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偵察総局元大佐キム・グッソン氏が語る北朝鮮 第3回 張成沢処刑と金正男暗殺の背景

Japan In-depth / 2022年1月22日 23時0分

偵察総局元大佐キム・グッソン氏が語る北朝鮮 第3回 張成沢処刑と金正男暗殺の背景


朴斗鎮(コリア国際研究所所長)


【まとめ】
・金正恩は、強力な人脈を持つ張成沢を恐れ、ありもしない罪名を着せて張成沢を処刑した。


・北朝鮮の首領独裁と他の独裁との違いは、最高指導者から危険と見なされたら即「処刑」につながるところ。


・北朝鮮のレジームチェンジは、韓米同盟強化による『斬首作戦』で行うしかない。


  


1)金正恩は張成沢を恐れていた


 キム氏によると、張成沢(チャン・ソンテク)は金正恩が小さい時から家族の一員として暮らしていたために、金正恩を義理の甥として対応し、家族の間では「正恩」と呼んでいたようだ。当時北朝鮮では「張成沢」の名前は「金正恩」よりもよく知られていたという。


キム氏は「金正恩は自身が権力を握ったあと、強力な人脈を持つ張成沢を恐れた。張成沢に権力を奪われるのではないかとの恐怖心にかられて、ありもしない罪名をかぶせて処刑した(2013年12月)。しかし張成沢には金正恩の権力を奪おうとする野心はなかった。これで幹部たちは驚愕し震え上がった」と話した。


また「韓国では張成沢を処刑したのは国家保衛部だというのが定説となっているが、張成沢を処刑したのは国家保衛部ではなく、組織指導部内本部党直属の保安部署である『チャングァン(蒼光)保安処』だ」と述べた。


そして「金氏3代で最も残忍なのは金正恩だ。金正恩が残忍になるのは、その性格からくるのだが、人脈がないことでいつも不安の中にいることも関係している」と付け加えた。


人脈のない金正恩は、自身の地位に対する不安から、絶えず幹部たちに対する粛清・処刑を繰り返すとともに、党と軍幹部の人事異動を頻繁に行っていると指摘した。人事異動については、「北朝鮮では軍総参謀長であれ党政治局常務委員であれ、根がなければいつでも飛ばされる」と語り、「内閣総理は『道端の電信柱』と言われ、最高幹部はガラスの上に立たされている」と明らかにした。


2)金正男の暗殺


キム氏は、金正恩の兄金正男(キム・ジョンナム)暗殺の背景についても、韓国で流されている「金正恩権力への挑戦説」を否定し、「金正恩が金正男を暗殺(2017年2月13日)した動機は、国際的威信の低下だ。韓国で言われているような金正恩権力への挑戦ではない」と語り、「2012年に私(キム・グッソン)が計画し、偵察総局19課が実行した」と明らかにした。常設のテロ専門集団として組織された19課は、2011年1月9日に金正恩の指示で組織されたので19課と呼ばれるようになったという。


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