「スピードで相手を翻弄できる」高川学園FW行友祐翔が右サイドバックとして攻守両面で躍動。欧州挑戦中の兄に近づく
ゲキサカ / 2024年4月2日 10時22分
昨年の選手権予選では10番を背負っていたストライカーが現在、右サイドバック(SB)のポジションでスケール感の大きなプレーを見せている。高川学園高(山口)DF行友祐翔(新3年=プラシア山口ジュニアユース出身)は、50m走5秒台のスピードスター。第14回PUMA CUP ㏌ SAKAI U-17(3月25日~28日)ではその武器で違いを生み出していた。
三浦学苑高(神奈川)戦では試合終了間際に同点ゴール。続く草津東高(滋賀)戦は前半21分に対峙した相手選手を瞬間的な速さで剥がして前進し、スルーパスを通す。これで抜け出したMF中津海蓮恩(新3年)のラストパスが相手オウンゴールを誘発。行友のスピード、突破力がゴールに結びついた。
オーバーラップした際のスピード、迫力は群を抜く。スペースがあれば1つのフェイントで簡単にDFを突破。また、ハイサイドへの配球にも快足を活かして追いつき、クロスを上げ切っていた。
元々FWだったため、「点を取りたい」「上がりたい」という欲求はあるという。だが、やみくもに攻め上がるのではなく、周囲の特長を活かしながら、自分が勝負に行く際はやり切る考えだ。草津東戦も後方でタイミングを見計らい、ここぞの場面で武器を発揮。「上がるタイミングとか最近分かってきて。上がった時にはちゃんと点に絡めるようになってきてるんで、それは続けていきたいです」と頷いた。
まだまだSBの難しさを感じているという。「(攻め上がった際に)カウンターとかされる時があるんで。(監督の)江本(孝)先生に上がった後の戻りのスプリントだったり、結構ずっと言われています」。この日は守備対応で遅れるシーンも見られたものの、戻りのスプリントを意識していたほか、快足を活かしてセンターバック(CB)の背後もカバー。行友はサイドでのボールを奪う力やビルドアップ、崩しのパス、ヘディングのセンスも示し、江本孝監督もその守備範囲の広さや攻撃力について高く評価していた。
行友は新シーズンへ向けて「最初は、FWしたいなとか思っていました」と明かす。だが、先輩ドリブラーのMF大下隼鋭(現産業能率大)が右SBへのコンバートで活躍したこともあってチャレンジ。自身も右SBの感触を掴み、チーム事情も考慮してSBでの挑戦を継続することを決めた。
「高川では1番速い自信がある。スピードで相手を翻弄できるところ」はSBとしての一番の強み。コンバート当初から比べると、1対1や背後の対応も向上したという手応えを掴んでいる。「色々な相手とやるにつれて、自信がついてきた。これから多分、大学の練習も、プロにも行けると思うんで。(FWをやりたいという気持ちもあるが、将来を考えて)サイドバックもいいかなと思っています」。DFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)のスピードの活かし方や攻撃参加のタイミング、クロスを参考にプレー。今はまず、SBのポジションでアピールする。
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