第4四半期の独GDPゼロ成長、個人消費・政府支出が失速
ロイター / 2020年2月14日 19時10分
2月14日、ドイツ連邦統計庁が発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.0%となり、予想の0.1%増を下回った。写真は2018年1月、ハンブルグで撮影(2020年 ロイター/Fabian Bimmer)
[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.0%となり、予想の0.1%増を下回った。個人消費と政府支出がいずれも失速し、前期比での経済成長が止まった格好で、景気後退懸念が再び浮上している。
輸出の不振によって製造業が不況から抜け出せず、特に自動車産業が巨額のコストを伴う電気自動車(EV)へのシフトや米中貿易摩擦の影響で苦戦しているため、ドイツ経済は失速し続けている。
そんな中でも経済成長を支えてきた個人消費と政府支出が今年悪化し続ければ、リセッション懸念が強まる。
キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケニンガム氏はノートで「ドイツ経済は今年の上半期にリセッションに陥りかけるかもしれないと考えている」とした。
明るい材料は第3・四半期のGDPが0.1%増から0.2%増に上方修正されたこと。
連邦統計庁によると、第4・四半期には建設セクターの投資が増加した一方で、機械・設備への投資が前期と比べて大幅に減少した。輸出も減少した。
財政均衡を重視するメルケル首相は財政刺激策には消極的だが、景気が失速し続ければ、経済を成長軌道に戻すための対策を要求する声が強まりそうだ。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、独製造業への逆風はさらに強まる公算が大きい。
ケニンガム氏は、新型コロナウイルスが世界のサプライチェーンと中国からの需要の両方に影響を及ぼしており、今年第1・四半期のGDPをさらに下押す可能性があると指摘した。
第4・四半期のGDPは前年同期比では0.4%増(季節調整済み)で、第3・四半期の0.6%増から減速した。
ロイターがまとめたアナリスト予想は、前期比0.1%増加、前年同期比0.4%増だった。
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