【定年まであと5年】年金と退職金だけで生活するのは難しいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月30日 2時30分
定年が近づくと、老後の生活資金が気になる方も多いでしょう。年金や退職金が十分であれば、老後も安心して過ごせるかもしれませんが、それだけでは不足する場合もあります。もし年金や退職金が足りない場合は、老後の仕事や貯蓄から補填が必要です。 本記事では、老後の資金計画をイメージしやすいように、年金や退職金の平均額、老後の家計収支などについて解説します。ぜひ、老後の準備の参考にしてみてください。
年金の平均受給額
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金(基礎年金月額を含む)の平均月額は14万4982円でした。図表1は、平成30年度以降の平均年金月額の推移となります。
【図表1】
年度 | 平均年金月額 |
---|---|
令和4年度 | 14万4982円 |
令和3年度 | 14万5665円 |
令和2年度 | 14万6145円 |
令和元年度 | 14万6162円 |
平成30年度 | 14万5865円 |
※厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者が作成
年金の月額は、おおよそ14万5000〜6000円程度です。
退職金の平均受取額
厚生労働省(中央労働委員会)の「令和3年賃金事情等総合調査」によれば、平均退職金額は、図表2のとおりです。
【図表2】
平均退職金額 | |
---|---|
大学卒 | 2230万4000円 |
高校卒 | 2017万6000円 |
※厚生労働省(中央労働委員会)の「令和3年賃金事情等総合調査」をもとに筆者が作成
※定年退職まで勤務した場合
※男性の場合
定年退職まで勤務した場合の平均退職金額は、2000〜2200万円程度です。
老後の家計収支
老後の資金計画を立てるうえで、老後の家計収支の平均を把握することが重要です。老後の収入や支出の状況を理解し、黒字か赤字かを知ることで、老後の資金計画をシミュレーションする際に役立ちます。
本項では、総務省統計局のデータをもとに、夫婦のみの世帯と単身世帯における老後の家計収支について詳しく見ていきましょう。
夫婦のみの世帯
総務省統計局の「令和4年 家計調査年報(家計収支編)」によれば、65歳以上夫婦のみの世帯における家計収支は、図表3のとおりです。
【図表3】
収入 | 24万6237円 |
支出 | 26万8508円 |
差額 | ▲2万2271円 |
※総務省統計局「令和4年 家計調査年報(家計収支編)」をもとに筆者が作成
1ヶ月の収支は2万2271円のマイナスです。1年間で26万7252円、5年間で133万6260円、10年間で267万2520円の赤字になります。
単身世帯
総務省統計局の「令和4年 家計調査年報(家計収支編)」によれば、65歳以上単身世帯における家計収支は、図表4のとおりです。
【図表4】
収入 | 13万4915円 |
支出 | 15万5495円 |
差額 | ▲2万580円 |
※総務省統計局「令和4年 家計調査年報(家計収支編)」をもとに筆者が作成
1ヶ月の収支は2万580円のマイナスです。1年間で24万6960円、5年間で123万4800円、10年間で246万9600円の赤字になります。これらの費用はあくまで平均額であり、より豊かな生活を望む場合は、支出がさらに増える可能性があります。
年金や退職金に関する注意点
年金や退職金の平均額は、人によって異なります。例えば、フリーランスで国民年金にしか加入していない場合、年金額受給額は満額で月6万6250円(令和5年)です。また、退職金制度のない企業も存在します。
さらに、年金や退職金には所得税と住民税がかかります。例えば、65歳以上で年金収入が年間200万円の場合、課税所得額は42万円となり、所得税額は2万1000円です。年金や退職金には税金がかかることも考慮して資金計画を立てておくことが大切です。
経済的余裕があるとゆとりある生活を実現しやすい
厚生労働省の調査によれば、年金の平均月額は14万4982円であり、退職金の平均額は2230万4000円(大卒)です。ただし、年金額は個人によって異なり、退職金が支給されない企業もありますので、自身の状況を考慮することが重要です。
年金や退職金だけでは老後の生活が難しい場合、現役時代に貯蓄を積極的に増やしたり、老後の仕事の計画を立てたりしておくことが大切になります。理想の老後を過ごすためにも、今の段階から準備を進めておきましょう。
出典
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省(中央労働委員会) 令和3年賃金事情等総合調査
総務省統計局 令和4年 家計調査年報(家計収支編)
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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