アングル:イスラエル国民、初のイラン直接攻撃に動揺 戦火拡大を懸念
ロイター / 2024年4月15日 10時53分
Dedi Hayun Rami Amichay
[エルサレム 14日 ロイター] - イスラエルに対する宿敵イランの初の直接攻撃はイスラエル国民を震え上がらせ、戦火が拡大するとの懸念が広がった。
イスラエル国内では、イランが支援するイスラム組織ハマスによる攻撃を受けて空襲警報が鳴り響くことは以前からよくあったが、13日夜にイランがイスラエルに多数の無人機(ドローン)やミサイルを発射したことは、中東の対立構図に新たな不安要素をもたらした。
イスラエルはイランが発射した300超のドローンやミサイルのほぼ全てを迎撃し、小規模な被害にとどめたと表明した。
ただ、被害は小さくても、地域大国イランと直接交戦した経験のないイスラエル国民の動揺は大きかった。夜間にイスラエル上空にはイランの兵器や迎撃弾が光った。
エルサレムに住むセシル・スムロウィッツさんは「夜中にブーンという音が聞こえ始めたときはかなり怖かった。それが何なのかは分かっていたが、規模が分からなかった」と話した。
「でも、イスラエル軍が切り抜けてくれたおかげで今のところ静かだし、この状態が続くことを願っている」とした。
イランは、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺に対する今月初めの攻撃に報復したとしている。
<イスラエルの反撃けん制>
イランは14日、イスラエルに対し前日実施した攻撃に同国が報復すれば、さらに大規模な攻撃に踏み切ると警告した。また、イランに対するイスラエルの軍事行動を米国が支援すれば、米軍基地が標的になるとけん制した。
イスラエルのネタニヤフ首相は同国にとってイランが現実的な脅威になっていると繰り返し国際社会に訴えてきた。イランが発射したドローンとミサイルをほぼ全て撃墜したと国軍が発表したことを受け、勝利を収めると表明した。
エルサレム郊外に住むジェレミー・スミスさん(60)は「大きな戦争にならないことを強く願っている。イスラエル国民は誰も大きな戦争を望んでいない。イランの攻撃がこれで終わることを願う」と話す。
それでもなお「国全体がミサイルとドローンに覆われたのだからイスラエルは対応するだろう。これは仕方がない。しかし、どうにかして歯止めをかける必要がある」と述べた。
この記事に関連するニュース
-
ガザめぐりイスラエルとイランが戦い合う理由 イランを国際的に孤立させようとするイスラエルの思惑
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 5時50分
-
ガザめぐりイスラエルとイランが戦い合う理由 イランを国際的に孤立させようとするイスラエルの思惑
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 7時50分
-
イスラエルがイラン攻撃と関係筋、イスファハン上空にドローン
ロイター / 2024年4月19日 17時43分
-
イランのイスラエル攻撃でウクライナが嘆く理由 NATO非同盟国への対応の違いが招く戦争リスク
東洋経済オンライン / 2024年4月19日 9時40分
-
「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイランは想定していたか──大空爆の3つの理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月17日 19時30分
ランキング
-
1プーチン氏、中露共闘で対ウクライナ「戦勝」狙う 中国は「戦後」の影響力確保か
産経ニュース / 2024年5月16日 21時28分
-
2バイデン氏、録音公開拒否 機密文書事件の事情聴取
共同通信 / 2024年5月16日 23時52分
-
3バイデン・トランプ両氏、指名前に異例の1対1討論…罵声飛び交った20年は「史上最悪」討論とも
読売新聞 / 2024年5月16日 19時21分
-
4ロシア兵力「突破に不十分」 NATO司令官「戦線維持可能」
共同通信 / 2024年5月17日 6時45分
-
5ロシア、戦術核を含む軍事演習を初めて公表...プーチン大統領がウクライナに核を使う日は来るのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月16日 20時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください