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「完敗ですね」しゃぶ葉の担当者が語る 素人の“だし”が「5.3倍」も選ばれた理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月16日 6時30分

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しゃぶ葉の「だし」が話題に、なぜ?

 野球部、サッカー部、水泳部……帰宅部もあったような。学生時代にスポーツや音楽などの部活動にチカラを入れていた人も多いだろうが、「しゃぶしゃ部」をご存じだろうか。

 「なんだよそれ。ひょっとして、しゃぶしゃぶを楽しむクラブなの?」などと思われたかもしれないが、100点満点で言えば「20点」といったところ。答えは、すかいらーくレストランツ(東京都武蔵野市)のしゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」が運営しているファンコミュニティーのことである。

 2023年6月、ロイヤル顧客プラットフォーム「coorum(コーラム)」を手掛けるAsobica(アソビカ)と組んで、「しゃぶしゃ部」を立ち上げる。コーラムの特徴は、コミュニティーの運営や顧客の嗜好(しこう)などを分析できること。今回のケースでいえば、オンライン上で「しゃぶ葉の担当者と部員がつながる場」を提供している。

 しゃぶ葉のスタッフと部員が新しいメニュー開発に取り組み、「博多豚骨だし」を完成。豚骨・鶏がらエキスに魚醤(しょう)を合わせただしを提供したところ、どのくらいの反響があったのか。商品選択率を見ると、過去のフェアと比較して「5.3倍」もの数字をたたき出したのだ。

 しゃぶしゃ部とはどのような組織なのか、どのような活動をしているのか、商品はどのようにして生まれたのか。その秘密を紹介する前に、しゃぶ葉に行ったことがない人もいると思うので、簡単にお店のことを紹介しよう。

 同店が誕生したのは、2007年のこと。しゃぶしゃぶ食べ放題の専門店として、全国に282店(2024年3月31日現在)を展開している。お肉だけでなく、野菜、カレー、めん類、スイーツなどが食べ放題になるコース(大人平日昼1539円~、夜1979円~。一部店舗によって違う)があって、このほかに薬味やタレなどもバイキングスタイルで楽しめるようにしている。

 ファミリー層や若い女性に人気の飲食店であるが、なぜオジさんが好みそうなダジャレをきかせた「しゃぶしゃ部」を立ち上げたのか。きっかけは、新型コロナの感染拡大である。ご存じのとおり、しゃぶしゃぶは1つの鍋を複数の人が食べるので「ひょっとしたら感染するかも」と不安を感じる人が増え、客数が減少した。

●入部にあたってハードルを設定

 そして、アフターコロナである。お客がどんなことを考えているのか、どんなメニューを期待しているのか。「コロナ禍前の顧客データは当てにならない」と感じていた店の担当者は、SNSなどを使って“生の声”に耳を傾けていたが、なんとなく「こんな感じかな」といったふんわりとした感覚にとどまっていた。

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