韓国従軍慰安婦問題、闇に消えた歴史的スクープ~ベトナムにあった韓国の慰安所~
Japan In-depth / 2016年1月10日 23時0分
韓国がベトナムに組織的な従軍慰安所を設けていたという歴史的スクープが週間文春の2015年4月2日号に突然掲載された。 歴史的スクープをもたらしたのは元TBSワシントン支局長の山口敬之氏だ。
山口氏はアメリカの公文書を丹念に調べ上げ、サイゴン(現ホーチミン)に韓国の従軍慰安所があったことを知った。公文書には「この施設が韓国軍による韓国兵専用の慰安所である」と断定されている。 とはいえ、文章だけでは報道に足る情報ではないので、山口氏は関係者に接触しインタビューを試みた。
元海兵隊の歩兵部隊長のアンドリュー・フィンライソン氏は「韓国軍の慰安所は確かにサイゴンにありました、よく知っています」との言質を取っている。その他にも多方面からの情報が週刊文春には書かれている。これによって山口氏は従軍慰安所の存在を確定的なものにした。
山口氏がTBSの社員であるため本来、この歴史的スクープはTBSで報道されるべきだが、山口氏の再三にわたる報道要請にもかかわらず、TBSは報道を見送った。ジャーナリストであれば、誰でも取材結果は報道したい。歴史的なスクープであれば尚更だ。結果、「週刊文春」でのスクープ記事となった。
しかし、残念なことに週刊誌とテレビでは伝える力の差が歴然であり、このスクープは知る人ぞしるスクープとなってしまった。しかも山口氏は「週刊文春」への記事掲載の後、懲戒処分を受けローカルタイム営業部へと左遷されている。
山口氏は自身のフェイスブックで「会社が私の取材成果を報道しなかった真意は、私にはわからない」と繰り返し、「事実は揺るぎなく、世に知らしむべきニュースと考えて公表に踏み切りました」と説明している。
「週刊文春」のスクープ記事は韓国国内でも注目され、ハンギョレ新聞(日本語電子版)は4月25日「週刊文春の『韓国軍トルコ風呂』報道、腹立たしいが反論は困難…」と記事を掲載し、パク・クネ政権に対し、軍による慰安所運営の実態を調査するよう要請した。
知らないのは日本人ばかりである。日韓外相会談は日本側からのお詫びと10億円(賠償金ではなく慰安婦基金)を支払うという結果になった。それでも日本大使館前の従軍慰安婦像は未だ撤去されていない。敗戦国である日本が長年にわたって従軍慰安婦問題を突きつけられ、日本政府は今回が不可逆的な最終結果だとしているが丸く収まるかどうかは疑問である。
歴史的な事実に背を向ける必要はないし、反省すべきだが、遺恨にしてしまえば次なる争いの元となってしまう。日韓外相会談の後、どこかのメディアが、韓国が従軍慰安所を持っていたことを報道するかと注視していたが、報道なない。報道するかどうかはメディアの判断になっていて、政治的な要素があり報道を見送ったと思われるが、日本国国民はどう思うのだろうか。
この事実を知りたいか、知りたくないのか。山口氏は「もし韓国政府がこの問題を黙殺したり、調査もせず否定したりするなら、彼らこそ都合の悪い事実に背を向け、歴史を直視しない国家であることを、国際社会に対して自ら証明することになる」とリポートを結んでいる。
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