現代ロシア、そこにあるランドスケープ。グロンスキー写真展東雲で開催中
FASHION HEADLINE / 2014年10月8日 21時30分
アレキサンダー・グロンスキー展が東京・東雲TOLOT内ギャラリー「YUKA TSURUNO GALLERY」で10月25日まで開催されている。
ロシアのある地域の風景。そのランドスケープは、まるで絵画のように大判プリントに表現されている。
グロンスキーは、現代ロシアのランドスケープに焦点を当てた作品で国際的な注目を集めている写真家。報道カメラマンとして活動後、2008年よりパーソナルなドキュメンタリーを撮り始め、現在は周辺環境と地域住民の関係性を探求する作品を制作している。
今回の展示では、代表作である三つのシリーズ『Less than one』『The edge』
『pastral』の内から選抜した10点が展示されている。
『Less than one』は、人口密度が1平方キロメートルに1人以下というロシア辺境に焦点を当てたシリーズ。グロンスキー氏は、「ロシアの風景にある空虚感や虚構的な部分を見せたいと思っていた。非常に孤立した感じ、閑散とした状態を意味するに適した言葉として、このタイトルを選んだ。住みたいから住んでいる人がいるのではなく、(鉱山や炭坑などの環境があって)必然的に人が住んでいる。場所ではなくて、人が生活をしている部分と自然界とのボーダー(境界線)が見えることに意味がある。」と話す。
都市の境界線に着目し、撮影したシリーズの『The edge』は、特にモスクワとその周辺の冬の風景、なかでも雪景色を撮っている。旧ソ連時代の集合住宅が多く見られる郊外は、都市計画で団地と団地の間にオープンスペースを設ける必要があり、そこは冬の間も人々の憩いの場となる。そうした公的空間で人々は雪そりやスキー、プールで泳ぐなど私的に楽しむ人々の様子を収めた。「露出を高めて、白が浮くように雪を撮影することで、周辺風景の要素が切り抜かれたかのように見えるようになる」とイメージとしてどのようにグラフィカルなクオリティーを持たせるかについても考慮されている。
このように、ディテールを掘り下げていくと、郊外と都市、公的空間と私的空間、インフラと自然といった「境界線」が1枚の写真に潜んでいるのが、グロンスキーの作品の特徴だ。
近作の『pastoral』は、モスクワと田舎の中間域で人間が自然風景をどのように使うのかに興味を持ち撮影したシリーズ。 『The edge』の撮影中から構想し、春を待って撮影を開始した。人々が都市生活の中で必然的に使われるようになった場所が作品となっている。例えば、駅と駅のショートカットとなった木立の間の道、遊び場となった工事現場、列車が走る線路の間近でのピクニックなど、その選択が面白い。「特定の場所、人の行いを見せたいのではなく、こういったことが全て同時進行的に起こっているということが重要」という。
大判にプリントすることでディテールが見える。全体とディテールを見ることを繰り返すと、その風景が徐々に理解できていくようになる。「ロシアやモスクワで起きている社会的な現象への批判や物事の善し悪しについてコメントをしたいわけではなく、ロシアやモスクワに限らず、世界が今どういう状態にあるのかを伝えたいと思い、写真を撮っている」とグロンスキー氏は語った。
また、『Less than one』は、芹川太郎・渡辺洋輔による出版レーベル TYCOON BOOKS から同タイトルの写真集が出版されている。 10月4日には、グロンスキー氏のトークショー後にブックサイニングも行われ、同日は同ギャラリー他トーマス・ルフ「photograms」展(ギャラリー小柳)とヴィヴィアン・サッセン「LEXICON」展(G/Pギャラリー)との合同レセプションも開催された。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
羽生結弦、アンバサダー務める「グッチ」で写真展開催 「ありのままの今」テーマに撮り下ろし
ORICON NEWS / 2024年5月7日 12時33分
-
京都でPFASテーマの写真展 美術作家「汚染が生活のすぐそこに」 住民の不安や葛藤伝える
京都新聞 / 2024年5月6日 9時0分
-
【北海道 東川町】第40回「写真の町」東川賞の受賞作家が決定
@Press / 2024年5月1日 0時0分
-
マイケル・ケンナが代官山で作品展、至高の白黒プリントに心を奪われた
マイナビニュース / 2024年4月17日 17時13分
-
【コスプレ】『原神』「ナヒーダ」に「コレイ」「マハールッカデヴァータ」も!スメールキャラが人気な美麗レイヤー5選【プレイバック】
インサイド / 2024年4月14日 20時0分
ランキング
-
1すき家、14日から復活する“人気メニュー”が話題に 「復刻まじか」「通常メニューにして…」
Sirabee / 2024年5月9日 4時0分
-
2シャンプーは“2度洗い”が基本?「正しい髪の洗い方」をシャンプーソムリエに聞く
日刊SPA! / 2024年5月9日 8時51分
-
3「そば派」「うどん派」はどっちが多い? 5000人調査の結果が明らかに- LINEヤフー
マイナビニュース / 2024年5月9日 16時26分
-
4「国産ワゴン」なぜ衰退? わずか4車種に減少! 絶滅寸前でも「やっぱりワゴンが一番!」の声も!? 反響は?
くるまのニュース / 2024年5月9日 10時10分
-
5「女性が好意を持っていない男性だけにする言動」に共通している7つの特徴
日刊SPA! / 2024年5月9日 10時24分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください