中野翠のニュース

【書評】鋭い観察眼で中野翠が見たあの著名人の60年代

NEWSポストセブン / 2017年05月25日16時00分

【書評】『あのころ、早稲田で』/中野翠・著/文藝春秋/1500円+税 【評者】坪内祐三(評論家) 中野翠の書き下しが刊行された。タイトルにあるように「あのころ」の早稲田大学キャンパス界隈を回想した自伝だ。「あのころ」というのは中野氏が早稲田大学に入学した昭和四十(一九六五)年から、卒業する昭和四十四年、さらに一九七〇年代初頭だ。 ちょうど早大闘争が始まる頃 [全文を読む]

“伝説のモダンダンサー”ロイ・フラーの人生を描いた「ザ・ダンサー」を採点!

文春オンライン / 2017年06月06日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆ヒロインの不敵な面構えとアール・ヌーボーの時代色が見もの。独創的ダンスを生み出したプロセスをもっと見たかった。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★★☆虚構の部分は陳腐だが、フラーの創出した捨身のスペクタクルは舞踊史の1ページだ。主演女優の頑丈な肉体も効果的。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆ルイ伯爵への友情と、イサドラに恋い焦がれる [全文を読む]

ハゲ散らかしたマシュー・マコノヒーが熱演 「ゴールド/金塊の行方」を採点!

文春オンライン / 2017年06月05日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆M・マコノヒーがハゲ散らかしての熱演。一直線のハデな展開で結末はどうなるのかと期待したのだが、肩すかし気分に。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆『黄金』とウォール街映画の交配種を狙った野心作だが、意外に弾けない。山師の浮き沈みという定番に忠実すぎたか。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆マコノヒーの変化ぶりには脱帽。どこに種明か [全文を読む]

ウルヴァリンシリーズの最高傑作か 「LOGAN/ローガン」を採点!

文春オンライン / 2017年05月30日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆ストーリーがよくつかめないまま、異形のミュータント達の悲壮美に引き込まれた。少女役の形相が凄い。未来は暗い? 芝山幹郎(翻訳家) ★★★★★滅びに直面する超能力者、という設定が終末感あふれる哀歌の土台だ。感傷に流れず、観客を正気に引き戻す姿勢に拍手。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆老いて能力が衰え、身を潜めて生きるミュータ [全文を読む]

映画業界の裏方の人生に迫ったドキュメンタリー 「ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー」を採点!

文春オンライン / 2017年05月29日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆映画愛で結ばれたユニークな夫婦。60年代からの名作の断片や創作の背景がたっぷりと紹介されていて興奮。貴重な記録。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★★☆絵コンテとリサーチ。映画を支える縁の下の力持ちは、ドキュメンタリーと相性がよい。渋い切り口のハリウッド裏面史。 斎藤綾子(作家) ★★★☆☆映画をいかにリアルに見せるか、リリアン [全文を読む]

孤島で暮らす夫婦のもとに流れ着いた死体と赤ん坊……「光をくれた人」を採点!

文春オンライン / 2017年05月23日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆主軸の男女3人の演技を堪能。純粋化された愛の物語でありつつサスペンスや妖気も。孤島と海辺の町の風物も見もの。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆苦手な話だ。「逃げ続けたが、罪に追いつかれた」という台詞はリアル。2つの大洋に挟まれた灯台の位置が生きていない。 斎藤綾子(作家) ★★★☆☆灯台に続く長い階段のある島の風景が孤独を [全文を読む]

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手がけた異色のSF作品 「メッセージ」を採点!

文春オンライン / 2017年05月22日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆宇宙船との対話方法に新味あり、面白い。円という図形の威力。「時間」の不思議に踏み込んだ所は意欲的だが物足りず。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆美術は刺激的で力強いが、脚本が思弁的すぎる。A・アダムスの肉体に血が通っているので、石頭映画にはならずにすんだ。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆夢か記憶か、時間をシャッフルする展開が [全文を読む]

ケイシー・アフレックのオスカー受賞作「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を採点!

文春オンライン / 2017年05月16日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆主人公のトラウマの描写の仕方とC・アフレックの演じ方に案外疑問が。海辺の町の冬ざれた風景と少年役は見応えあり。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★★☆荒天を示唆しつつ曇天の人生をじっくり描く作法が好ましい。C・アフレックはもとより、若手のヘッジズも粘り強い芝居。 斎藤綾子(作家) ★★★☆☆悲しみを背負って生きるリーの繊細さをC [全文を読む]

3人の女子高生が23の人格を持つ謎の男に拉致監禁 「スプリット」を採点!

文春オンライン / 2017年05月15日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆主軸3人(男、女医、少女)がガッシリと的確な演技で。もっと他の「人格」も見たかったが。少女のトラウマ話は必要か? 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆ぎょっとしたり、気抜けしたり。この監督には好悪こもごも。抑えたマカヴォイは帯域幅が案外狭い。10分縮めてほしい。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆猟奇的だが可笑し味もあり、不気味な結 [全文を読む]

若かりし頃のウディ・アレンを思い出させる最新作 「カフェ・ソサエティ」を採点!

文春オンライン / 2017年05月03日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★★30年代ハリウッド映画への憧憬と敬慕がひしひしと。洒落っ気と茶目っ気、横溢。キャスティングとファッションも見事。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★★☆30年代芸能界と旬の女優たちを撚り合わせ、軽妙に調理している。娑婆の移り気と苦みを描く手際はやはり玄人仕事だ。 斎藤綾子(作家) ★★★☆☆衣装や車が豪華。街並みは美しい。ボビー [全文を読む]

マッチョ好きにはたまらない 「ワイルド・スピード ICE BREAK」を採点!

文春オンライン / 2017年05月01日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆カー・アクションと撮影の凄さには感心するものの、自己陶酔型マッチョ(しかも2トップ)というのが苦手で、乗れず。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆心理の枷など外し、もっと奇想天外なアクションで押してほしかった。悪役も意外性不足。P・ウォーカーの穴は大きい。 斎藤綾子(作家) ★★★★★冒頭場面から心が躍る。空撮から地を這うカ [全文を読む]

「グッバイ、レーニン!」の監督&主演が再び 「僕とカミンスキーの旅」を採点!

文春オンライン / 2017年04月25日18時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆カミンスキーの人物造形は迷走ぎみだが、'60年代アート界の戯画化とドイツのローカル風景など私的好みゆえ、つい甘く。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆着想はけっして悪くないのに、「こうすれば客に受けるぞ」の狙いが裏目に出ている。主演俳優の誇張した演技も逆効果。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆金と名声ほしさに始まる美術評論家の旅 [全文を読む]

貧困と麻薬にまみれて暮らす三姉妹の記録 「トトとふたりの姉」を採点!

文春オンライン / 2017年04月24日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆蒙昧な母と長女に苛立ちつつ、次女の強さとダンス少年のファニーな動きに一筋の光明。娯楽性は薄いが凝視させられた。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆貧困と麻薬と毒親。握力の強い三大災難の包囲を凝視した映画。次姉の言動が微かな希望だが、この撮り方しかないのか。 斎藤綾子(作家) ★★★☆☆これがドキュメントということに胸が詰まる [全文を読む]

実写化の評価は? エマ・ワトソン主演「美女と野獣」を採点!

文春オンライン / 2017年04月18日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆30年代B・バークレー風画面作りや燭台と置時計の喜劇演技(?)が楽しい。王子役のダンの顔はもう少し見せてくれても。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆アニメの忠実な再現に驚いたが、マジックは減少。主役は善戦。ポッツ夫人の歌はA・ランズベリーの声で聞きたかった。 斎藤綾子(作家) ★★★★★楽しく美しい演出と完璧な楽曲。魔法が [全文を読む]

超大作か、トンデモ映画か、その両方か? 「グレートウォール」を採点!

文春オンライン / 2017年04月17日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆大自然の中でのショーとしては凄いのだろうが、ドラマ性は希薄。M・デイモンはじめ有名スターを使った意味が無い。 芝山幹郎(翻訳家) ★★☆☆☆人海戦術に加えて、怪獣まで数に頼るのは芸がない。ハリウッドと中国が組むと負の側面の相乗効果が生まれかねない。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆戦術の凄絶さに魅せられた。出演者たちもどう演 [全文を読む]

懐かしい……あの傑作の20年後を描く「T2 トレインスポッティング」を採点!

文春オンライン / 2017年04月11日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆快調のテンポと皮肉の効いたおかしなセリフにわくわくしたが、えんえん同じ調子で後半ダレた。若い女優がイマイチ鈍。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★★☆身体がぎりぎりで動き、笑いと哀愁が絡み合うのは、40代後半の不良の特権か。エディンバラの規模も背景にぴったり。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆過去の面白さに囚われず、現在の価値観に媚 [全文を読む]

グーグルアースで故郷を探し出す物語 「LION/ライオン ~25年目のただいま~」を採点!

文春オンライン / 2017年04月10日11時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆驚異的実話を手がたく描写。かすかな記憶をたどる過程が新鮮なサスペンスを生んでいる。グーグルの威力。子役も好演。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆人口密度の高い多言語都市で迷子になる少年の姿は記憶に残る。ただ、後半が類型。生みの親に対する恋着も一本調子だ。 斎藤綾子(作家) ★★★☆☆虐待の怖さや施設を出た後の戸惑いなど幼い [全文を読む]

カンヌ「ある視点」監督賞を受賞したヒッピー映画「はじまりへの旅」を採点!

文春オンライン / 2017年04月04日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆70年代ヒッピー風の信念が子供たちの成長によって試されてゆく。その具体的なディテールが興味深い。服や生活様式も。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆新鮮な文明批判を期待したが、主人公の独善と迷いが型通り。硬軟や緩急の配合も教科書的で、お話の枠を突き破れない。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆愛されるシングルファーザーの頑張りぶり [全文を読む]

差別を描きアカデミー作品賞を受賞 「ムーンライト」を採点

文春オンライン / 2017年04月03日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★★☆過不足のない描写と美しい色彩で孤独な魂の成長を追う。「人生」の感触。ラストの余韻。自然と内省的気分に誘われる。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★★☆外部から苦痛を描くのではなく、観客を苦痛の内部に引き入れる手法。彼の心を横切るうちに見る側の心が攪拌される。 斎藤綾子(作家) ★★★★☆子どものセクシュアリティ差別の痛みを理解し [全文を読む]

百年目の記念日に向かって絡み合うドラマ 「サラエヴォの銃声」を採点!

文春オンライン / 2017年03月28日17時00分

中野翠(コラムニスト) ★★★☆☆複数の人物を交差させる形で描写する、その手腕には唸ったが、強い興味を持てる人物(役柄、演者の個性)がいなくて。 芝山幹郎(翻訳家) ★★★☆☆舞台で巧く捌かれていたら、拍手したくなる緊張感とスピード感。撮影もダイナミックだが、全体に漂う既視感が惜しい。 斎藤綾子(作家) ★★☆☆☆サラエヴォの歴史を熟知していなければ、イ [全文を読む]

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