米中商業問題ワーキンググループが初開催、ビジネス界は歓迎(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月8日 13時10分
米国商務省国際貿易局(ITA)は4月4日、中国との商業問題ワーキンググループ(WG)を初めて開催したと発表した。米国側はマリサ・ラーゴ商務次官(国際通商担当)が、中国側は王受文・商務部副部長兼国際貿易交渉副代表が率いた。首都ワシントンで行われた。
商業問題WGは、ジーナ・レモンド商務長官が2023年8月に訪中した際に、貿易・投資に関する問題の解決策を協議し、中国での米国の商業的利益の促進を目的に設置が合意されていた。次官級の枠組みで年に2回開催し、初回は2024年初めに米国主催で行うと発表されていた(2023年8月30日記事参照)。
WGにおいてラーゴ次官と王副部長は、両国のビジネスコミュニティーから提起されたさまざまな課題について意見交換を行った。ラーゴ次官は、米国の労働者や企業に利益をもたらす中国との健全な貿易・投資関係を目指すという目標をあらためて述べた一方で、米国の安全保障に関わる問題については交渉に応じないと、これまでのバイデン政権の姿勢を強調した。ラーゴ次官はまた、越境データフローや規制の透明性など、米国企業や労働者に影響を与える商業上の課題や市場アクセスの課題を取り上げたほか、中国のさまざまな分野における過剰生産について強い懸念を示した。
ITAの発表によると、今回のWGにおいて、医療に関する貿易の促進や女性の健康、中国内での米国企業へのサービス拡大、クリーン・環境技術、貿易救済の担当部局間の技術交流、貿易促進における地方政府の関与の拡大など、具体的な協力分野が特定された。次回のWGは2024年後半に、中国において行うことで合意された。
中国でビジネスを行う270以上の米国企業が参加する米中ビジネス評議会(USCBC)のクレイグ・アレン会長は4月5日、「クリーンエネルギー、女性の健康、越境データフローといったトピックについて、世界最大の経済大国である2国間のビジネス問題を議論する強力な2国間メカニズムが整ったことを心強く思う」と歓迎する声明を発表した。USCBCは3月に北京で習近平国家主席と会談を行っている(2024年3月28日記事参照)。
米中両国間では、商務省が主導する商業WGのほかに、財務省が主導する金融WG(2024年1月23日記事参照)と経済WG(2024年2月9日記事参照)、国務省が主導する反麻薬WGもある。
(赤平大寿)
(米国、中国)
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