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高速道の「緑地」何のため? 心の「いやし」だけじゃない! 緑で「中央分離帯」が整備される理由とは

くるまのニュース / 2023年5月13日 7時10分

高速道路沿いには多くの緑地が整備されていますが、なかでも中央分離帯に木々などが植えられるのには理由があるといいます。どのようなことでしょうか。

■中央分離帯の緑地は「安全向上」を目的に植えられている

 旅行や帰省、仕事で長距離を移動するときに便利な高速道路ですが、中央分離帯にはきれいに整備された緑地があるのをよく目にします。
 
 これらの緑地設置には、一体どのような目的があるのでしょうか。

 高速道路の緑地は、中央分離帯以外にも、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)を含め、道路周辺地域の随所に、芝生や樹木、低木など様々な形態で見ることができます。

 高速道路を運営・管理するNEXCO東日本(東日本高速道路)では、中央分離帯の緑地整備について、次の3つの理由を説明します。

 1つ目は、夜間、反対車線を走る車のヘッドライトの眩(まぶ)しさを防ぐこと。

 2つ目は、ドライバーに道路の線形(曲がっていく方向)を分かりやすくすること。

 そして3つ目は、単調になりがちな走行景観に変化をつけることです。

 いずれも「安全向上機能」を主な目的としています。

 まず1つ目ですが、夜間走行時、植えられた植物(植栽)が対向車のヘッドライトを遮る眩光防止効果を高め、適切な視界環境を維持するはたらきがあります。

 近年のクルマは、衝突安全の観点からボンネット位置が上がったり、大柄なミニバンやSUVが増えたこともあって、ヘッドライトの位置が以前よりも高くなりました。

 加えて、光が拡散されにくく集約して照すことができるLEDヘッドライトや、オートハイビーム機構の普及も進み、以前よりも対向車のライトがかなり眩しく感じるようになりました。

 こうした眩しさを防止する効果を目的として、中央分離帯に植栽が設置されているのです。

 さらに2つ目として、山に沿うように造られている区間ではカーブも多くなるため、ドライバーが中央分離帯にある植栽の並びから、カーブを早めに認識できる効果があります。

 そして3つ目は、都市部や郊外の平野部などで効果を発揮するものです。

 こうした区間では、直線や緩やかなカーブが続く区間が多く、景色も単調で変化に乏しいため、植栽によって景観に変化をつけることで、眠気防止、集中力低下防止、注意力低下防止など安全運転につながる工夫がされているのだといいます。

※ ※ ※

 高速道路周辺には、中央分離帯以外にも様々な植物が植えられています。

 国内の高速道路整備に際し、国は1956年に日本道路公団を設立しました。

 初代総裁が道路の緑化方針を打ち出したことで、1963年に日本で初めて開通した名神高速道路には、すでに中央分離帯に緑地が設置されたといい、その後各地に路線を展開するなかで、路肩などの植栽も広がっていきます。

 これらの植栽の主な目的は「環境保全活動」と「景観向上機能」にあります。

 日本に設置された高速道路は地形上、多くが山を切り開いて造られ、その間に通された道に二酸化炭素を排出するクルマが通行します。

 二酸化炭素削減効果を持つ植物を道路周辺に植えることで、自然と融合した高速道路の景色をつくりだしています。

 また交差する道路の立体交差や、掘割区間などの無機質なコンクリート、鉄骨部分、防音壁といったロードサイドを植栽で覆う効果があります。

 さらにSAやPAに植樹し、芝生エリアを設置することで、ドライブ中でも豊かな自然を身近に感じ、精神安定効果が得られるほか、休憩時であればリラックス効果をもたらすとしています。

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