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中古車の「メーター巻き戻し」はなくなった? “改ざん”激減でも未だにある? 旧車人気の今、注意したいケースとは?

くるまのニュース / 2023年9月10日 19時10分

かつて中古車では「メーターの巻き戻し」と呼ばれる改ざんがおこなわれたことがありました。総走行距離を短く見せる悪行なのですが、今でもそういった不正行為はあるのでしょうか。

■かつての「メーター巻き戻し」なぜほぼ消滅した?

 昨今、クルマ買い取り店の不正行為が明るみに出て話題となりましたが、かつての中古車では「メーター巻き戻し」と呼ばれる改ざんがおこなわれたケースが数多くありました。
 
 メーター巻き戻しとは、総走行距離を表示する「オドメーター(積算走行距離計)」を改ざんして走行距離を短く見せ、中古車の劣化が少ないように見せかける詐欺テクニックでした。

 2000年前後まではよくおこなわれていたとされるメーターの巻き戻しですが、現在ではほとんどなくなったようです。ではなぜ過去はよくおこなわれていたのでしょうか。

 現役整備士のT氏は次のようにいいます。

「当時販売されていた中古車はメーターもアナログでしたし、特に輸入車では正規輸入ではない、海外で中古車として販売されていたクルマを輸入した『中古並行輸入車』が数多く出回っていた時代でした。

 当然、そのクルマの履歴がわかる『記録簿』もない車両が多く、それでいて『走行距離が短い=良質な中古車』というイメージに漬け込み、メーターを外して数字を改ざんし再度付け直す業者がいたという話を聞いたことがあります。

 ただし、現在では車載コンピューターにも走行距離が記録され、さらに車検証にも合格時の総走行距離が記載されるようになっており、メーター巻き戻しは見かけなくなりました」

 1998年に「車検証に前回車検時の走行距離を記載すること」が義務付けられ、メーター表示値と車検証の記載距離の違いがわかるようになりました。

 さらに2001年には「日本オートオークション協議会」が設立され、不正なメーターを取り締まる走行メーター管理システムが運用開始。また2004年には、国土交通省によって「車検証に過去2回の車検時走行距離の記載の義務化」が施行されました(軽自動車は2009年から)。

 そして2017年、「車検証に過去の車検時に記録された最大走行距離を記載」する方法へと改められ、メーター交換や修理などで走行距離が減少しても発見できるようになったといわれています。

「同じ年式の中古車であれば、総走行距離が短い車両のほうが状態は良さそうに感じる人も多いでしょう。

 しかし実際は、極端に距離が短い中古車はそれだけ乗られていなかった、または短距離ばかりで使用されてきた『シビアコンディション』の可能性もあり、そういった車両よりに多少距離を多く走っていてもしっかり整備された中古車のほうがコンディションとして良好な場合も多々あります」(現役整備士 T氏)

 中古車を購入するときに総走行距離を過信せず、あくまでそのクルマの状態を推し量る目安のひとつと捉えておくのが良さそうです。

■今でもネットオークションや個人売買の「距離不明車両」は要注意!?

 現在では、車検証や車載コンピューターに走行距離が記録・記載されるようになったこともあり、メーターを改ざんする手間と販売価格を天秤にかけても悪徳業者が得をするということはなくなっているようです。

 その結果、メーター巻き戻しは自然淘汰されてきたといいます。

中古車選びで注意することは?中古車選びで注意することは?

「ただし、完全にはなくなったとも言い切れず、注意が必要なケースもあります。

 特に注意したいのが、ネットオークションによる売買です。実態のわからない業者や個人売買では、ときとして『走行距離不明』という車両もあります。

 安さに釣られて購入すると、逆に大きな出費になってしまう可能性もあるので、ネットオークションの画像だけでなく必ず現車をチェックしてから購入しましょう」(現役整備士 T氏)

 またデジタルメーターでも専用の機器を使えば距離を書き換えできることに加えて、タイミングベルトやオイル類の交換時に貼られたステッカーなどにも当時の走行距離が記載される場合がありますが、これらが剥がされている車両などはかなり怪しいといえそうです。

「もちろんネットでの売買がポピュラーな現在、ほとんどは良心的なユーザーだとは思いますが、なかにはメーターを付け替えても報告しなかったり、数字を改ざんしたり機関的な不具合を隠して売られるケースもまだあります。

 そういったリスクを想定し、信用できるショップなり整備工場で改めてメンテナンスするところまで含めた予算で、中古車を探すのが良いでしょう」(現役整備士 T氏)

※ ※ ※

 最近では、1980年代から1990年代後半までのいわゆるネオクラシックのクルマが人気で、こうした経年車ではレストアなどでメーターが交換されていたり、記録簿も曖昧になっていることも多く、改ざんされていないとも言い切れません。

 中古車を購入する際は、信頼できるお店を選ぶことや、インターネットでの個人売買の場合は必ず現車を見てからにしたほうが安心です。

 クルマの知識がある人に同行してもらって現車をチェックするなど、いわゆる「ハズレ」の中古車を掴まされないように注意しましょう。

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