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アナリスト篠田尚子さんが注目する6本の銘柄とは?【新NISAおすすめ投資信託】

Finasee / 2024年5月8日 16時0分

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Finasee(フィナシー)

新NISAの「つみたて投資枠」でおすすめの投資信託は?

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJアセットマネジメント)

 

米国のほか、日本や新興諸国をも投資先に含む、文字どおり「全世界」の株式を網羅したインデックスファンド。効率よく世界中の株式市場に投資ができるので、長期積立投資を前提とするなら「最初の1本」としてもおすすめです。

「全世界株式」の名を冠するインデックスファンドは今や多数存在しますが、ベンチマークとして最も使われているのが、当ファンドのベンチマークでもある「MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス」。先進国23カ国、新興国24カ国で構成され、株式時価総額に基づいて各国のウェートが決まっています。指数全体に占める割合が最も高いのは米国で約63%、次いで日本の5.4%。新興国は全体の約10%に留まります。「全世界」といっても米国の存在感が大きいため、S&P500指数のインデックスファンドを既に保有している場合はあえて追加する必要はないでしょう。

コモンズ30ファンド(コモンズ投信)
「オールカントリー」における日本のウェートは6%未満と少ないので、力強い上昇を続ける日本株市場の動きをよりダイレクトに享受したいなら、個別の投資信託を取り入れることをおすすめ。当ファンドは、外部環境に強く、長期で安定した成長を続ける日本の企業に投資するアクティブファンド。30銘柄程度を厳選し、各企業との対話を通じて30年目線の長期投資を行う点が特徴。短期的な売買は行わない反面、投資妙味のある銘柄は適宜採用し、一定の組み入れ比率に到達した時点で採用理由とあわせて月次レポートで公表しています。

あくまでも長期目線での収益獲得を目標としているため、短期的な結果を追い求める人には向かないでしょう。組み入れ銘柄の透明性の高さも含め、安心して長く保有できるファンドを探している人向けで、実際の運用成績も長期の方が安定しています。また、当ファンドでは「よりよい世の中を次世代へつなげる」というコモンズ投信の理念を体現すべく、信託報酬の一部を社会起業家に寄付するという取り組みも行っています。

iTrustインド株式(ピクテ・ジャパン)
日本株と同様、インドも、「オールカントリー」に占めるウェートは2%未満に過ぎず、将来的な成長に期待するなら個別の投資信託で取り入れることをおすすめ。先進国ほど株式市場が成熟していない新興国は、ガバナンス面で不安が残る企業もあります。実際に、2023年初旬には新興財閥アダニ・グループの不正疑惑が露呈したことからグループ各社の株価が急落し、インド株式市場全体の混乱を招きました。

こうした背景もあることから、個別企業をしっかり選別するアクティブファンドを検討してみては。当ファンドはインドの株式市場に上場する企業を投資対象としていますが、実際の組入れは25程度と、銘柄を厳選。新興国株式ファンドは総じて信託報酬が高い傾向にありますが、当ファンドは運用を外部に委託せずに自社で完結し、さらにネット専用販売とすることで信託報酬を抑えています。つみたて投資枠対象の唯一のインド株ファンドでもあり(2024年5月1日時点)、資産形成に取り入れやすい点もポイント。

新NISAの「成長投資枠」でおすすめの投資信託は?

iFreeNEXT NASDAQ100インデックス(大和アセットマネジメント)
米国の「NASDAQ100指数」に連動した投資成果を目指すインデックスファンド。NASDAQ100指数とは、米国のナスダック市場に上場する銘柄のうち、金融以外のセクターで流動性が高く、時価総額の大きい上位100銘柄で構成される指数。上位構成銘柄はS&P500指数にも採用されているハイテク企業が中心のため、一見するとS&P500指数との違いが分かりにくいですが、S&P500指数が「四半期連続で黒字維持」という採用条件を課しているのに対し、NASDAQ100指数にこうした基準はありません。

赤字企業でも資本やキャッシュフローの基準を満たせば指数に採用されるため、指数そのもののリスクは大きいといえます。将来の成長に期待して、テクノロジー関連株中心に投資したいなら、「全米株式」やS&P500の代わりにNASDAQ100を取り入れても良いでしょう。成長投資枠での積立投資がおすすめのファンドです。

One国内株オープン(アセットマネジメントOne)
「自由演技」という愛称のとおり、市場環境に応じて、時価総額の大きい大型株だけでなく、成長途中の小型成長株なども柔軟に組み入れる点が特徴の日本株のアクティブファンド。株式市場全体が右肩上がりの好況期は景気に敏感な大型株中心で運用を行い、反対に株式市場の調整局面では、底堅さを発揮する小型成長株の組入れ比率を高めるなどの調整を行います。この結果、10年以上にわたり、ベンチマークである東証株価指数(TOPIX)を恒常的に上回る良好な成績を収めています。

日本株ファンドに投資することのメリットの1つは、自分で直接的な為替リスクを負わなくても、投資先の企業が為替リスクを負ってくれる点にあります。S&P500や「オールカントリー」などのインデックスファンドは、円安進行による為替差益がリターンの大部分を占めている状態にあるため、リスク分散の観点でも日本株はおすすめ。また、いずれ成長投資枠で個別株投資に挑戦してみたい方の銘柄選びの参考にも。一括投資、積立投資のどちらでも良いでしょう。

ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)(ピクテ・ジャパン)
金の現物に投資し、米ドル建ての金価格の値動きをおおむねとらえることを目指すファンド。金関連のファンドはETF(上場投資信託)を通じて間接的に金価格の値動きを享受するものが多いですが、当ファンドは現物に投資している点に大きな特徴があります。金投資というと、「価格が下がった時に買って、上がった時に売る」ことをイメージする方が多いですが、ポートフォリオの緩衝材としての機能に期待して、最大で30%程度組み入れておくことをおすすめしたいですね。

同じ運用方針を掲げる姉妹ファンドとして、「為替ヘッジあり」も展開されています。一般的に、金価格は米ドルと反対の方向に動くとされ、金価格が上昇すると米ドル安・円高方向に、逆に金価格が下落すると米ドル高・円安方向に振れる傾向にあります。ですので、理論上は、「為替ヘッジあり」を選択することで為替変動による負の影響が取り除かれるとされています。ただし、現在のマーケット環境はこの理論どおりの動きにはなっていないため、金の価格をダイレクトに享受したい場合は「ヘッジなし」を選択しても良いでしょう。一括投資、積立投資どちらにも向くファンドです。

新NISAを始めたい人、始めたけれど不安な人へメッセージを…

NISA口座を開設したり、投資信託の積立設定をしたりすることは、あくまでも資産形成のスタートであってゴールではありません。時間をかけながら資産を積み上げ、さらにどう効果的に使っていくかについて考えることも、資産形成の大切なプロセスの1つです。特に新NISAでは、保有商品を売却すると非課税枠が翌年に「復活」するため、お金を「使いながら増やす」ことが可能になりました。多様な商品が選択肢に加わったこともあり、ただ機械的に積み立てるだけでなく、ぜひ投資先について理解を深めたり、お金を使う楽しみを実感したりしながら資産形成に取り組んでください。

楽天証券資産づくり研究所 副所長 兼 ファンドアナリスト 篠田 尚子氏

 

慶應義塾大学卒業後、国内銀行を経て2006年ロイター・ジャパン入社。傘下の投資信託評価機関リッパーにて、投信業界の分析レポート執筆、評価分析などの業務に従事。2013年、楽天証券経済研究所入所。日本には数少ないファンドアナリストとして、評価分析業務の他、資産形成セミナーの講師も務めるなど投資教育にも積極的に取り組む。近著に『【2024年新制度対応版】NISA&iDeCo完全ガイド』、2024年4月に新刊『FP&投資信託のプロが教える新NISA完全ガイド』を刊行(ともにSB クリエイティブ)。

 



 

Finasee編集部

「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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