コロナ後の倦怠感、頭痛…その不調「ある炎症」かも。32歳女性が寝たきり⇒職場復帰するまで
女子SPA! / 2024年4月3日 8時46分
◆有効な治療法「EAT」
慢性上咽頭炎には現在、処方できる薬はありません。ですが、ご安心ください。たいへん有効な治療法があります。
それが「EAT(イート・上咽頭擦過療法)」です。手法としては単純なもので、0.5~1.0%濃度の塩化亜鉛の溶液を浸み込ませた綿棒を鼻から、咽頭捲綿子(のどの奥に薬を塗るための医療器具)を口から直接入れ、上咽頭にこすりつけるという治療法です。
EATを行ったとき、慢性上咽頭炎がある人と、そうでない人とでは、反応がまったく違います。
上咽頭は常に体外からの異物の侵入にさらされているため、健康な人でもある程度の炎症があるものです。
けれど、それが病的な炎症でない限り、EATを行ってもさほどの痛みはありません。出血もないか、あっても軽度です。
ところが、上咽頭に病的な炎症が起こっていると、綿棒をこすりつけることで激しい痛みを感じるのです。大の大人でも耐えきれずに涙を流すようなことが珍しくないほどです。
また、炎症が激しいほど大量の出血が起こり、挿入した綿棒に血が付着します。白い塊状の膿(死んだ免疫細胞や細菌、ウイルスなどがたまったもの)が取れることもあります。
こうした痛みや出血の程度が、慢性上咽頭炎を見分ける重要なポイントの一つになります。EATは慢性上咽頭炎の「治療」になると同時に、「診断」にもなるのです。
◆【症例:新型コロナ後遺症】
ほぼ寝たきりだったNさんが職場復帰するまで
Nさん(32歳・女性)はコロナワクチンを3回接種していましたが、2022年7月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患しました。
38℃台の発熱が3日間に加えて、咽頭痛、痰、咳がありましたが、これらの症状は2週間程度でほとんどなくなりました。しかし、その後も強い倦怠感、疲労感、頭痛、動悸、めまいや立ちくらみなどの症状が続きました。
いったんは職場に復帰しましたが、仕事を続けることは困難となり、すぐに自宅療養となりました。
産業医のすすめで大学病院のコロナ後遺症外来を受診し、漢方薬を投与されるも改善はなく、ほとんどの時間を横になっているという状態が3か月続きました。
◆痛みのあまり泣き出したNさん
そんな折、テレビで地方放送局の番組を見た家族にすすめられ、12月に当院(医療法人モクシン堀田修クリニック)を受診しました。なお、当初は味覚障害と嗅覚障害もありましたが、それらは3か月ほどで回復したとのことでした。
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