人口70人足らずの集落にあった「幸せ」 おじい、おばあと交流、学生の印象一変
共同通信 / 2024年3月25日 7時2分
高知県の山間部に、人口70人足らずの津野町床鍋地区がある。最寄りのバス停から徒歩2時間半。高知大4年の前田大我さん(21)は1年の夏から通い詰め、地域おこしを学ぶ。事前に抱いていた「限界集落」の印象は、訪れて一変。地元に住むおじい、おばあとの交流で見えてきたのは「床鍋には床鍋の幸せがある」だった。(共同通信=船田千紗)
四万十川の源流がある津野町。床鍋地区は周囲を山に囲まれた集落で、車1台通るのがやっとの道を抜けた先にある。
埼玉県出身の前田さんは知人の誘いで訪れた。入学間もない「よそ者」を温かく迎え入れてくれたのがうれしかった。住民と稲刈りや川の掃除に取り組むうち、寂しいイメージは薄れていった。
こんにゃくを手作りしたり、川で釣った魚を食べたり。「そこにある物を食べる」習慣は、前田さんには新鮮だった。時間に追われない生活様式にも心動かされた。
通い始めた頃、住民は80人いた。徐々に人が減っていく絶望感がおじい、おばあの表情から見て取れた。せめて楽しい時間を残したいと思い、スマートフォンで動画による記録を始めた。
撮影した動画は前田さんが編集し、住民と開設したユーチューブチャンネル「とっとこ鍋太郎」で配信する。農作業の様子や、集落に伝わる民謡を唯一歌えるおじいの歌に、学生と住民が手拍子を打つ場面も収めた。動画を見て床鍋を訪れた、という若い世代の観光客も現れた。
廃校を利用した交流施設には観光客が宿泊できる。1階の居酒屋では、飲みに来た住民との間で「元気の交換」(前田さん)が自然と始まる。住民の温かさに引かれて、何度も泊まりに来る人もいる。集落の人口減は食い止められない。それでも、前田さんは住人に明るさが戻ってきたと感じている。
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