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タイの天才、アピチャッポン・ウィーラセタクンとは――?【NADiffオススメBOOK】

FASHION HEADLINE / 2017年1月19日 21時0分

『アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち』アピチャッポン・ウィーラセタクン、東京都写真美術館

木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、『アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち』。東京・恵比寿の東京都写真美術館内にあるミュージアム・ショップ、NADiff BAITEN(東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内 東京都写真美術館2F)によるご紹介です。

■『アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち』アピチャッポン・ウィーラセタクン、東京都写真美術館

―目覚めているとき、眠っているとき、ぼくたちのうちにはたくさんの存在が包含されていて、変化し揺れ動いている。ぼくは朝、目を覚ましていそいそと夢を書きとめる。夜のあいだ自分はいったい誰だったのか、突き止めてみたいのだ。
――アピチャッポン・ウィーラセタクン(本文より)

映画『ブンミおじさんの森』で2010年カンヌ国際映画祭最高賞(パルムドール)に輝いたことで名前をご存知の方も多いのではないだろうか。アピチャッポン・ウィーラセタクンは、映画監督であり、また各国の美術館やヨコハマトリエンナーレなどの美術フェスティバルでも多くの作品を発表している現代美術作家でもある。
出身であるタイを舞台にした作品は、実際にそこで生活する人々をキャスティングするなどその映像のリアリティーと、「幽霊」「夢」といった非現実的なストーリーが相まって、白昼夢を見たような不思議な浮遊感を覚える。

現在、東京都写真美術館で開催している個展「アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち」は、インスタレーションやショートムービー、写真から構成され、そこに出現する光、影、火、病院、家族といったモチーフは映画作品へのプロセスを想起させる。そうした展覧会の公式図録となる本書。巻末に添えられたアピチャッポン本人による文書は、これまで見た夢のはなし、幼いころのタイのはなし、家族のはなしなどが続き、彼の記憶をもとにした1本の映画を見ているようである。四方田犬彦、佐々木敦など著名人による批評もあり、読み物としてもとても充実している。映画、展覧会と合わせてぜひ手に取って頂きたい1冊である。


【書籍情報】
『アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち』
著者:アピチャッポン・ウィーラセタクン、東京都写真美術館
版元:河出書房新社
言語:日本語・英語
197ページ/210×231mm
発刊:2016年12月
価格:2,400円

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