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昆夏美・大原櫻子・海宝直人・村井良大が「この世界の片隅に」のミュージカル版で共有する悩みと喜び、切磋琢磨の日々!【若林ゆり 舞台.com】

映画.com / 2024年5月8日 13時0分

 ダブルキャストということで、稽古場で互いを見て思うこと、発見したことを聞こうとすると、「それは恥ずかしいやつ」「結果、褒め合いに終始するんです」と、口をそろえる。代わりに、ダブルキャストでよかったこと、まるで青春の部活チームメイトのような、4人の関係性を語ってくれた。

村井:ダブルキャストは、自分の出番じゃないときに作品を観られるというのが大きいんですよ。「自分と違うな」「自分の発想と違っていていいな」というのももちろんあるけど、それよりふたりで、一緒に周作という役を作っている感じがして。

海宝:今回は特にそれが強いよね。

村井:強い。オリジナルだから、初めてやる作業だから、一心同体な感じがすごくします。みんなで作ろうという感じがすごくあるんです。海外の作品だと、演出家の意図をいかに再現するかという作業になってしまうことが多いと思います。でも今回は、役者たちが気持ちも技術も使って、シーンを作るために切磋琢磨している。

海宝:作品の中で役者がそれぞれどうやろうかというよりは、この作品そのものをどの方向に持っていこうかをみんなが考えているんです。だからお互いに「こういうことをやったらもっといいシーンになるかも、こういうモーメントを作ってみたら面白いかも」みたいなことを話して、お互いに見てみて。「それめっちゃ機能してるよ」というようなやり取りが多いですね。お互いに実験している感じ。間違えたら間違えたでいいし、「それないね」となったらやめる。そういう作業が、オリジナル作品だからこそある。

大原:すずと周作の関係も、原作にあるシーンがなかったりして、飛んでいるところもあるんですよ。そこを埋めるために、「何かひとつのアクションをすることによって、生まれる何かがあるね」と提案し合っています。

村井:毎日通し稽古が終わった後は、大体4人でサークルになって話しているよね。

昆:ちょっとした振り向き方とか、歩くスピードとかでも見え方が変わってくる。そういう繊細さがあるんですけど、「それは変」とか「違う」とかお互いに指摘し合えるから助かっています。そういう空間が当たり前にできていることって、あまりなかったかも。

 戦時下の広島が舞台というと、辛い悲しい話だろうと、反戦を訴える悲痛な話だろうと身構える人も多いかもしれない。でも、この作品はメッセージを訴えるのに「普通の人たちの日々の大切さ」から説いていくというのがすごく新しく、誰もが共鳴できるという点においても意味がある。

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