「全従業員が陰性」がお上を刺激!? 「なぜいま?」の疑問を拭えない大阪・店舗型風俗の摘発
TABLO / 2020年6月10日 5時55分
写真はイメージです
目立つとやられる、というのは風俗業界の常識だが、今回はそれ以外にもお上の思惑があったのではないか。6月3日、大阪府警生活安全特別捜査隊は風営法違反の疑いで、大阪府枚方市のピンクサロン「H」の店長ら4人を逮捕した。大手マスコミ各社が報じた。
容疑は5月20日、店舗型風俗が禁じられている京阪枚方駅前の風俗ビルにある同店で、30代の男性らに性的なサービスをしたこと。逮捕された店長らは容疑を認めているというから、事実関係には問題がないのだろう。
しかし、テレビや新聞が報じない(彼らにとってはどうでもよい)詳細をみていくと、疑問符がつく。まず、なぜいま? ということだ。「H」はなにも昨日今日営業を始めたワケではなく、平成の時代から風俗ファンの間では“優良店”として知られていたという。今回、府警の生活安全特別捜査隊が摘発したが、それまで地元の所轄は動かなかったのだろうか。
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筆者は摘発しろと言っているのではない。おそらく地元密着の風俗店で、なかば黙認という形であったのではないか。住宅街ならともかく、駅前などであればその程度の目こぼしは怠慢とは言えまい。
いまひとつ、なぜいまなのか? これは、まだ府の休業要請が続いている5月の連休明けから営業を始めたことが関係しているのかもしれないが、それを言うなら同様の他店は多数ある。首都東京・新宿歌舞伎町の風俗店の多くも(休業要請解除を待たず)連休明けから営業を開始した。もちろん、営業可能地域か否かは大きな問題だが、そうなるとやはり、今までの黙認がなんだったのか? という話になってくる。
ひとつのファクターとしては、「H」がHPなどで「全従業員が(コロナ)陰性」とうたったことがあげられよう。自粛要請に従わなかったことは許そう、禁止地域であることもギリギリ許そう……だが目立つのはお上に対する挑発であり、到底許すことはできないということだ。府警が直々に出向いていることでも、その“意気込み”がうかがえる。
大手マスコミは「H」に踏み込む捜査員がフェイスシールドでガードしている場面を大きく取り上げていたが、これも考えてみれば少々大げさで、古くはオウム真理教事件でのカナリアの籠を持った捜査を彷彿とさせるような、画的な効果を狙ったのではないかと穿ってみる。
しかし、なによりも穿ちたいのは
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一罰百戒効果によるコロナ禍への影響だ。新規感染者ゼロが続く大阪府のみならず、どこの自治体も経済重視で人々の活動再開を促している。それでも、東京のように再び感染者増加となれば世論が気になる。そのときのために、スケープゴートを用意し、国民間の分断を生んで批判をかわすというやり口だ。
幸か不幸か、東京ではホストクラブというなにかと物議を呼ぶショーバイがクラスターとなったことで、小池知事は「夜の街」をやり玉にあげることができた。そのやり口は功を奏し、ネットなどでは「悪いのは水商売!」と断言する人まで出ている。アフターコロナの時代、水商売ならずなべての商売が新たな方策をとらざるを得ないなか、お上による分断政策には危惧を感じざるを得ない。(文◎堂本清太)
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