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ペルー映画史上、最も観られたドキュメンタリー 市民権と差別をめぐる闘いを紐解く「革命する大地」監督インタビュー

映画.com / 2024年4月27日 8時0分

――その歴史的空白は、映画でも非難しているようにベラスコ政権後、フランシスコ・モラレス政権下で数多くの映画が燃やされたからとういことなんですね?

 はい、本作ではそのことには触れていませんが、20世紀のペルー映画はわずか10%しか残っていません。90%はもう存在しません。保存状況が良くなかったものもありますが、破壊されたものもあります。例えば、90年代に特定の反社会組織とのつながりがあったと悪名高かったコレクター宅の火事がありました。中には、ロシアからDVDが届くまでの30年間行方不明だったアルマンド・ロブレス・ゴドイ監督の「ジャングルに星はない」(1967年)があります。また、もう見つからないと思われていましたが、本作制作時にベータカムで発見されたフェデリコ・ガルシア監督の映画などがあります。しかし、農地改革前のゴドイ監督の最初の作品“Ganarás el pan”(1965年)は行方不明のままです。

――この映画をつくったことで迫害されましたか?

今回の作品ではされませんでしたが、次回作は武力闘争をテーマにしていますので、慎重に取り組んでいます。まず、はじめに弁護士に観てもらいます。例えば、テロで有罪判決を受けた女性が、ダンスが上手だったとしても、そうは言えません。なぜなら、その表現がテロを擁護するようになり、テロで有罪判決を受けた人へのポジティブな印象を与えるとされるからです。武力闘争後に形成された真実和解委員会の報告書について学校で学ばせない運動もありました。近年の歴史では未解決な出来事が多くあり、農地改革は根本的な問題だと私は考えています。

――この「革命する大地」の公開時に問題はなかったということですか?

そうですね、ある劇場チェーンではオーナーの父親がベラスコ政府の接収対象となっていたためベラスコを嫌い、公開前に外されました。公開の前日に劇場が取りやめたのです。しかし、映画は幾度も生き返りました。テレビでの放送前には、映画とは無関係にも関わらず、革新的な候補者を支持しているとして、ある元首相が大統領選挙前に放映されるべきではないとツイートしました。ペドロ・カスティージョが当選した2021年の大統領選のときでした。現状とは異なる考えを封じ込める動きそのものです。その結果、映画はテレビで放映されませんでした。しかし、映画はソーシャルメディアで拡散され、数日で約100万回の再生回数を記録しました。アダルトページにもアップされたという人もいますが、本当かどうかは分かりません。

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