「あ、痩せた?」…ほめたつもりが“ハラスメント”になることも。〈伝わるほめ言葉、伝わらないほめ言葉〉の決定的差
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月28日 7時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
人によって価値観は異なります。「ほめた」つもりであっても、相手にモヤモヤを残したり、意図せず傷つけてしまったりすることも…。どのようにほめれば、相手に悪くとられることなく、気持ちが伝わるのでしょうか? 齋藤孝氏の著書『「表現力」に差がつく!12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、見ていきましょう。子どものみならず、大人の表現力やコミュニケーション力の向上にも役立つ内容です。
「ほめた」つもりが、相手はモヤモヤ…を防ぐために
「背が伸びた」「体が大きくなった」「ほっそりした」といった体の特徴や変化が気になるからといって、相手に何かを言ったり聞いたりするのは、とても失礼なことなんだ。
大人の人間関係でも、相手をいやな気持ちにさせる、傷つけるような言葉を使うことは「ハラスメント=嫌がらせ」と呼んで、しないように注意し合っているんだよ。
髪型は、相手が変えたことを周りに言っているのなら、「変わったことに気づいた」を伝えてあげよう(⇒関連記事:『知人の「髪、バッサリ切った!」にどう返す?…コミュニケーション強者が「絶対言わない」NG発言』)。
【伝えるときのポイント】相手の変化に気づき、挑戦をほめよう
髪型は自由に変えられるから、気分転換や新しい自分を表現して楽しむこともできるよ。髪型の変化しだいでは、その人の印象が大きく変わることがあるよね。その変化におどろいたり質問したりせずに、まずは変化に気づいたことやチャレンジ自体に「いいね!」を送ってみよう(図表2)。
●あいまいな言葉はNG
⇒「なんか変わったね」「髪型変えたんだ。いいんじゃない?」のようなあいまいな言い方をすると、相手は「本当はどう思っているのかな」「へんなのかな」と不安になってしまうよ。
●「ポジティブな印象」を伝える語彙を増やそう
⇒「かわいい」「かっこいい」以外にも、優しそう、頼もしい、大人びている、スタイリッシュなど、ポジティブな印象を表現する語彙はたくさんあるよ。周りの人が使っている言葉にも、普段からアンテナを張っておこう!
例:「いつもと違う」をほめ言葉として伝えるには?
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<シチュエーション①>
普段は陽気なサルさんが、運動会の応援団長に選ばれました。キリッとした表情で練習にはげむ姿をカッコイイと思ったウサギさんですが、「いつもと違う」をどうほめていいのか悩んでしまいます。
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【シチュエーション①の解説】
自分でも「いつもと違う」と思っていることを、他の人からあれこれ言われるのが苦手な人もいるよ。相手がどう感じるかは言葉をかける前に一度考えてみようね。その上で「今の姿もいい」と伝えてみよう(図表3)。
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<シチュエーション②>
いつもはおおらかな友達が、とても繊細な心配りをしながら、理科室のメダカの世話をしているところを見かけました。新たな一面を発見して、とてもステキだなと思ったことを伝えたいです。
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【シチュエーション②の解説】
人にはいろいろな側面があるね。クールな人がみんなともりあがることもあれば、おもしろいキャラの人が真剣に発表することもある。「いつもと違う」ではなく「そういうところもステキ!」と思える視点を持ちたいね(図表4)。
齋藤 孝
明治大学文学部教授
1960年静岡県生まれ。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『語彙力こそが教養である』『小学3年生から始める! こども語彙力1200』(いずれもKADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)、訳書に『現代語訳 論語』(ちくま新書)、『12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』『12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』『12歳までに知っておきたい読解力図鑑』(いずれも日本能率協会マネジメントセンター)など多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。
外部リンク
- 「やばい!」「えぐいわ~」「はぁ、だる」…つい使ってしまう“この一言”。語彙力のある人はこうやって言い換えます【解説:齋藤孝氏】
- 知人の「髪、バッサリ切った!」にどう返す?…コミュニケーション強者が「絶対言わない」NG発言
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