癒えぬ悲しみ、追悼の祈り 風化や再発防止の思い胸に
共同通信 / 2024年4月25日 12時51分
歳月を経ても癒えることのない悲しみと向き合い、祈りをささげた。尼崎JR脱線事故から19年となった25日、現場周辺や各地では遺族らが犠牲者を悼み、事故の風化や再発の防止への思いを胸に手を合わせた。
事故車両の2両目に乗り、全身打撲などの大けがをした兵庫県多可町の小椋聡さん(54)は現場の慰霊施設「祈りの杜」で開かれた追悼行事に参加。「こんなにも多くの人が亡くなったのだと改めて感じた。19年前に生き残ったことを大事にしたい」と語った。
3両目に乗っていた同県伊丹市の玉置富美子さん(74)は「ゴゴゴゴ」というごう音とともに全身を打ち付けられ血を流した当時を思い出す。今も週3回、顔の筋肉を刺激するリハビリを続け「治療は一生続けなければいけない。体調もしんどいが、生きている自分には事故を伝える使命がある」と述べた。
大阪府高槻市の西尾裕美さん(66)は、2両目に乗っていた次男和晃さん(37)が左足を負傷し、今も後遺症がある。「事故には必ず背景があり、根本を解決しないといけない」と涙をぬぐった。
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