刺青絵師・毛利清二氏の展覧会を京都で開催 高橋英樹「毛利さんの刺青は他の誰よりも秀逸」
東スポWEB / 2024年4月27日 9時27分
東映京都撮影所で40年以上にわたって刺青絵師として活動してきた毛利清二氏の展覧会「毛利清二の世界 映画とテレビドラマを彩る刺青展」が、5~7月に京都市のおもちゃ映画ミュージアムで開催される。
現在94歳で京都在住の毛利氏は「昭和残侠伝」(4作目以降)、「緋牡丹博徒」、「仁義なき戦い」、「遠山の金さん」シリーズなど、数多くの作品を手がけた。毛利氏が独自に編み出した技術と特殊な絵の具によって、高倉健さんや鶴田浩二さん、藤純子、高橋英樹、松方弘樹さん、松平健、高島礼子などのスター150人以上、のべ2000人以上の俳優に刺青を描いたという。
今回の刺青展では東映太秦映画村・映画図書室が協力し、毛利氏による刺青下絵、東映株式会社、東映太秦映画村、山本芳美氏らが所蔵する写真、脚本、ポスターなどを映像も交えて、2期にわけて展示。展示品は、1960年代から2000年代にかけての時代を象徴する映画、テレビ時代劇ならびに映画産業の一級資料で、毛利氏の活動を俯瞰する貴重な企画展となる。
開催期間は第1期が5月1日~6月16日で、60~70年代の映画の資料を展示。第2期は6月19日~7月28日で、80年代以降の映画の資料を展示する。テレビドラマ作品は1、2期ともに展示されるという。開館時間は10時30分から17時。月、火曜は休館となる。入場料は1000円(現金のみ)。18歳未満は入場できない。
展覧会開催に向け、毛利氏に刺青を描いてもらった高橋英樹が次のようなコメントを送った。
「日活にいたころから毛利清二さんの描く刺青の美しさに惹かれていました。毛利さんの刺青は他の誰よりも秀逸で、まるで着物の図柄のような繊細なデザインと鮮やかな色使いは研究熱心な毛利さんならではのものでした。任侠映画が全盛期の1960年代~1970年代は安保闘争が起き、人のために命を落とすことを美徳とするような空気感が社会にありました。任侠映画はそのような時代背景の中で生まれ、登場人物の背中に描かれた刺青は、弱きを助け強きをくじき、義のためには命も惜しまないといった生き方の象徴だと思います。現代の若者には考えられないような生き方かも知れませんが、映画の中の刺青に古き良き日本を感じますね。この展覧会で日本の伝統的文化ともいえる『映画の刺青絵』を多くの皆さんに見てもらい後世に残すことができたら、とても素晴らしいことだと思います」
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