明るい米国の未来示したヒラリー 米国のリーダーどう決まる?その21
Japan In-depth / 2016年7月29日 20時0分
そして党大会最終日、娘のチェルシー・クリントンに紹介されて登場したクリントンは真っ白のパンツスーツ姿。アメリカのダークサイドを強調したトランプとの対比を狙ったのかもしれない。
自分の家族や幼少時の体験など、プライベートな話から始めたクリントンは、幼い時に近所のbully(ガキ大将)にいじめられて泣きながら家に帰ってきた時に、母親が「自分の力で立ち向かうまで帰ってくるな」とドアを閉められた体験を明かし、今もトランプという「ブリー」と戦う用意があると語った。
女性が米軍に入隊したり、リーダーとしてのポジションに就く時によく問題とされるのが、任務を全うするタフさがあるかどうかだが、クリントンも、自分には“commander-in-chief(米軍最高司令官)”になれるだけの経験と決断力があることを主張した。“A man you can bait with a tweet is not a man we can trust with nuclear weapons.(ツイッターのつぶやき一言に釣られるような男に核兵器を託すことはできない)”というセンテンスは、これからの大統領選で繰り返されるフレーズとなるだろう。
クリントンのスピーチはおしなべて聴衆を圧倒するような派手なものではなかったが、彼女が掲げた政策はトランプのそれと違って常に具体的で計画性があり、総合的に「meaty(実のある)」と評されている。そして驚くべきは、8年前のクリントンが掲げていた政策よりずっとリベラルで進歩的なものだという点だ。これでは共和党保守派を取り込むのは難しいだろう。
ただ一つ、ハッキリしたのは、トランプが示すネガティブで暗く、ひどいアメリカの現状と対照的な、これから皆でアメリカをさらによくしていこう、というポジティブなメッセージだ。
今年の党大会は例年より早く行われたため、今日から本選挙まで長い長い100日戦争が始まる。
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