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交通事故でけがを負った時の健康保険や国民健康保険の利用

ファイナンシャルフィールド / 2022年11月15日 9時10分

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交通事故等でけがを負った場合、そのけがの治療にかかる費用は、原則として相手方の自賠責保険や対人賠償保険で賠償されることになります。しかし、交通事故等でけがを負った側にも過失(=責任)がある場合には、その過失に相当する分だけ賠償されない場合があります。   賠償されない治療費は自己負担になってしまいます。また、相手方の存在しない、つまり単独事故でけがをした場合にも、やはり治療費は自身で何とかするしかありません。

健康保険の利用には届出が必要

交通事故でけがを負った場合、自身の健康保険によって治療を受けることができます。ただし、協会けんぽや健康保険組合、また国民健康保険で治療を受けた際には「第三者行為による傷病届」等、多数の書類の提出が必要です。
 
なお、交通事故の発生が仕事中や通勤途上の場合には、健康保険で治療を受けることができません。仕事中や通勤途上のけがは、労災保険(労働者災害補償保険)での対応になるからです(会社員や公務員以外の方の場合には、労災保険がありませんので、仕事中や通勤途上のけがでも国民健康保険の対応となります)。
 

求償権の代位取得

先述の「第三者行為による傷病届」等の多数の書類を提出し、交通事故のけがを健康保険によって治療を受けたとします。協会けんぽや健康保険組合、区市町村は、治療費のうち相手方の過失に相当する額を相手方やその損害保険会社に請求します。これを求償権の代位取得といいます。
 

示談は慎重に

求償権の代位取得があるので、相手方との示談は慎重に行わなくてなりません。示談を取り交わす前に、示談内容等を協会けんぽや健康保険組合、区市町村に相談することをおすすめします。
 
万が一、「健康保険で治療を受けているから医療費はいらない」等の趣旨が示談書に盛り込まれてしまうと、治療費の損害賠償請求権を放棄したことになり、協会けんぽなどが求償権の代位取得を行えなくなってしまいます。つまり、治療費全額をけがを負った側が負担することになってしまいます。
 
なお、単独事故の場合には相手方がいませんので「第三者行為による傷病届」はありませんが、負傷原因報告書等の書類の提出は必要です。また、健康保険組合では「飲酒運転など負傷の原因によっては健康保険による治療は受けられない」という趣旨の記述がありますので、併せて留意しておきたいところです。
 
また、交通事故でけがを負った方の治療費を相手方の対人賠償保険等に請求せず、自身の人身傷害保険で治療費の補償を行う場合、約款上、健康保険や国民健康(仕事中や通勤途上では労災保険)等の公的な医療保障の利用が前提となっています。
 
自身の人身傷害保険で治療を受ける場合、協会けんぽや健康保険組合、区市町村は保険会社に求償権の代位取得はありません。交通事故とはいえ、自身が契約する人身傷害保険であって相手方は関係ないからです。
 

まとめに代えて

交通事故に巻き込まれると、体も財布も痛い思いをすることになります。健康保険や国民健康保険によって治療を受ける時、書類の手間が掛かりますが、必ず申請して自己負担額を減らしましょう。
  

出典

全国健康保険協会 ホームページ

 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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