今まで家計を支えていた夫が「60歳手前」で急逝。「専業主婦」だった私は年金を受け取れますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月26日 22時10分
「自身が年金を受け取る前に夫が亡くなり、今後どうすればよいのか分からない」という、専業主婦の方々は少なくありません。その中でも特に、将来の年金はどうなるのかと、不安である方は多いでしょう。 そこで、夫が60歳手前で亡くなった場合、専業主婦の年金はどうなるのか、簡単に解説していきます。
遺族年金を受け取れる可能性がある
夫に生計を維持されている専業主婦の妻は、所定の要件の下、遺族年金を受け取ることができます。夫が自営業者であり、国民年金のみに加入している場合は、遺族基礎年金を受け取れ、また、厚生年金に加入している場合は、遺族厚生年金を受け取ることができます。
ただし、遺族基礎年金の受給対象者は、子(原則、18歳になった年度の3月31日までにある子)のある配偶者または子となっています。必ずしも遺族年金を受け取れるわけではないことに注意してください。
とはいえ遺族年金は、支給要件や対象者をはじめ、複雑な仕組みとなっています。詳細については常に最新の情報を確認するようにしてください。
老齢年金も受け取れる
夫に先立たれた専業主婦の方々にとって、遺族年金に次いで関心の高い事項に、老齢年金があるでしょう。仮に「遺族年金が受け取れない」という場合も、自身の年金は通常どおり受け取ることができます。
専業主婦という場合、過去に正社員などで厚生年金に加入していたことのある場合を除いて、基本的には国民年金から老齢基礎年金を受給することになるでしょう。
ただし、遺族年金を老齢年金部分と併給するには、一定の制限がかかります。なぜなら、年金は「1人1年金」が原則となっており、支給事由が異なる場合でない限り、2種類以上の年金は受給できないようになっているからです。
老齢厚生年金と遺族厚生年金を受け取ることができる方の場合を例に挙げ、年金額の制限を具体的に見てみましょう。その際は自身の老齢厚生年金が優先され、遺族厚生年金は老齢厚生年金よりも高い場合に、その差額を受け取れるにとどまります。
老齢年金の併給が可能か、そして自分がどの年金を受け取れるかなども難しい部分です。この点についても確認を忘れないようにしましょう。
60歳までは年金保険料の納付義務がある
もう一つ忘れてはならないことに、年金保険料の納付義務があります。60歳より前に夫が亡くなり、遺族年金を受け取る場合であっても、少なくとも60歳までは年金に加入し、保険料を支払わなければなりません。
参考までに、令和6年度の場合、毎月1万6980円の国民年金保険料を支払う必要があります。年換算では20万3760円です。
国民年金保険料の額は、決して少ない額ではありません。夫の死後は遺族年金頼りで生活をしよう、と思う場合は、「国民年金保険料を少なくとも60歳までは支払いつづけなければならない」ということを念頭に置いて、計画を立てる必要があります。
まとめ
夫婦ともに60歳になる前に夫が亡くなったとしても、専業主婦の妻は一定の要件の下で、遺族年金を受け取ることができます。また、原則どおり65歳以降は、自身の老齢年金も受け取ることができます。
専業主婦にとって夫の死は、今後の生活を左右する重大な事項です。年金について不明なことがあれば、できるだけ早く年金事務所などへ相談することをおすすめします。
執筆者:柘植輝
行政書士
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
50歳で「年収500万円」です。老後に貯蓄を崩さず、専業主婦の妻と「年金だけ」で暮らすには何歳まで働けばいいですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月17日 4時40分
-
63歳の専業主婦です。夫が年金受給者でも「遺族年金」は受け取れますか? 68歳で年金を「3年」しか受け取れず死亡してしまいました…
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月14日 2時20分
-
夫を亡くした45歳妻、遺族年金のルールを知らず…月額13万円もらえるつもりが、年金事務所からの請求却下に呆然「なにかの間違いでは?」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月9日 11時15分
-
自営業の夫が死亡しても、52歳の妻の「遺族年金」はまさかの“ゼロ円”!? 保険料を払っていたのになぜ? その理由を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月30日 2時40分
-
「受給権」そのものが消失する場合も…必ず知っておきたい〈遺族年金〉が支給停止になる要件とは【相続実務士が救済策を助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月27日 10時15分
ランキング
-
1飲むヨーグルトが「乳酸菌バブル」でジリ貧の理由 市場は逆転寸前、かつての人気を取り戻せるか
東洋経済オンライン / 2024年5月19日 7時20分
-
2東京から新幹線…「新神戸」よりも、一駅先の「西明石」まで買った方がおトク!? JR往復割引「601キロ」のカラクリ
まいどなニュース / 2024年5月19日 8時2分
-
3ラーメン屋経営で地獄見たプロレスラーの気づき 川田利明が向き合う「お客様は神様です」の怖さ
東洋経済オンライン / 2024年5月19日 12時30分
-
4ローソン、コーヒーなどの「濃さ」選べる仕様に 背景に“客離れ”回避
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月19日 8時0分
-
5広がるタッチ決済乗車は訪日外国人観光客対応か 話題の「二重価格」が鉄道・バスに導入される可能性
NEWSポストセブン / 2024年5月19日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください