世界に1台の「痛バス」実車展示! 鮮やかデザインに注目集まる!? 路線バスを痛車化、どんな特徴?
くるまのニュース / 2024年4月4日 19時10分
元路線バスを自家用にしてさらに痛車化した「痛バス」が東京お台場で展示されました。どのような特徴があるのでしょうか。
■自家用バスを丸々痛車に! 世界最大痛車イベント『痛車天国』驚きの大賞受賞
2024年3月31日、世界最大級の痛車展示イベント「Yupiteru presents お台場痛車天国2024」が東京・臨海副都心で開催されました。
そこではバスを丸々痛車に仕立てた展示もありました。
痛車とは漫画やアニメーション作品、ゲーム等のキャラクター絵を内外装に施したクルマを指します。
元々は「見ていて痛々しいクルマ」が「痛車」の語源とも言われています。
しかし、今では「痛々しさ」を感じさせないスタイリッシュなカスタムや、一見痛車には見えないおしゃれな貼り方をした痛車も台頭してきています。
また、痛車がメインではないカスタム系イベントでアワードを受賞するような痛車も登場しており、いまや痛車は日本が世界に誇る自動車文化のひとつとして認識されています。
日本のみならず、世界中で痛車の展示イベントは開催されています。
その中でも最大級の規模を誇るのが「痛車天国」です。
今回の「Yupiteru presents お台場痛車天国2024」では、1000台を超える痛車が集結しました。
その中でもひときわ注目を浴びたのがバスを丸ごと1台ラッピングした痛車です。
このバスのオーナーは兵庫県在住の「こっくん」さんで、使用しているバスはこっくんさん自身が所有されている自家用バスとなります。
こっくんさんは2年ほど前に中古のいすゞ「エルガ(PJ-LV234N1、西日本車体工業 96MC)」を約180万円で購入したとのこと。
ナンバープレートはしっかりと白地の自家用ナンバーで、神戸運輸監理部の管轄する「神戸」ナンバー地域で登録されています。
ですが、こっくんさんによれば名義変更や車検だけでも相当苦労したと言います。
神戸運輸監理部で路線バスを自家用で登録する前例はほぼなく、車検の根幹を形成する「審査事務規程」をこっくんさん自身で隅々まで読みあさり、なんとか自家用バスとしての車検取得を実現しました。
また、乗車定員30名以上のバスには例え自家用であっても「整備管理責任者」の任命が必要ですが、こっくんさんはその当時に資格を取るための条件を満たしていなかったそうです。
そのため、購入したバスは本来の乗車定員が74名であるところ、それを29名に落とす必要があったと言います。
維持費は年間100万円ほど、毎回の修理のたびに30-40万円は消えていくとのこと。
最初から合算したら今までかけた費用は1000万円ほどとなりますが、現在はバス会社に転職して収入も安定しているため、なんとか維持はできている状態と言います。
■ただの痛バスじゃない!? こだわり抜いたポイントとは
「痛バス」実現のきっかけは2023年3月に開催された「Yupiteru presents お台場痛車天国2023」にて、企業として出展していた千葉県の痛車施工ショップ「DiviD」に施工の相談をした時と言います。
当初はデザインだけDiviDに依頼し、施工は一般的な路線バスのラッピングを施工する業者に任せるつもりとのことでしたが、データの調整や施工時のズレを考慮し、最終的にはデザインから施工まで一貫してDiviDが請け負う形となりました。
こうして、イベントの10日ほど前に完成したのが前代未聞の「自家用痛バス」となります。
バス自体はバーチャルライバーグループ「にじさんじ」に所属する「リゼ・ヘルエスタ」「アンジュ・カトリーナ」「戌亥とこ」3人のイラスト(「しなりつ」さん作)を施した仕様です。
背景はリゼ・ヘルエスタが第二皇女を務める「ヘルエスタ王国」と「酷似」している静岡県をイメージしています。
そのため、茶畑や遊園地、富士山、そして美しい空があしらわれたビビッドな背景となっており、遠目で見てもその迫力には圧倒されます。
単に「痛くする」だけでなく、「路線バスらしさ」に注力したディテールも必見です。
運行事業者を架空の「ヘルエスタ交通」と定めて車体に記載したほか、出入口の表示や車両番号、LED方向幕までもが、あたかも本当に実在する路線バスかのように演出しています。
車内には本物らしい広告も!
また、展示会場では実際にバス車内にも入ることが可能で、実際のバス広告だけでなく、施工を手がけたDiviDの「バス広告」風パロディポスターも掲示されていたりと、かなり手の込んだ一台となっています。
こっくんさんが2年越しで実現させた自家用痛バスは、Yupiteru presents お台場痛車天国2023にて最も優れた痛車に送られる「痛車天国大賞」を受賞しました。
ツイッター(現・X)上で完成報告をした時からすでに注目を集めましたが、その後もしっかりと賞を受賞するなど、話題性も迫力も満点の一台として多くの人の記憶に刻まれる印象深い1台となりました。
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