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Jリーグ史上2度目の快挙に現実味 J1昇格3チームが大健闘…三者三様の“武器”と“伸びしろ” 【コラム】

FOOTBALL ZONE / 2024年5月8日 7時20分

■エース不在を補いJ1首位を走る町田、J1随一の若い陣容で良質な試合を見せる東京V

 今年のJ1では、昇格組の健闘が目立っている。昨年はJ2から3チームが昇格したのに対し、J1からの降格は1チームだけだったので、本来なら上位カテゴリーでの経験値が不足する昇格組は、とりわけ序盤戦では苦戦を強いられても不思議はなかった。

 ところが約3分の1の第12節を終えた時点で、首位に立つのは昨年J2を制したFC町田ゼルビアで、昇格組同士の一戦で競り勝った東京ヴェルディが10位に浮上。また敗れたジュビロ磐田も13位につけている。

 昨年に引き続き今年も大幅にメンバーを入れ替えて補強を進めた町田のスタートダッシュは、ある程度は予想ができた。極力速くゴールに迫り高い強度を貫くスタイルはすでに昨年ヴィッセル神戸が成功例を示しており、さらに町田はエースのエリキが不在でも十分に補えるだけの多彩なアタッカーを揃えている。

 一方東京Vや磐田は、昇格しても町田のように大胆な戦力補強は望めなかった。だが代わりに積極的に若い選手を抜擢し、身の丈に合った補強や既存の戦力の再生など工夫を凝らしながらチーム力を引き上げている。

 特に東京Vは昨年J2を3位でフィニッシュ。J1昇格プレーオフの末に辛くも清水エスパルスと引き分けて昇格を果たした。ちなみにJ2の昇格プレーオフは2012年に始まり過去に3チームが昇格を果たしたケースは7度あるが、最初の4年間は連続して3番手の昇格チームが翌年のJ1では最下位に終わっている。

 だが東京Vは山田楓喜、木村勇大、染野唯月、山見大登などレンタル選手を巧みに活用しながら、毎試合潜在能力を最大限に引き出し、強豪相手に一歩も引かない良質な試合を続けてきた。確かにリーグ最多タイの7引き分けと、城福浩監督が心底勝ち切れなかったことを悔やむ試合が続いたが、むしろJ1随一の若いメンバーでそれだけのパフォーマンスを継続できたことは、そのまま大きな伸びしろを残している可能性がある。

■着実に代謝を図る磐田、「やりたいこととやれることの折り合い」をつけながら成長中

 逆に第12節の磐田戦は「反省点が多い。胸を張って何かを言える心境ではない」(城福監督)内容だったが、ツキも味方にホーム初勝利を飾っており、こうした勝ち点を拾い上げられるようになれば目標の「J1で驚きを与える」(同監督)結果が付いてくるかもしれない。

 またこの試合では不運が重なり敗れた同じ昇格組の磐田も、着実にJ2時代からはステップアップしている。個々が距離感を狭めてサポートに入り丁寧なビルドアップを試みる一方で、サイド攻撃にも特徴があり、中央には今年ブレイクしたジャーメイン良とマテウス・ペイショットという強力なターゲットを擁する。

 東京V戦では、2点をリードされた前半も相手陣内で連続してセカンドボールを拾い波状攻撃を仕掛けるシーンもあり、横内昭展監督も「思いどおりのことを出せた回数が多かった」と振り返る。さらに追いかける展開の後半は、右にブルーノ・ジョゼ、左に古川陽介を送り込み、一気に15本のクロスを畳みかけて1度は追い付いた。そのまま後半40分にはPKを獲得したので、ここでジャーメインが決めていれば決着の流れだったが失敗。逆に後半41分にリカルド・グラッサが相手の決定機を阻止しようとして受けたレッドカードが大きく響いた。

 しかし磐田も着実に代謝を図りながら「J1で戦ううえで、やりたいこととやれることの折り合いをつけて」(横内監督)成長中。ここまで17失点(ワースト5位タイ)のDFが手薄な感は否めないが、攻撃面では明白な武器もあり、再建への道筋は誤っていないように映る。

 もしJ2から昇格した3チームが揃って残留を果たせば、2017年のセレッソ大阪(3位)、北海道コンサドーレ札幌(11位)、清水(14位)以来、2度目の快挙となる。(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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