寝ている間に"脂肪を燃やす"マフィンを開発
Digital PR Platform / 2024年4月24日 20時5分
城西大学(埼玉県坂戸市/学長:藤野陽三)の薬学部薬科学科 栄養生理学研究室の矢島克彦助教は、一般的なマフィンと比較して食べることで脂肪燃焼量が上昇する「太りにくいマフィン」の研究・開発を進めています。このたび睡眠時のエネルギー代謝状態に着目した実験を行い、寝ている間に“脂肪を燃やす”効果に加え、“睡眠の質を向上させる”効果を得られることを確認、英国の栄養科学雑誌に発表しました。
脂質は、常温で固まりやすい飽和脂肪酸(バター、ラード、パーム油など)と、常温でも固まりにくい不飽和脂肪酸(オリーブ油、菜種油、アマニ油など)で構成される脂質に分類されます。矢島助教は、一般に流通するお菓子やケーキ生地と類似した脂質組成のマフィンと比較し、不飽和脂肪酸の比率を高めた脂質組成のオリジナルマフィンを食することで、食後の脂肪燃焼量が約10%上昇したことを報告しています(Yajima K et al. PLOS ONE 2018; 13: e0198858. https://doi.org/10.1371/journal.pone.
)。
このたび、ヒューマン・カロリメータ(※)を使用することで睡眠時エネルギー代謝と睡眠脳波を同時測定する手法を確立し(写真)、寝ている間のエネルギー代謝状態に特化した研究成果を英国の栄養科学雑誌に発表しました。開発したオリジナルマフィンを食べることで、若年男性における夜間前半の脂肪燃焼量が増加するのに加え、深睡眠が約20%増加し、深睡眠に到達するまでにかかる時間が短縮された(睡眠の質の向上を示唆)という成果です(Dietary palmitic acid to oleic acid ratio modulates energy metabolism and biological rhythms in young healthy Japanese males. Yajima K et al. Br J Nutr. 2024; 131: 447-460)。
慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下は、生活習慣病やアルツハイマーなどを誘発するリスク要因として深刻な社会問題となっています。限られた時間の中で質の高い睡眠を得るための食事手法開発は、忙しい現代人にとって急務です。また、インスリン抵抗性の生じている人々(糖尿病や境界型糖尿病の人々)は、健常者と比較して睡眠時の脂肪燃焼量が少ないことが明らかとなっており、睡眠時エネルギー代謝の重要性はますます注目されています。
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