65歳以降も「働き続けたい」なら知っておきたい!「再雇用制度」と「勤務延長制度」はどう違う?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月16日 3時0分
少子高齢化が進む今、高齢者の労働者としての期待が高まってきているといわれています。 定年後も働き続けることを希望する高齢者が増え、再就職や再雇用など、働き方の選択肢も広がってきているのが現状です。高齢者が企業で働く場合の制度には「再雇用制度」と「勤務延長制度」と呼ばれるものがあります。 本記事では、企業が実施する再雇用制度と勤務延長制度について説明するとともに、両者の違いにはどのようなものがあるのかをご紹介します。
継続雇用制度とは?
以下では、デジタル庁e-GOV法令検索「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」を基に「高齢者雇用安定法」についてご紹介します。
【第九条】
定年の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置のいずれかを講じなければならない。
一:定年制の廃止
二:定年の引き上げ
三:継続雇用制度の導入
厚生労働省「令和5年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果を公表します」によると、高齢者雇用確保措置を実施している企業は全体の99.9%に上り、前年度からの変動はないようです。
「継続雇用制度」とは、本人が希望すれば定年後も雇用する「再雇用制度」などのことをいいます。さらに、令和3年4月からは「高年齢者就業確保措置」による70歳までの就業機会の確保が努力義務とされました。
定年を65歳以上70歳未満に定めている企業は、以下のいずれかの措置を講ずるよう勤めなければなりません。
・定年制の廃止
・定年の引上げ
・継続雇用制度の導入
・業務委託契約を締結する制度の導入
・社会貢献事業に従事できる制度の導入
高年齢者就業確保措置を実施している企業の割合は29.7%にまで増えており、継続雇用制度はどんどん広まりを見せているのが現状です。
「再雇用制度」と「勤務延長制度」との違いは?
継続雇用制度には、再雇用制度のほかに勤務延長制度と呼ばれるものがあります。勤務延長制度は定年で退職とせず引き続き雇用する制度のことで、再雇用制度との大きな違いには、退職金と雇用条件が挙げられます。
まず、再雇用制度を利用する場合、一度「退職」という形になるので退職金が支払われる可能性があるでしょう。一方、勤務延長制度の場合は「退職」という形にならないため、退職金は延長の際には支払われないと考えられます。
また、雇用条件についても再雇用だと嘱託社員や契約社員・パート・アルバイトなどとして雇用されることになる可能性があるでしょう。勤務延長制度だとそのまま雇用契約が継続されるため、労働条件を変更するには労使間の合意が必要です。
定年後の働き方としてはどちらがいいのか?
定年後の働き方としてどちらがいいのかは人それぞれですが、例えば退職金でローンを返済するよう計画している場合、勤務延長だと退職金を受け取れないため、困ることが出てくるかもしれません。
しかし、再雇用だと今より雇用条件が下がる可能性もあるため、そういった要素も考慮したうえで、定年後どうするかを考えていったほうがいいでしょう。
「再雇用制度」と「勤務延長制度」では退職金と雇用条件に違いがある
定年退職後の働き方として「再雇用制度」と「勤務延長制度」を利用する方法があります。
この2つには退職金や雇用条件の面で違いがあるため、それぞれの特徴を理解し、どちらが自分に合っているのかよく確認しておくといいでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します (4ページ)
デジタル庁 e-GOV 法令検索 昭和四十六年法律第六十八号 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律 第九条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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