金正恩、核戦争挑発露骨化と韓国総選挙介入【2024年を占う!】国際:北朝鮮
Japan In-depth / 2023年12月27日 15時0分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・金正恩を「偉大な首領」と位置づける一層誇張されたプロパガンダを展開。
・金正恩は、住民への監視と統制を更に強める。
・露骨な戦争挑発を行い、2024年4月の韓国の総選挙に露骨な介入を行う。
2024年に北朝鮮がどう動くかの分析は、年末に開かれる党中央委員会総会での決定を待たなければならないが、あえて現時点で予測すると、そのポイントは
▲さらに誇張された金正恩の偉大性宣と政権安定の演出
▲外部情報の遮断と住民への統制強化
▲核戦争挑発と韓国総選挙への介入
の3点に絞られるのではないかと思われる。
1.金正恩の偉大性と政権安定のプロパガンダ強化
1)金正恩思想を打ち出し偉大な首領に格上げか
首領独裁制の北朝鮮体制にとって最も重要なのは、最高指導者金正恩総書記の権威向上と健康の維持だ。しかし今、金正恩の権威の低下と健康不安は続いている。そのために、来年は、いわゆる「金正恩思想」なるものを大々的に打ち出し、金正恩を「偉大な首領」と位置づける一層誇張されたプロパガンダを展開する可能性が高い。また金正恩の威信低下に影響を及ぼしている健康不安に対しても、それを払拭するプロパガンダを強めると思われる。
金正恩の健康が思わしくないことは、2023年の活動でも示された。活動内容は、会議、会議参加者との写真撮影、軍事視察がほとんどだった。軍事関係以外の地方への視察は激減している。韓国の国家情報院は、金正恩の現在の体重を145kgと見ている。167cmの体でこの体重は異常としか言いようがない。韓国の専門医は、さまざまな成人病を抱えていると分析する。今年も2度目の軍事衛星打ち上げ失敗後の9月末から11月21日の軍事衛星発射までの2ヶ月間は、ロシアのラブロフ外相との面談以外姿さえ見せなかった。これでは国民との距離が遠のくばかりだ。
金正恩の健康悪化は、金正恩の精神状態にも影響を与えているという。最近目立つ「回転ドアー式幹部政策」や、幹部に対する露骨な暴言、政策のちぐはぐさなどから、「躁うつ病」を患っているのではとの情報もある。こうした健康不安情報を打ち消すために、2024年も健康を誇示するプロパガンダを続けるだろう。
2)金正恩の身辺安全と4代世襲のための娘同伴行動続く
最近の金正恩の動向には、予想外(奇異)な行動が増えている。特に目を引いたのは、昨年11月18日の長距離弾道ミサイル「火星17型」発射から、幼い娘との同伴演出が続けられたことだ。この演出は、昨年20回にも及んだ。
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