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小1少女の探究心をかき立てたのは「ふと現れ、不思議でやっかいな生き物」文科大臣賞の栄冠

京都新聞 / 2024年4月27日 11時0分

屋内外に現れたカビを色分けして示した「カビちず」を前に、受賞の喜びを語る川村千歳さん(多賀町・大滝小)

 変色した1枚の食パンが、小学1年の少女の探究心をかき立てた。

 表面の緑の点々。なんだろう。母親の可奈子さん(47)に見せると「カビが生えているから食べちゃだめ」。そう言えば、父親の幸義さん(50)も「お風呂はすぐカビが生える」と困り顔だった。

 鈴鹿山系の滋賀県多賀町で暮らし、自然や生き物が大好きな川村千歳(ちとせ)さん(8)。カビという「ふと現れ、不思議でやっかいな生き物」に俄然(がぜん)、興味が沸いた。昨年の夏休み、「カビ1」と題した自由研究に挑戦した。

 よし、捕まえてみよう。でもどこにいるの。見えないのにどうやって。そうだ、カビが生えた食パンを使ったら取れるかも。この発想がコンテスト(才能開発教育研究財団主催)で高く評価され、科学部門で最上位の文部科学大臣賞(低学年の部)に輝いた。

 実験では、自宅の玄関や風呂、トイレなどの床や天井、壁などに食パンをポンポンと押し当てた。「どこに多いのか、何色が出てくるか、わくわくしながら」袋に入れて密封し、観察すること1週間。カビたちは3、4日目に姿を見せ始めた。

 黒くて汚いイメージだったが、オレンジやピンク、緑など8色も出た。「カラフルで、まるでカビが白い食パンに絵を描いているみたいで楽しかった」。

 場所ごとに出たカビの色を記し、湿度も添えた「カビちず」を作成。室内では、床、壁、天井の順で多く、温度より湿度が高い部屋で多かった。人が触れる場所に多く「人がカビを運んでくるのかもしれない」。工夫を凝らしたまとめ方や考察も評価された。

 小学生の間、自由研究を続けた兄彌嵩(みかさ)さん(13)を見習って頑張った。「うれしいし、びっくりした」という受賞を糧に今年はカビの好物を調べる。「イチゴとか納豆を使って、甘い物か、しょっぱいものか、何に生えやすいか調べたい」。将来、菌類の研究者か、産婦人科医になることを夢見ながら、今はカビの世界に夢中になっている。

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