秋葉原で「ポタフェス2023夏」開幕中、気になる製品をピックアップ!
ASCII.jp / 2023年7月9日 11時30分
7月8日から本日9日までの2日間、ポータブルオーディオ関連イベント「ポタフェス2023夏」がベルサール秋葉原にて開催中だ。主催はe☆イヤホン。その展示から、目についた/面白い製品をいくつか紹介する。
ゲーミングに力を入れるfinal
finalブースでは新製品の「VR2000 for Gaming」が展示されている。既存製品の「VR3000 for Gaming」との聴き比べも可能だ。試聴用のテーブルには、「ストリートファイター6」などのゲームが大画面で映し出され、場面場面でスイッチで切り替えることで、それぞれの再生音を聴き比べられる。
VR3000 for Gamingは空間表現を重視していたがVR2000 for Gamingは反応重視ということ。聴き比べてみると、格ゲーでのパンチの打撃感が一層際立つように感じられた。
また、finalブースでは、DITAブランドのスティック型DAC「Navigator」の最終版が展示されていた。手に取ってみるとかなりソリッドで“金属の塊”感がある。音は小型ながら高級DACで聴いているような豊かさを感じられ、歯切れも良い。販売が待たれる製品だ。
qdcのハイエンド&エントリー向けイヤホン
アユートブースではqdcと日本との共同企画で開発した新製品が展示されていた。まず「WHITE TIGER」は昨年発売のハイエンドイヤホン「TIGER」をベースにしたもの。カラーリングをホワイトに変更し、音のチューニングも変えたモデルだ。確かに、音を聞いてみるとモニター的だったTIGERよりも音楽リスニングに向いた再現。よりコンシューマーに訴求する音になっていると感じた。
また、「SUPERIOR」はqdcのプロ用というイメージをくつがえす低価格モデルで、価格は1万4300円。同ブランドでは初めて1万5000円を切った。10mmのダイナミックドライバーを採用し、デザインや音の全てに日本側のこだわりをこめているという。音はパンチがあってこの価格帯にしては透明感も高く、なかなかコスパの高いモデルに仕上がっていると感じた。
iFi audioはサプライズのヘッドホンアンプ
TOP WING Cybersound Groupのブースではサプライズとして、iFi audio「Phantom」が展示されていた。これはプリアンプ機能付きのヘッドホンアンプで、静電型ヘッドホンとダイナミック型ヘッドホンの両方が使用できるユニークなものだ。また親ブランドでハイエンドを扱うAMRの部品を採用するなど、高品質パーツも搭載している。ユニークなのはBIAS CARDというカードを用いて、各種静電型ヘッドホンに最適なバイアス電圧を設定ができる機能だ。ここまでのこだわりは見たことがない。価格は未定。
また、先日発表した「Volumio」の最新のベータ版も見ることができた。これは発表会でもアナウンスされていたようにAIを採用したものだ。詳細はまだ不明だが、具体的には最近話題の生成AIのような“プロンプト”で検索が可能なものらしい。画面はシンプルに"British Rock"で検索したものだが、ディープ・パーブルやレッド・ツェッペリンなどそれらしい結果が並んでいる。これに関してはより詳細が分かればさらに試してみたいと思う。
Nobleは骨伝導+BA型のハイブリッドイヤホン
エミライは、Noble Audioの意欲的な新製品「Spartacus」を展示していた。ハイブリッドイヤホンだが、よくあるバランスド・アーマチュア型(BA型)とダイナミック型の組み合わせではなく、BAと骨伝導ドライバーの組み合わせだ。骨伝導ドライバーは低音域を担当。BAドライバーの開発で有名なSonion製だという。聴いてみるとユニークなサウンドで、ダイナミックドライバーのような重みではないが、独特の広大なスケール感が感じられた。価格は未定。
MADOOは平面型を対向配置、珍しい構成のイヤホン
ピクセルはMADOOブランドの新しいハイエンドモデル「Typ821」を試せる。チタン筐体で価格は22万円前後だという。MADOOはこれまでも平面型ドライバーをハイブリッド形式で採用していたが、「Typ821」ではプッシュプルの対向方式で平面型ドライバーを採用するというユニークな方式を採用している。開放感のある音で、独特の深みが特徴だ。これもとてもユニークなサウンドであり、形容が難しい。
仮想サラウンドで立体的な音場を
シーイヤーのブースでは、本連載で以前に紹介した仮想音源を再現できるワイヤレススピーカーの製品版が展示されていた。価格は3万円強になるという。Bluetoothのステレオスピーカーだが、仮想音源技術により、浮かび上がるような立体的な音の再生が可能だ。デモでは写真の指の位置に明瞭にサックスの音が聞こえた。またもっと驚くのはこの位置から耳元に音が鳴っているようにも再生できることだ。なかなか今後が楽しみな技術だといえる。
aptX Adaptiveの低遅延も体験
クアルコムはaptX Adaptive技術の高音質モードと低遅延モードをそれぞれ既存コーデックと聴き比べるというデモ展示をしていた。スイッチを切り替えることで既存技術であるSBCやAACとの違いが分かり易く展示が行われていた。つまり「Snapdragon Sound」とはこの違いを保証する認証バッジのことであるということが分かりやすい展示だ。また、LE Audio対応のゲーミング向けドングルも展示していた。
オーディオテクニカは体温で形状が変わるイヤーピース
オーディオテクニカは新製品のイヤーピース「AT-ER500」を展示していた。これは「アブソートマー」という素材を採用したことで、人の体温によりイヤーピースの形状が変化して耳の形になじむという製品だ。特徴は長時間の装着によって、つまり長期的に使えば使うほど、自分の耳の形に馴染むという点だ。短時間でなじむというよりも、何日か使い続けることで徐々に耳になじんでいくものだという。試しに、完全ワイヤレスイヤホンの「ATH-TWX9」に装着してみたが、装着感がシリコンとも違う独特の柔らかな印象。音もATH-TWX9の良さをよく伝えられると感じた。
Brise Audioの銀線ケーブル
Brise Audio(ブリスオーディオ)は、新製品の銀線「SHIROGANE」を展示した。安定した供給先が見つかったので、製品化ができたという。30万円と高価だが、純銀の材質、太さ、重さなど物量面にこだわって音質を優先させたそうだ。結果として、音のキツさなど銀線のマイナス面を消しながら、豊かな情報量を実現したとのこと。手持ちのカスタムイヤホンのケーブルを交換して聴いてみたが、透明感が高く、低域にも深みが感じられる素晴らしい音だった。確かに刺さるようなキツさはほとんど感じられない。
ヘッドホンのお悩み、断線を防ぐケーブルも
e☆イヤホンブースでは参考出品として「断線しないケーブル」が展示されていた。これは皮膜の中が線材ではなく液体金属になっていることで、文字通り断線することがないというユニークなものだ。また曲げる時に癖がなく自由に曲がる点も新しい。ただしあまくで技術デモであって非売品だということだ。
全体を通してなかなかユニークな展示品が多い印象だった。オーディオの世界でも本格的に再始動が始まったことを感じさせるイベントであった。
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