本宮泰風&山口祥行、「日本統一」のさまざまを見守り続けた10年 海外初進出も果たし目指すは「100作」
クランクイン! / 2024年4月7日 8時0分
本宮泰風が主演を務め、山口祥行と共演する大人気任侠シリーズ「日本統一」。その10周年記念作品第1弾となる映画『氷室蓮司』が、4月12日より全国順次公開となる。台湾を舞台に、「日本統一」らしさがありながら、従来のレギュラーシリーズとはまた違う顔もある本作の見どころを、“阿吽の呼吸”の本宮と山口に語ってもらった。
◆今まで見たことのない“氷室蓮司”の姿が新鮮
本作は、侠和会若頭・氷室蓮司としてではなく、今まで描かれて来なかった氷室蓮司の父親という側面に焦点を当てた任侠アクション。台湾を舞台に、極道界の頂点を目指す男が、拘束された息子の写真が届き、仲間の制止を振り切って救出に向かう。監督・主演は「日本統一」そのままに、辻裕之、本宮が務め、脚本は監督の辻自ら筆を執る。本宮、山口のほか黒羽麻璃央、本田広登、喜矢武豊、具志堅用高、松本若菜らが顔をそろえ、『幽幻道士』のヒロイン・テンテン役で一世を風靡したシャドウ・リュウが、台湾で氷室を見張る刑事役として出演することも話題を集める。
ある夜、沖縄にある黒龍幇のアジトでは、田村(山口)と石沢、翁長が突撃の時を待っていた。一方、同じアジトの裏には、氷室(本宮)と台湾人通訳・李の姿が。銃撃戦の末、黒龍幇を倒した侠和会。石沢と共に東京へ戻っていた氷室だったが、突然携帯に「I’m waiting for you. Come alone.(お前を待っている。1人で来い。)」というメッセージと、猿ぐつわを嵌められ椅子に縛り付けられた氷室の息子・悠太の写真が届く。動揺を石沢に悟られぬよう元妻・涼子に電話をする氷室。悠太は高校の修学旅行で台湾にいると知った氷室は、石沢の制止を振り切り、1人台湾へ飛び立つのだった…。
――今回、台湾が舞台となった経緯を教えてください。
山口:いろいろ候補はあったもんね?
本宮:あった。海外でやろうというのがテーマで、距離的な問題や、自分たちの知り合いがいるから協力してもらえるだろうということから、台湾になった感じです。
――海外が舞台になるのは初めてということもあり、大変なことも多かったのではないでしょうか?
本宮:暑いから体調を崩したり、メイクさんが食べ過ぎて太っちゃったり(笑)。
山口:雨にもやられたって聞いた。
本宮:そうそう、ちょうど俺たちが台湾に行ったと同時に、台風がきてしまって。でも、それでも止まらないのが「日本統一」なんです。
山口:ほんと、強靭な精神を持っているスタッフたちが多いから心強いですね、どこへ行っても。
――本作で家族を巡るストーリーを1つの柱として据えられたのは、何か特別な思いがあったのでしょうか?
山口:これは「日本統一」のレギュラーシリーズで、“ひとりの男”として描かれた氷室の家族部分の伏線回収だね。
本宮:そうですね。家族の話が序盤のほうから急に出なくなってしまったので、その伏線回収ということも1つのテーマで制作しました。
――父親の顔の氷室、言葉の壁にいつもの調子が出ない氷室、さらには女性刑事とバディ的な動きを見せる氷室など、いろいろな氷室蓮司を見ることができて新鮮で、侠和会若頭・氷室蓮司としてではない、1人の男・氷室蓮司の姿が印象的でした。
山口:俺たちが言いたいこと、全部言われちゃったね。
本宮:うん、そういうことです(笑)。
山口:「日本統一」ファンの方やこれから初見で観る方にも、氷室蓮司という男はこういう男であるということを見せたかったんですよね。
◆黒羽麻璃央、『幽幻道士』“テンテン”ら多彩なキャストが新参戦
――本作には、黒羽麻璃央さんが初参戦されます。黒羽さんの印象はいかがでしたか?
山口:麻璃央はね、踊りもできるし歌も歌えて…。
本宮:それは最近舞台を観てきたからだろ?(笑)
山口:(笑)。顔もイケメンでお芝居も上手だし、爽やかな好青年で素敵な方でしたね。
本宮;あのビジュアルなのに、すごく男っぽいところもあって。もちろん芝居も器用だし、好青年だったよね。気も遣えるからすぐに現場に溶け込んでいました。今30歳くらいで、これから渋い俳優になっていってほしいし、きっとなるんだろうなと思います。
――ほかにも今作には、松本若菜さんや具志堅用高さんもご出演されています。
本宮:具志堅さんとの共演は楽しかったですね。家が近所なんで、今度ご飯に行こうと約束しました(笑)。
山口:いつものバラエティ番組やボクシングの解説での具志堅さんとはまた違う一面が見れましたね。
本宮:セリフがいっぱいだったんで大変そうでした。
山口:若菜さんは、声だけでも女優としての色気があって、さすがでしたね。
本宮:急に氷室の奥さんとして作品に参加するって大変だなと思うんです。そんな中、共演者の誰とも会わずに、スタジオに入って声録りをして。いろいろ不安だったと思うけど、頑張ってやってくれました。
――さらに、『幽幻道士』でテンテン役のシャドウ・リュウさんの出演も世代的に胸アツでした!
本宮:台湾を舞台にやろうと決めて、かなり早い段階でシャドウさんが出てくれそうだと聞いたので、この役はシャドウ・リュウさんにお願いしようと早めに決めていました。
山口:俺たちの世代で観ていたテンテンの時は子役のイメージがあったけど、大人の女性としてしっかり地に足が着いた感じでびっくりしました。
本宮:女優さんだけじゃなく、ボランティア的な社会活動もしていて素敵な女性でした。
◆スタッフ、キャストのいろいろなことを見守ってきた10年
――台湾の街並みに佇む氷室が本当にかっこよかったです。
本宮:ありがとうございます! 次はインドネシアに行きます!(笑)
――今回田村は台湾に行けずお留守番でしたが、もし今後映画『田村悠人』が制作されるとしたら、どんなストーリーがいいでしょうか?
山口:ラブストーリーですよ。未来から来る女性に恋をして、田村も過去に行ったり…。
本宮:相手は妖精とかでもいいんじゃないですか?
山口:いいですね~。時空も人種も超えたファンタジーラブストーリーでお願いします(笑)。
――2013年にスタートした「日本統一」も10周年を迎えられました。
本宮:長いような、あっという間だったような感じですね。10年って長いので、もう亡くなったスタッフもいますし、かと思えば、山口さんも50歳を過ぎて…。
山口:体にガタがきて。
本宮:みんな、そうですね。小沢(仁志)さんも頭真っ白になっちゃったし。メイクさんも8キロくらい太ったらしいですし。
山口:振り返るといろんなことがありました。
本宮:10年の間にはいろんなことが肉体的にも精神的にもありましたね。
山口:でも、若い子たちもね、大人になってきているというか、育ってきて。親戚のおじさん的な目線でみれる10年でもありました。
本宮:スタッフ、キャストのプライベートも込みで、いろんなことを見守ってきた10年でしたね。
――昨年は「日本統一 関東編」が連続ドラマとして地上波で放送されました。今までとは違った反響は感じられましたか?
山口:感じたよね。
本宮:テレビっ子たちが騒いでましたね。実際に放送されている時に見たんだけど、違和感がよかったよね。
山口:やっぱり任侠物オリジナル作品が地上波で流れるってことは、感慨が深いものがありました。
――レギュラーシリーズも「日本統一 61」がリリースされました。これから「日本統一」をどのような作品にしていきたいという思いがありますか?
本宮:100まで続く作品。
山口:「日本統一ハンドレッド」! いいですね~。でも100作で終わるんですかね? 泰風さんも僕も引退して、プロデューサーも監督も代替わりして「日本統一1260」とか。
本宮:今関わっている人、誰もいなくなってる(笑)。怖いですね~。でもそれくらいの作品になってほしいですよね。
(取材・文:近藤タイスケ 写真:高野広美)
映画『氷室蓮司』は、4月12日より新宿バルト9他全国順次公開。
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