航空業界の排出ガス、30年までに5%削減 国連の業界会合で採択
ロイター / 2023年11月27日 7時58分
11月24日、国連の国際民間航空機関(ICAO)は、100カ国以上が参加した総会で、持続可能な航空燃料(SAF)などクリーンな燃料の使用を通じ、2030年までの温室効果ガス排出量を5%削減するという暫定目標を採択した。写真は持続可能な航空燃料「SAF」を運ぶタンカー。パリで6月19日撮影(2023年 ロイター/Benoit Tessier)
Allison Lampert Tim Hepher
[24日 ロイター] - 国連の国際民間航空機関(ICAO)は24日、100カ国以上が参加した総会で、持続可能な航空燃料(SAF)などクリーンな燃料の使用を通じ、2030年までの温室効果ガス排出量を5%削減するという暫定目標を採択した。ただ、中国やロシアなど一部の国は自国経済への影響に懸念を示した。当初の草案では、温室効果ガスの削減目標は5─8%とされていた。
総会は、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)開催を前にドバイで5日間にわたって開かれた。
米国代表は閉幕式で、採択された目標はクリーンエネルギー事業に投資すべき財界に「クリーン(明確)で積極的なシグナル」を送ると評価した。
SAFは排出削減のかぎだが、割高で普及率は世界の航空燃料の1%未満にとどまっている。
パーム油などからSAFの生産を目指しているコロンビアの代表は、投資家に明確な目標を提供することで「SAF活用を加速する」と強調。「活用促進や必要なインフラ支援は財界とエネルギー業界にかかっている」と訴えた。
一方、中国は運用コスト増大につながるとともに、エネルギーや食料の安全保障を脅かすことで途上国を差別していると反論。サウジアラビアとイラクも、数値目標や期限に異議を申し立てた。
環境保護団体は、今回の合意には拘束力がないため厳しさに欠けていると非難した。 航空業界によると、温室効果ガス排出実質ゼロ達成に必要なSAF開発資金は1兆4500億─3兆2000万ドル。
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