発表した中期経営計画によると、2018年3月期に2705億円だった商品取扱高を、19年3月期に3600億円、21年3月期には7150億円に拡大させる。そのうちPB事業の売上高は19年3月期の200億円(うち海外20億円)、21年3月期は2000億円(海外800億円)を目指す。

“ZOZO”のコンセプト「個性的でいながらも、平等や公平でありたい」

僕らのプライベートブランド「ZOZO」のコンセプトは「be unique, be equal」。これは個性的でいながらも、平等や公平でありたいという意味です。
特にお店で「サイズがありません」と言われるたびに、否定された感触を覚えていると思うんです。だからこそ、僕らがやりたいのは「Tシャツやデニムのようなベーシックな服装でも、その人に合ったサイズを着るだけでこんなに違うんだ」と知ってもらうこと。自分の好みに合わせたファッションを楽しみつつ、自己表現してもらうことです。本来、大事なのはその人の内面。そして、内面を出すためには自己表現をしないといけない。目指すのは、そういった思いを支えられるような基礎的なファッションを作り直すこと。より多くの人が自信を取り戻し、誰もが対等にコミュニケーションをとれる世界を僕らはファッションを通じて作っていきたいですね。

「ZOZO」初のビジネススーツ(2Bスーツ)・ドレスシャツを発売

プライベートブランド「ZOZO」の新商品として、初のフォーマル商品となるメンズの「ビジネススーツ(2Bスーツ)」と「ドレスシャツ」のセットが発売される。最大の売りは、「ZOZOSUIT」で体を計測したデータをもとに、自分のサイズにぴったりの服を注文できること。

“ファッションの数値化”を目指す「スタートトゥデイ研究所」発足

スタートトゥデイの戦略はさらなる展開も見せていて、プライベートブランドとともに「スタートトゥデイ研究所」を発表しました。ファッションの黄金比を解明し“似合う”を数値化するのが目的のR&D機関で、その成果は「おまかせ定期便」というサービスなどにも活用されていくと考えられます。

スタートトゥデイ研究所のプロジェクトリーダーを務める金山裕樹氏は、「ファッションの数値化」について次のように語っています。

──そもそも、数値化とはどんなイメージを指すのでしょうか?
金山: 言葉自体がすごいぼんやりしていますが、「数値化=人間が取り扱うことができるようにすること」だと思っています。
まだ数値化できていないので、例えになってしまいますが、今日パーティーに参加するから少し派手な洋服を選びたいとします。そのとき、みなさんが考える「派手」のイメージは人それぞれ違うと思うんですよ。
実際のシチュエーションを想像しながら、自分の体形やクローゼットの中にある服を踏まえて、「こういうファッションをしよう」と、何かしらの基準をもとに大量の選択肢を並べて意思決定している。このプロセスも数値化できるはずだ、と我々は思っています。
服を着るときのシチュエーションや気分、目的にそれぞれパラメーターを与えて見える化する。それが数値化です。