[清谷信一]【自衛隊は空中給油機活用を見直せ】〜その高い費用対効果〜
Japan In-depth / 2015年7月3日 19時12分
少なくとも空自の保有する全C-130Hに空中給油機能を付加させるべきだ。海自は近年中古のKC-130Rを3機調達したが、給油機能を外している。統合作戦を視野にいれるならば、これも復活させるべきだ。
空自では現在開発中のC-2にもプローブ・アンド・ドローグ方式の給油装置を装備すべきだ。輸送機を空中給油機として使用する場合、当然ながら輸送機としては使用できず、その分輸送機の調達を増やす必要がある。輸送機、空中給油機のポートフォリオを検討舌上で輸送機の数を増やすべきだ。
ただ搭載量の大きいC-2を空中給油用に使用するならば貨物運搬能力が大きく減じることになる。またC-2は調達価格が高騰しており、調達機数が大幅に削減される可能性がある。そしてなによりも開発が遅延しており、戦力化も遅れている。
効率を考えるならばC-2より安価で既に入手可能なC-130Jや、あるいはより小型のC-27Jあたりの導入も検討する必要がある。またエンブラエルが開発中で、C-130よりも若干大きい新型機、KC-390も候補となるだろう。現用のC-130Hは既に老朽化しており、これらに空中給油機能を付加するにしても併せて近代化、延命化が必要である。
また併せて先述のようにC-130の最新型であるC−130J、KC-390、C-27Jなどの調達が必要だろう。むしろC-2を増やすよりもこれらの戦術輸送機を増やすべきだ。適切な空中給油機の導入は戦闘機などの作戦用航空機の定数を増やすよりも費用対効果が高い。是非とも検討すべきだ。
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