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プーチンの理性に期待する 「核のない世界」を諦めない 最終回

Japan In-depth / 2024年5月6日 23時0分

プーチンの理性に期待する 「核のない世界」を諦めない 最終回




林信吾(作家・ジャーナリスト)





林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・ロシア・ウクライナ紛争が核を使用しないまま収束に至れば、核とは所詮「使えない兵器である」との認識が世界中に広まる。





・そのことを通じて、核軍縮が一段と進展することが期待できる。





・「紛争解決には原爆投下が手っ取り早い」などと口走る輩を政治の世界に留めておかない決意を新たにしたい。





 





タイトルを見て、林もとうとうおかしくなったか、などと思われた向きもあるかも知れない。が、これはいたって真面目な話である。





今年2月をもって3年目に入ったロシアとウクライナの紛争だが、当初心配されていた、ロシア軍による核の使用(たとえ威嚇目的で海に投下する、といった形態であれ)は、未だ現実のものとはなっていない。





この紛争がどのような形で収束を見るか、まだまだ不確定な要素が多いのだが、ひとつだけ、プーチン大統領が





「敗北の汚名に甘んじるくらいなら……」





という発想でもって、核のボタンに手をかけないことに、言い換えれば最後の一線とも言える理性が保たれていることだけは期待したい。





この紛争が核を使用しないまま収束に至れば、核とは所詮「使えない兵器である」との認識が世界中に広まり、そのことを通じて、核軍縮が一段と進展することが期待できるからだ。





紛争の当初、





「ウクライナが核武装していたならば、侵略を受けることもなかったであろう」





という意見が、同国の内外から聞こえてきた。





しかしこれは、ニワトリと卵みたいな議論に過ぎないことを知る必要がある。





本連載でも複数回述べてきたことだが、そもそもロシアが今次の侵攻を決意するに至ったのは、ウクライナがNATOに加盟する動きを見せたことも大きな要因であった。





その場合、同国に核ミサイルが配備される可能性が出てくるので、ロシアにしてみれば、喉元に短剣を突きつけられたようなものである。





もちろん、だからと言って、ロシアによる侵略行為が許されるはずもないが、争いごとには必ず当事者それぞれの立場と言い分があるので、事態のよって来たるところから冷静に見つめ直したならば、ウクライナがいち早く核武装していたら……という論理は成立する余地がないと言える。





さらに言えば、核武装している国に対して、核を持たない国が戦争を仕掛けた例は、その逆の例より多い。





1982年4月に勃発したフォークランド紛争が典型だろう。





南大西洋のフォークランド諸島は、かねてからアルゼンチンとの間で領有権争いがあったのだが(ちなみにアルゼンチン側ではマルビーナス諸島と呼んでいる)、英国が総督府を置くなど実効支配していた。





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