子どもがコンビニで「うまい棒」を開封して「買い取り」を求められました。1本12円で、小さな子どもがしたことです。どうしても「弁償」しなければいけないのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月11日 4時30分
子どもを連れてコンビニやスーパーで買い物をしているとき、子どもがお菓子を開封してしまったという経験がある人もいるのではないでしょうか。小さな子どもは物事の善しあしの区別がついていないこともあるため、買い取りを求められずに許してもらえないのかと感じることがあるかもしれません。 本記事では店の商品を開封したときの買い取りの必要性や子どものしたことの責任は誰がとるのかについて解説します。
誤って商品を開封したとき、買い取りの義務はある?
子どもがお菓子を食べたくて店内で開封してしまうことは、子育て世帯にとってよくあることかもしれません。そのようなことがあった場合、必ず買い取りが必要なのでしょうか?
原則として、商品を買い取る義務というよりも、店に対して商品代金相当額の損害賠償責任を負う義務があります。
民法第709条によると「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とされています。開封した商品は売り物として店頭に出せなくなるため、店が商品の代金分の損害を被ったといえます。
そのため、子どもがお菓子の袋を開封してしまった場合は、損害を与えた商品の代金相当額を店に賠償する必要があります。その上で店側は商品を破棄する、もしくは損害を与えた相手に渡すかを選択することになります。商品がまだ食べられる状態の場合は相手に渡すことも多いでしょう。つまり実質的に商品を買い取る形になります。
子どもの責任は誰がとる?
法律上、未成年の子どもの責任は親がとらなければいけません。
民法第712条によると、「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」とされています。つまり自分がしていることの善悪がつかないくらい子どもが小さい場合は、子どもは責任を負う必要はないということです。
その一方で同法第714条において「責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定されています。ここでいう「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」とは、「子どもの親」のことです。
子ども自身に賠償責任が発生しない一方で、子どもの親は損害の責任を負わなくてはいけないということです。今回の質問のケースのように子どもが店の商品を開封し、売り物として扱えない状態にしたときは、親が賠償する必要があるでしょう。
金額にかかわらず誠意のある対応を
子育て中の親にとって、外出中のトラブルは避けられないといえるものでしょう。子どもが店の商品を傷つけると、保護者の監督責任が問われることがあり、原則として傷つけた商品を買い取るなどの対応が必要といえます。店側から寛大な対応を受けたときは、その厚意に甘えるのも良いでしょう。
しかし「子どものしたことだから許してくれるはず」「少額だから店に被害はないはず」などと考えていると、態度にも表れるものです。被害を与えた側がとるべき態度ではありません。まずはしっかりと謝罪して買い取りの意思を伝えるなど、誠意を見せることが大切です。
出典
e-Gov 法令検索 民法
執筆者:山田麻耶
FP2級
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