「ダメな役が似合う」錦戸亮、話題ドラマ好演に出演作続々で“返り咲き”の裏に退所の功名
週刊女性PRIME / 2024年3月5日 21時0分
放送中のドラマ『不適切にもほどがある!(以下、ふてほど)』(TBS系)が話題だ。
「クドカンこと宮藤官九郎さんが脚本を務め、阿部サダヲさんが演じる主人公は'86年の昭和を生きるオジサンなのですが、令和にタイムスリップしてしまうというコメディードラマです。昭和の価値観での“不適切”な言動が、現代の人々を振り回しながらも、考えるキッカケを与えていきます。物語は中盤に差しかかり、主人公を待つ“運命”が大きな反響を呼びました」(テレビ誌ライター、以下同)
“運命”のカギを握っていたのは、第5話にゲスト出演した錦戸亮だった。
錦戸は「大人の悲しさを演じられる」
「仲里依紗さんが演じているのが現代のテレビ局員。主人公は、彼女の父親に会うことに。父親役は古田新太さんが務めました。そして実は、古田さんは主人公の娘の結婚相手で、仲さんは主人公の孫だということが判明。娘と古田さんのなれ初めや、主人公にこれから起こることについて話を聞くことに。古田さんの若かりしころを演じたのが、錦戸さんでした」
錦戸はディスコの黒服をしていたが、地元・神戸に帰ってテーラーに転身。主人公のために背広を仕立てようと、神戸に呼び寄せて採寸を行った。しかし、まだ慣れない作業に時間がかかってしまって終電に間に合わず、翌朝に発生した阪神・淡路大震災で、主人公とその娘は亡くなってしまうのだった。
コラムニストの吉田潮さんは、『ふてほど』での錦戸の演技をこう評価する。
「クドカンのドラマは、大人の悲しさを演じられる人じゃないと、うまく回らないので、よかったと思います」
また、錦戸の29年後を古田が演じたことも話題になったが、
「笑顔で見送った2人が亡くなってしまって“自分がもっと仕事を早くできていれば”という後悔と罪悪感があるじゃないですか。それも含めて、古田さんぐらいに見た目が老けてしまったという計算なのかなと」(吉田さん)
プロも脱帽した“腕前”
撮影が行われたのは、1月下旬。スーツを仕立てるミュージカルシーンは、東京・荻窪にある『テーラーまなべ』でロケが行われた。
「大事なシーンになると、事前に聞かされていました」
こう話すのは、『テーラーまなべ』の真鍋康昭さん。
「シリアスなシーンの撮影でしたが、撮影チームは和気あいあいとした様子でした。錦戸さんも気心の知れたスタッフさんがいたようでしたよ」(真鍋さん、以下同)
チームワークも抜群で、
「錦戸さんとスタッフさんが、カメラの映り方などについて意見を交わす場面も。演技に納得がいかないと“もう1回お願いします!”と、錦戸さんが自ら撮り直しを志願して、よりよいシーンを作ろうとしていました」
真鍋さんが最も驚いたのは、錦戸の“腕前”だったという。
「足踏みミシンを使う場面では、本番前に30分ほど使い方をレクチャーしました。とにかく一生懸命、練習していたのを覚えています。初めての人に指導をしても、1日で使える人はほとんどいないのですが、錦戸さんはたった30分の練習でサマになっていて驚きました。本番中は、少しでも違和感があると“真鍋さーん!”と呼ばれて、ミシンの手直しをしたり、教えたりしました」
採寸も、歌詞に沿って指導。
「ただ、慣れていないという設定で下手に見せるシーンだったので、教えながら“これじゃ下手に見えないね”といったやりとりをしました」
震災前夜の居酒屋のシーンは、神戸ではなく都内の飲食店で撮影。
「従業員によると、撮影は深夜から早朝にかけて行われたそうです。放送から数日後でも“聖地巡礼”のファンが来ているとか。ドラマでは、店内を小道具などで、'95年仕様に見せていましたが、錦戸さんが使っていた“おちょこ”は実際にその店で使われているものだそうです」(店を訪れた客)
'19年9月にジャニーズ事務所を退所してから4年半。独立後、初めての地上波ドラマの出演となった錦戸。
一方“古巣”の関ジャニ∞は……。
「ジャニー喜多川氏による性加害問題の影響で、グループ名の変更を余儀なくされました。2月4日から『SUPER EIGHT』として活動しています。改名は元メンバーにも報告しており、錦戸さんは安田章大さんから聞かされたんだとか」(スポーツ紙記者)
俳優として絶好調な理由
しかし、名前を変えても、厳しい状況は続いている。
「この春の番組改編で、NHKでは旧ジャニーズのタレントが“出禁”状態に。民放のテレビ局は状況が緩和されつつあるようですが、広告起用には、いまだ難色を示す企業が多くて前途多難です。今までとは状況が一変しており、事務所のスタッフも“どうにか仕事を取ってこなければ”と心配しているそうです」(芸能プロ関係者)
そんなSUPER EIGHTをよそに、錦戸の活動は絶好調!
「4月から木曜夜10時に放送される赤楚衛二さんが主演のフジテレビ系ドラマ『Re:リベンジ―欲望の果てに―』に、レギュラー出演することが発表されています。3月1日からは、出演している日英合作の映画『コットンテール』も公開されており、俳優業が活発になっていますね」(前出・スポーツ紙記者)
ここにきて、錦戸が俳優として活躍し始めたのは、いったい、なぜなのか。前出の吉田さんに聞いた。
「まず、錦戸さんは主役じゃないほうが活きるんだと思います。おそらく錦戸さん自身は二枚目を気取るようなタイプではないですし、ちょっとダメな感じの役が似合うんです。なので、立ち位置としては脇役のほうが魅力的なはず。しかし、ジャニーズにいたころは、事務所サイドから主役をやることを求められていたでしょうし、本人にも“下駄”を履かされていたような違和感があったのではないでしょうか」
退所したことによって、その“違和感”から解放されたのだろう。
「ジャニーズを辞めているので“番手”に文句を言われることもありません。なので、制作サイドも、錦戸さんに依頼できる役の幅が広がったと思います。主演でキラキラした役よりも、ダメな役をのびのびとやってほしいという狙いがあるのではないでしょうか。また、性加害問題の流れでテレビ局側の忖度も改善されつつありますし、今後“あの役の錦戸亮はすごかった”と、圧倒的な印象に残るような作品に巡り合うことに期待したいです」(吉田さん)
俳優として“目の前の向こうへ”たどり着けそう!
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