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第1四半期のGDP成長率は前年同期比2.7%、前期から伸び率鈍化(香港)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月10日 0時20分

添付資料PDFファイル(112 KB)

香港特別行政区政府統計処は5月2日、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(速報値)を前年同期比で2.7%と発表した(添付資料図参照)。前期から1.6ポイント低下したが、香港政府の公表した2024年通年のGDP成長率見通し(2.5~3.5%)の範囲内だった(2024年3月7日記事参照)。

第1四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、個人消費支出は前年同期比1.0%増で、前期(3.5%増)より2.5ポイント低下した。固定資本形成は0.3%増で、前期(17.5%増)より17.2ポイントと大幅に低下した。政府消費支出は3.0%減で、前期(5.2%減)からマイナス幅が2.2ポイント縮小した。財輸出(6.7%増)は前期(2.8%増)より3.9ポイント上昇したが、財輸入(3.2%減)は前期(3.8%増)より0.6ポイント低下した。サービス輸出(8.1%増)、サービス輸入(17.6%増)はいずれも、前期(サービス輸出21.2%増、サービス輸入26.7%増)からそれぞれ13.1ポイント、9.1ポイント低下した。

香港政府報道官は2024年第1四半期の香港経済の緩やかな成長について、「インバウンド観光の力強い回復を受けて、サービス輸出は顕著に増加している。財輸出は、前年同期の基数の低さも関係しているが、外需がわずかに好調に転じたことで改善した」と振り返った。2024年第2四半期(4~6月)以降の香港経済については「インバウンド観光は引き続き経済成長の推進力となるだろう」と述べる一方で、「地政学的な緊張の高まりと金融引き締めが引き続き財輸出に影響を及ぼすだろうが、外需の好転もあり、若干改善される可能性がある。国内では家計所得の上昇と政府主導策が個人消費を支えるが、香港居住者の消費パータンの変化が課題となるだろう」と見解を示した。

香港大手銀行の大新銀行のチーフエコノミスト兼ストラテジストの温嘉煒氏は「第1四半期のGDP成長率の要因は財輸出の大幅な増加による」と言及したほか、「サービス輸入の増加要因は香港居住者の海外での消費と北上消費(注)が旺盛なことだ」と指摘した(「信報」紙5月3日)。

なお、香港政府は5月17日、2024年第1四半期のGDP成長率の詳細を公表する。

(注)香港居住者が買い物目的で中国本土を訪れて消費すること。中国本土との往来再開後、安価で選択肢が豊富な深セン市に日帰りで遊びに行く者が増加している。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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