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「ハイチュウ→HI-CHEW」になってどうなった? 意外な人に売れた秘密

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月9日 9時5分

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「ハイチュウ→HI-CHEW」になって、どうなった?

 グリコのポッキー、ヨックモックのシガール、ブルボンのアルフォート――。一度は食べたことがある人も多いかと思うが、ある共通点がある。「海外でも売れている」ことだ。このほかにも海を渡って現地の人に愛されているお菓子はたくさんあるが、筆者が気になったのは森永製菓の「ハイチュウ」である。

 「ハイ、ハイ。それどこかで聞いたことがあるよ。米国の大リーガーがよく食べているとかで人気に火がついたよね」と思われたかもしれないが、その通りである。ハイチュウは1975年に生まれて、今年で49歳。グレープやストロベリーなど20種ほど展開していて、現在30以上の国と地域で販売している。

 ハイチュウが海外展開を始めた歴史をさかのぼると、20年以上前の話になる。2000年に台湾で販売して、その8年後に米国に上陸。同社の決算説明資料を見ると、米国での売上高(2022年度)は146億円で前年比138.9%。販売店率(商品が販売されている店数の割合)は70.0%→77.4%に伸びていて、好調に推移している。

 海外でも特に米国での人気が止まらないようだが、同社は今年の2月に大きな決断をした。ブランドロゴをカタカナの「ハイチュウ」から英語表記の「HI-CHEW」に変更したのだ。このニュースは話題になっていたので「知ってる、知ってる。何をいまさら?」などと思われたかもしれないが、個人的に気になっているのは“その後”である。

 英語表記にした理由について、森永製菓は「ハイチュウは日本だけでなく広く海外でも親しまれている。たくさんの方に愛されているグローバルブランドを目指す」というが、ここはジャパンである。50年近く親しまれてきた「ハイチュウ」をわざわざ英語に変えることで、売り上げが「ハイ→ロー」になってしまっては、元も子もない。

 では、変更後の売り上げはどのように推移しているのか? 気になる答えを紹介する前に、英語になった経緯について紹介しよう。

●「英語とカタカナの両論併記」で決着

 海外で販売されているハイチュウは、どのような言葉が使われているのか。英語圏、スペイン語圏、中国語圏など、その国・地域によって違うのかなと思いきや、日本以外では「HI-CHEW」である(ロゴに並列して現地の文字を記載しているモノもあり)。海外での売り上げが伸びていく中で、社内からはこのような声があった。「外国人観光客も増えているので、何か手を打つ必要があるかも。商品が店頭に並んでいたら、すぐに気づいてもらいたいよね」と。

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